表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Need of Your Heart's Blood 1  作者: 彩世 幻夜
第三章 the actual situation
27/100

受け止めるべき真実の欠片(3)

 日に日に、僅かながらにも早まっていく夜明け。

 朝一番の日の日差しを、咲月は寝不足の目を擦りながら眺め――その眩しさに思わず目をそらした。

 布団の中、抱えた枕に顔を埋めれば、目に痛い眩しすぎる陽光は心地よい眠りに誘う闇に代わる。

 しかし、一晩かけて淡々と語られた紅姫の言葉の数々は、脳裏を延々とシャッフル&リピートモードで再生され続けている。

 吸血鬼とういう生き物の事。

 朔海に下されたという命令の事。


 ……そして。


 葉月が、朔海の心臓を流れる血を得たならば、半吸血鬼ダンピールである己の血肉を純血のそれへと昇華する事が出来る。


 朔海が、葉月の心臓を流れる血を得たならば「龍王の血」の力を手に入れる事が出来る。


 ――そして。


 「吸血鬼に咬まれた人間は、吸血鬼になる。……よく聞く話だけど」

 紅姫は言った。

 「結論からいえば、単に血を吸われただけで吸血鬼になったりはしないから……正確には間違った情報よ。……だけど、あながちハズレ、とも言えない」

 今ある、悪魔からの得た力を継ぐ吸血鬼かれら一族の、吸血鬼たる力の全ては彼らの持つ血ゆえのもの。ごく普通の人間と大差ないはずの肉体は、その力によって著しく強化され、身体能力は大幅に向上し、殆ど不死身と言っても過言ではない程の回復力を得た――が、全身を廻る血が持つ闇の力は。

 「人間に限らず、こちらの世界に存在する生物にとってそれは毒にも等しいもの」

 

 そして。そのどくを、咲月にんげんが得たならば。


 「……それこそが。全てが上手くいく、たった一つの方法」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=859216523&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