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第9犯 魔女街事件

魔女っ娘キャラの全盛期っていつよ?

1


 盗賊はリーダーを残してほぼ壊滅。俺は死屍累々の現場をおっさんに見せて証拠とすると報酬の話になった。

 最初は金を巻き上げるのも良いと考えたんだが、ボウガンをちょうだいして俺でも遠距離攻撃できる様になれば安心してアンドラスやツインの援護が出来る。ここはボウガンだな。


「さて、報酬はそのボウガン・・・・・・を」


 俺はその時に小屋の壁に何が飾られているのに気が付いた。大切そうだが、ホコリが被っている。

 それは


「ち、チェーンソーだぁあああ!」

「あ、あぁそれはそう言うのか。嫁の元ダンナの私物でね、奴は転生者だった。嫁を捨てた時の手切れ金の変わりに置いていったものの一つさ、このボウガンは使えたがそれはさっぱりだ」

「このチェーンソーをくれ! 金はいらない! これを俺にくれ!」


 ホラーゲーム、映画、中にはモンスターパニックのエクスカリバー! チェーンソー様だぜ!

 ここで、「効率重視だキリッ、ボウガンを」なんてバカは豚に殺された方が良い。


「あ、良いので? それは、使えないかもなんで」


 俺はチェーンソーを手に取ると、ボディにくぼみがあるのを見つけた。これは? 燃料を入れる機構が無い所を見れば、こいつが燃料っぽいが?


「・・・・・・ふむ、これは魔石をはめれば動くぞ」

「知ってるのか!? 雷電!」

「我はアンドラスである。ふむ、街の錬金術師なら持っているだろう」


 勝った!


「これをもらう! よし! 旅を続ける。じゃあな、おっさん。ご婦人、御自愛して下さい」

「せいぜい短い時間を楽しむがよい、さらばだ」

「じゃーねー! おばちゃん!」


 俺は小屋を出ると元々歩いていた道に戻る。

 背中にはチェーンソー。鑑定してみると、上位も上位武器。


チェーンソー

・属性変換 ・多段ヒット ・武器破壊 ・移動速度上昇

・滞空


 え? 強い。もうチートやん。

 

「よーし! これが動けば、このタイトルは(チェーンソーで異世界無双、ハーレムってどうやって作るんだよ!?)に変更だ!」

「何を言っているか解らんが、やめた方が良いのは何となくわかるな」

「ご主人ってかなり変わった人間だよね」

「多少我の強い男の子が不満を募らせながら大人になるとこうなるんだぜ? ツインは真っ直ぐな良い男になるんだよ。女の子を両手に囲って毎晩取っ替え引っ替えで色々やるような」

「僕は年上の人が1人僕を好きでいてくれるならいいかな。今はたくさん甘えたいけど」


 俺はツインの言葉に自分の穢れを自覚して白目を向くと、辺りが霧に囲まれていることに気が付いた。


「なんか、妙だな」

「魔法の霧だ。何処に出るか我にもわからん」

「へー、で? これって、ピンチ?」

「仕組まれていたとなれば、お前だけ殺される程度の痛手は受けるかもな」

「ガァッデェム! くそ! はぁああああん! これさえ動けばミンチにしてくれる物を!」


 そうこう言う内に視界が晴れてきた。

 さぁ、鬼が出るか蛇が出るか!

 霧の先には、


「おっ? 人間だ、珍し・・・・・・んぎゃあああ! 悪魔だぁ!」


 でっかい帽子に、複数のアクセサリー、なんか胸元のあいた服で物々しい割には露出の多い服を着た女の子がアンドラスを見て叫び声をあげている。

 その格好、魔女って奴か?


「こいつらは俺の従魔。俺が死なない限り暴走はしないと約束します」

「じ、従魔? 悪魔を従魔にするなんて、大魔女様以外の人で初めて見たよ」


 あー、いるのね。悪魔をテイムする奴が他にも、なーんだ、俺だけのスーパーパワーじゃねーのか。

 テンション下がるなぁ。だが、この女の子の背後に広がるやたらと魔法使いチックな街は気になるな。


「ここは、何処ですか?」

「魔女街、普通は人間の立ち入りは出来ないんだけど。あんた、人間だよな?」

「誰よりも人間ですよ? まぁ、少しだけ運に恵まれたね」

「んー? まぁ、いいや。ようこそ魔女街へ! 不思議なアイテムが沢山あるから、旅に必要な物を集めたら良いよ」

「魔石をプリーズ。俺の魔具を動かす為に必要なのです」


 俺はそう言うと街の中へと案内され、足を踏み入れた。

 辺りには、女の子しかいない。なんだか、ハロウィーンで魔女コスの女の子達の群れに入った気分だ。明らかに俺が浮いている。


「ここには女の子しかいないの、魔女は歳をとらないから。アタシも言うて200歳だしね」

「ならば、礼を尽くさなければ。遥かに年上だったとは」

「お姉さん、おっぱい大きいね! むにっ」

「ひゃああ!?」


 人間形態のツインが突然女の子の胸をわしづかみにした。それは、許されない! 痴漢だぞ! 犯罪だ! 良いぞぉやれぇ!

