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プロローグ

この主人公の能力ですが、きっちりとモデルがいます。

気まぐれ作品。続きが気になると言ってくれる方が1人でもいるのならのほほんと続いて行きます。

 世には奇妙な出来事や物語があるのは俺も承知だ。

 それを夢見ずには要られない男だったのだか、それにしても俺の目の前に広がる光景は普通の物とは少し違って見えたんだよな。

 山の中腹だろうか? 少し開けた仰々しい遺跡に巨大な魔法陣が描かれており、俺はその真ん中に突っ立っていた。そして

 

「思いっきりハズレ引いた! クソ! 石、岩、パンチってなんだこの生ゴミスキル!」


 魔方陣の外側で鳥頭に燕尾服の変な奴が土下座するかのように項垂れている。

 これは、いや? 待て、状況を簡潔に振り返ろう。

 まず、俺の名前は田中 乙哉おとや。21歳。会社員。独身。趣味はアニメ、ゲーム、スマホの三連コンボ。もちろんイケメンさ。

 いや、違う、違うな。イケメンはもっとこう、バァーってモテるもんな。わかったゲロするよ、俺の顔は毒にも薬にもなりゃしねーよ。この言葉の意味がわかんねー奴は辞書を開け。

 で? 確か、会社の帰りだったか? 天気予報は晴れだった。雨雲なし、澄んだ空の夜だったな。歩道を歩いていて? 足元が光を放ち? 目の前に土下座してる人外。


「・・・・・・誰か説明してくれよぉ!」

「っく! 我とした事が、何と言う事か!」

「あの、ここは何処ですか? 貴方は?」

「あぁ!? んだぁ!? 役にも立たぬ人間の分際で我に話しかけるな!」

「あのー! ここは何処なんですかねぇ!? 俺には何が何だかわからんのだよ!」


 鳥頭はイラついたような表情を一変させる。


「我は空を駆ける漆黒の絶望! アンドラス! 貴様をこの世界に召喚せしめし者、つまりは貴様の主という訳だ」


 何だかワシの様な頭にスラリとしたスタイルで、人間ではないが中々のイケメンだな。

 ん? 主?


「俺が、お前の部下?」

「そうだ」

「ふざけんじゃねぇよ! ハゲ!」


 仕事があるし、積みゲーも消化してねぇ、撮り貯めしてあるアニメだって見てねぇ、それなのにこんな意味わからんところで鳥公のしもべになれだ!?

 俺はすまし顔の漆黒の絶望とやらの顔面に拳を構える。


「ふっ、愚かな。レベル1の貴様が、レベル75のこの我に突き出す拳などぉっぶぇっは!!!?」


 不器用にぶち込まれた俺の拳は鳥面野郎を派手に崖の下へと吹き飛ばした。

 え? 俺は武道もスポーツもやってねぇぞ? もしかして、異世界得点って奴で俺はチート級の強さを手に入れたのか!?


「うおおお!? TUEEEE! これが、俺のチートスキル! えぇっと? なんだ? ステータスとか見れないのか?」


 俺がそう呟くと、空中にゲームのステータス表示のボードが現れた。

 何々? げっ、レベルは1か・・・・・・んで? スキルは、石、岩、パンチ。


「はぁ!? 石って! 岩って! パンチって何!? アイツ吹き飛ばしたのはパンチって事か!? パンチがチートかぁ、地味だな。説明書きがある、んー?」


 パンチ

 :標的のHPの90%を防具の強度、魔法での防御、スキルでの防御を無視して削る。しかし、敵ではないものを打ち消す事は不可。一発放った後は一時間のインターバル。武装破壊、防具破壊は不可。

 石

 :無制限に石を召喚する。投擲可能。敵、物のHPと耐久を1%を確定で削る。敵の耐久性により変化

 岩

 :無制限に大きな岩を召喚する。投擲可能。敵のHPの5%を確定で削る。物、防具などは上限で5%の耐久を削る。威力は敵の耐久性により変化。


 以上。


「パンチは、強いな。チート? チートなのか? まぁ、切り札的な? てか! 魔法は!?」


 魔力

 :低ランク。移動魔法・ダッシュ使用可能

 何と言うゴミ!


「ぐふぅ、こんな威力を持っていたとは・・・・・・勇者よ」

「鳥!」

「アンドラスだ! 貴様のその意外性、これなら魔王の奴も消し炭に出来ようぞ!」

「待て待て、それよりも俺は帰れるのか?」

「ん? 帰れん。この世界に降りて来る者達は神の祝福を受けて、絶大な力を持つが元の世界に帰った者などは存在しない」

「は?」

「それに、貴様は転生ではなく転移。我の力によってな、神の祝福を違法に受けさせたのだ。帰れるわけが無かろう」


 俺の人生・・・・・・終わったぜ。


「・・・・・・だぁーはっはっは! こいつぁー泣けるぜ! 何だか知らねー間に人生終わってたぜ! まったくよぉ」

「何を眠たい事を、これから始まるのだ! 貴様と我の覇道の旅がな! うっ、げほっげほ、くそ9割と言った所か? 我の命をここまで削るとは流石は転生者、いや、転移者よ」

「うっせぇ! 死ね! 鳥! 焼き鳥! チキン南蛮!」


 俺は岩を召喚して瀕死の鳥を下敷きにする。


「ぐぇ! 待て! 我を殺しても良い事は1つも無いぞ!」

「俺がスッキリする」

「ん? 待て! 貴様、何をした!」

「は? 岩をぶつけて」


 その時に俺のスキルの項目が光り出した。そこには


「従魔・・・・・・契約者? へぇ、それっぽいな。テイムって奴だな、って? 従魔・悪魔アンドラス? は? お前の名前?」

「貴様! スキルでこの我を縛るか!」

「知らねぇ! 勝手にこうなったんだ! 何か悪いのかよ!」

「あ、当たり前だ! そのスキルは、魔物を完全配下に敷く強大なスキルだ! 我は貴様に付き従い対価を受け取りながら守らねばならぬ!」

「はぁ!? た、対価ってなんだぁ!」

「自力で魔力が作れなくなるのだ! くそ、対価にはそうだな。生娘の心臓」

「てめー! 俺に殺人鬼になれってか!? ふっざけんなよ!? ここに封印してやる!」

「冗談だ。お前の記憶の中にある食い物を要求しよう」

「あ? 記憶なんか読めるのか?」

「違う、貴様の世界に近い食事を要求する。我が十分な魔力を蓄えるには何かしらの情念が必要なのだ」


 俺は山からふもとを見渡す。

 広大な土地に、見た事も無い生物たち、魔法と剣の世界。

 俺は岩と石とパンチ、おまけに付いて来たボディーガードの悪魔を持ってこの世界に降り立った。


「とにかく、探索だな」

「貴様、冷静だな」

「思考停止しているだけだ」

この鳥頭はソロモンの悪魔の1人です。

誤解しないで下さい。この主人公は、パンチ意外はゴミです。

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