絵画
この作品は牧田紗矢乃さん主催、第四回・文章×絵企画の投稿作品です。
この作品は、檸檬 絵郎さんのイラストを元に執筆しました。この場を借りて、御礼申し上げます。
檸檬 絵郎さん:https://22105.mitemin.net/
蛙の絵を見る姉弟の絵。
この絵は、姉と弟が美術館に来た際、蛙の絵をみたという日常の風景を切り取ったような作品である。この蛙の絵は、日々の疲れをいやすための緑、その草原は社会全体という見立てであるとされる。
この絵が描かれた1800年代後半は、いよいよ近代がはじまり、社会全体が今まで感知したことがない胎動に触れつつある時期であった。「この時期に、なんと牧歌的な絵であろうか。」当時の新聞にはそう書かれている。
この絵に描かれている二人の人物のうち、姉は過去の象徴として家内手工業の時期を表し、弟は近代工業としてこれから進むべき道を表している。彼らはともに、人間が歩いていく文明の度合いを示しており、当時、どうなるかわからない近代工業よりも、現在確固として存在している家内手工業を行うべきだという暗喩も含まれているとされる。