 あぁー止めないとなぁー。従魔が痴漢とかヤバいからなー。


「ツイン! よせ! そう言うのは許可を取ってからやるんだ!」


 俺はツインの頭にスキルを使わずに拳を打ち下ろす。


「そ、そう言う問題じゃない! ば、バイコーンの子供?」

「申し訳ありません。この子は母親に捨てられ、独りぼっちで生きてきて・・・・・・女性の優しさや温もりを知りたいだけなのです」


 俺はツインの頭を撫でながら泣き真似をする。日本で散々やった泣き真似だが、異世界に効果はあるか?


「あ、そ、そうなんだ。ごめんね? びっくりしただけだから大丈夫だよ?」

「お姉さんごめん、僕構って欲しくて」

「あぁもう! 私、弟が欲しかったからこう言うのに弱いの!」


 よし、同情したな?


「あ、そうだ。私の名前はラプティーナ・パープル。貴方は?」

「ククルス・ゼァーク。通りすがりの冒険者です、そのバイコーンはツイン、そしてこの燕尾服の鳥頭がアンドラスです」

「あ、アンドラス!? 大悪魔じゃないですか! 皆殺しの悪魔、召喚者とその敵を殺すとんでもない奴ですよ!?」


 怖っ! こいつ、そんな悪魔なんて聴いてないぞ!

 餌付けできて良かった。パンチが決まって良かった。


「流石、魔女だ。しかし、魔女街か話には聴いていたがまさか来ることになろうとは」

「普通は来れないんだよ? なんでこんな時に限ってゲートが開いたんだろう?」


 ラプティーナがそう言った時に、辺りが一気に騒がしくなった。

 アンドラスやツインではない。その騒ぎの中心は直ぐに姿を表した。


「そ奴らはわしが呼んだのじゃ、異世界からやって来た者よ」


 俺の事を転生者とわかるのか?

 そうして俺が目を向けた先には、ツインよりも年下っぽい見た目の女の子が三つ首の犬の上に座って俺達を見下ろしていた。

 この犬は知ってる、ケルベロスだ!


「よう来たの、ほれ、もっと近くで顔を見せてくれ」

「大魔女様とは、貴女の事ですか」

「ふん、外面の良い奴じゃ。構えずともよい、わしには効かんぞ?」

「あぁ、そうかい。じゃ、なんの用だ? 合法ロリって好みじゃ無いんだ」


 俺は態度を元に戻した。流石は魔女、中身はババァだ。


「ふん、頼みたい事は簡単なことよ」

「簡単?」

「好きな女を選べ、そいつに子供を産ませるだけでよい」

「いぃやぁだぁああ!! なーんでそんなでんがいにずるんだよおぉおお! 僕はキラじゃないしんじでぐれよぉおお!」

「な、なんじゃ? 女を抱くのが嫌なのか? なんて変な男じゃ、もしや男が良いのか?」

「あ、俺は男が好きとかじゃないので誤解しないで下さい。本音はメッチャハメハメしたい、五人一辺とかヤッて見たい。でもプライドとこの話の年齢制限が許さない。なんかムカつく、脱げばオメーは簡単に落ちんだろって感じがムカつく。僕は屈しないぞ」


 俺はロリババァにそう言うとアイテムボックスから財布を取り出す。


「そんな事より魔石って買えない? 俺は目下、魔石を捜索しているんだ。チェーンソーで爆走したい、女よりチェーンソーをウィンウィン言わせたい」


 ロリババァはケルベロスからフワッと降りると俺の前にまで来て悲しそうな顔で俺を見る。


「お、お前が思うほど・・・・・・女は酷い奴らばかりじゃないぞ?」

「やめろ! 可哀想な者を見るような顔をするな!」


 俺はそう叫ぶが、なにかしらの事情があるのだろうな。周りを囲まれて逃げられそうになかった。

主人公は純粋過ぎるだけです。

心は少年です

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