第12犯 13日の金曜日事件
令和だぁああああああ!
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「合法ロリ! 敵襲だ! アレだ! 帝国軍が着ているぞ!」
「な、なんじゃとぉ!? ん? ごうほうろりとな?」
「良いから、戦える奴を集めろ! 皆殺しになるぞ!」
大魔女様は俺の言葉にふっと笑う。
おいおい、何が可笑しい? 合法ロリで笑ったのかだとしたら飛んだカルチャーショックだ!
「デュランダル帝国かの?」
「知ってんのかよ」
「貴様の事じゃ、人は殺さんのだろう?」
「そうだ、これは俺の縛りだ。力を手に入れたんだから、ルールが無いと人は簡単にイカれる」
俺はそれだけ言うとアンドラスに方向を変えるように指示して街へと降りると、叫びながら街を滑走する。
「帝国軍に見つかったぞ! 逃げろ! 殺されるぞ!」
町のみんなは顔色をサーっと青くしてパニックになって散開していく。その中で俺に向かってくる女の子がいる。ラプティーナ・パープルだ。
「ククルス・ゼァークさん! 帝国って」
「早く逃げてください。敵は軍です、殺されますよ」
「私は戦います! 敵は魔法を使えない!」
「それは愚行よな。相手側には魔導士がいた。奴が敵兵の装備に魔法を付与せば、敵の得意な格闘戦となる。そうなれば貴様らには勝ち目はないぞ?」
アンドラスは冷たく言い放つと街はずれを睨む。
「小僧め、始めているようだな?」
「ツインか、あー、そうか……スッカリ忘れていたよ」
俺はそう言うと頭を抱える。
伝えるだけ伝えて逃げるつもりだったが、そうも言えなくなってきたな。
「ナゲット!」
「我はアンドラスである」
「戦うしかない?」
「我の望みは戦乱である! 小僧に加勢するぞ!」
「クソ! ええぇい! バッドエンドは俺の一番嫌いなモノ!」
俺はやけくそ気味に叫んで雷が柱を作っている場所へとアンドラスを急がせる。
その時だった。
「おーい! お客さん! お届け物だよ! 修理した武器だ!」
鍛冶屋さんの上を通過した時だ、その声と共に俺の手元にピカピカのチェーンソーが召還された。すげぇ! まるで新品じゃねーか! ここに、魔石を
挿、入!!
ドゥルルルルルルルルルルルルルルル!!!!!!
「うおおおお! キタ、キタ、キタぁああああ!」
炎の魔石をぶち込んだチェーンソーはけたたましい音と共に大量の火の粉を噴出しながら刃を高速回転させる。
これこそ俺が望んだロマン武器だぁ!
「フハハハハハ! まるで悪魔の剣!」
アンドラスはご満悦と言った表情で俺を敵陣のド真ん中へと叩き落した。
「はぁ?」
俺は興奮から一気に感情を無に落としていた。
周りには剣、盾、魔法使い。全員が身長190センチ、瞳の色はグリーン、髪は兜、筋肉もりもりマッチョマンの変態どもだ。
「無理! 俺の死に場所だぁ! YO! YO! ここに立つぜ俺のRIP! どうせ散るならイクぜ何P! むさい野郎の殺意に湧き上がるオーディエンス!? 異世界生まれの俺に絶頂! イエア!」
クソラップも虚しく、連中の剣が振り下ろされる。
スキルが役に立たねぇ! 絶体絶命!
俺は必死にチェーンソーを振り回す。軽い、意外と軽いが、チェーンソーは相手の剣を砕き割っていく。
「うわぁあああああ! な、なんだ! その剣は!?」
「いえぇえええい! 万事休す! このチェーンソー様様だぜ!」
俺は少し落ち着くと近くで憤慨して兵士に頭突きしているツインに雷の魔石を投げ渡す。
「ツイン! 雷を周りに落としまくれ!」
「オッケーい! よいしょお!!」
何本もの雷が俺とツインの周りに落ちる。
だが、その雷は兵士たちの後ろで陣取っている魔法使いのジジイの杖に吸い込まれていく。
「うおおお!? そんなんありか! ツイン! 元に戻れ! 逃げるぞ!」
「そんな! 逃げるって! 簡単に殺せるよ!」
「殺すな殺すな! こいつらの国を敵に回すことになるぞ!」
「国なら焼いてやるぞ?」
「とりっぴーは黙ってろ!」
バイコーンの姿に戻ったツインに跨って駆け出した俺は頭上を面白半分に笑いながら飛んでくるアンドラスに怒鳴ると後ろを確認する。
あー、結界で守られてたのね? 魔法や矢が次々と弾かれて行ってますぅ。
「いやああああ!」
「ん!?」
女の子の声に俺は振り返る。すると、そこには魔法使いのジジイに組み付かれているラプティーナだった。
「あのジジイ! ふざけた真似を! この世界のおっさんは性獣の生まれ変わりかなんかだろ!?」
「否定は出来んな、戦となれば敵陣地の女は大体慰み者よ」
「アンドラス! ツイン! 前言撤回! 殺さない程度に、ボッコボコにすんぞ! 全員フルボッコにしてやらぁ!」
「フハハハハハ! 我が名を国へと帰り、飼い主へと伝えよ! 我が名は暴虐と殺戮の炎の悪魔! アンドラスである‼」
ハイテンションになったアンドラスは翼を大いに広げて敵一団に突っ込んでいく。おー、通り過ぎただけでマッチョマンが吹き飛ばされていく。
よし、岩を放り投げよう。
投げてやろう。死ななければいいや、重症でもいいや、魔法でなんとかんだろ? 知らんけど。
「おらぁ! 歩く痴漢共がぁあああ! 生殖機能に色々持ってかれたボケがぁあああ!!」
俺は岩を召還して投げまくる。
いきなり巨岩が飛んできて兵士たちは悲鳴を上げている。
ツインも馬の姿で一団の中を縦横無尽に蹂躙している。もうね、さっきまで逃げようとしていた俺はどんだけ舐めプしてんだと思うよね。
あっ、そうだぁ。
「アンドラス! 俺を掴んであのジジイの所へ投げろ!」
「お前の考えが大体わかってきたぞ! 愚か者!」
「殿下の宝刀を土産に帝国に帰りな!」
俺はアンドラスに捕まれると魔法使いのジジイの所へと放り投げられる。
浮遊感の中で俺は拳を構える。
「ふん! 愚かな! 狙い撃ちじゃ!」
ジジイの放った火球は俺の目の前で霧散する。
「悪魔の力身に着けた俺を舐めんな! 見せてやるぜスケベジジイ! これが企業戦士の必殺技!」
俺は空中でダッシュの魔法を使うと加速してジジイの顔面へと拳をめり込ませた。
それと同時に兵士たちは全員が気絶して、戦いは終わった。
チェーンソー様様だぜ!




