ACT.1 始まり
····五年前····一人の走り屋が事故で死んだ····地元では最速と呼ばれた男だった····
「なぁ?零」
「なんだよ京也」
「暇だし、今日の夜走りにいこうぜ?」
「悪い、今日の夜バイトだ」
····何気ない日常····普段と変わらない昼休み····
「そっか仕方ねぇか」
「悪いな」
「いいよ、別の奴誘ってくか···」
····夜····
「ありがとございましたー」
「おい、零」
「なんですか店長?」
「今日はもう上がっていいぞ」
「はい、ではお先に失礼します」
····彼はガソリンスタンドでバイトをしていた····
「さてと···」ガチャン
「もう上がりか、零?」
「そうですよ?龍二先輩」
「だったらさ、峠いこうぜ?」
「またですか···」
「また?」
「いや、今日、学校で友達にいこうって誘われたんですよ」
「で、行くのか?」
「まぁ、家帰っても暇ですからいいですよ?」
「よし、じゃあ車持ってくるな」
「俺も車取ってきます」
····ガチャ···裏の駐車場には黒いシルビアが止まっていた····
「いこうぜ···相棒···」
「おーい、零ー」
····ブォォォォ····赤い180SX···龍二先輩の愛車····
「先輩早かったですね」
「そりゃ近くの駐車場に停めてたからな」
「行きますか···」
「だな」