序章
本命は魔王様とシャイニーナの恋物語なので、最初は少しお待ちください。
とある王国の王宮で、王女が1人、産まれました。
彼女の名前はベルリーナ。
白っぽく輝く金髪に、碧色の瞳。
美しい、エルフのような姫でした。
でも、その頃から王都は荒れだします。
作物が上手く育ちません。
王は、魔界の王の魔王に問いました。
私は、どうしたらよいのだ、と。
魔王は答えました。
では、私が止めてやろう。その代わり、王女が14歳になったら、
お前の娘を私にくれ、と。
王は震え上がりました。自分の娘を生贄に差し出さなければならないと思ったからです。
そんな頃、とある村で、娘が産まれました。
名前はシェン。
普通の村娘になるはずでした。
でも、外見は、白っぽく輝く金の髪。
澄んだ碧色の瞳。
エルフのような娘です。
そう、ベルリーナ姫そっくりの。
◇◇◇
王は、シェンのことを知り、思いました。
この娘を養女にし、娘の代わりに魔王に差し出そう、と。
こんなにそっくりなのだから、誰も疑わないだろう、と。
ベルリーナを守りたい一心で、罪なき民を犠牲にしたのです。
早速、シェンを姫として育て始めました。
シェン姫ではなく、シャイニーナ姫として。