先輩方の気配りが嬉しいです。
11/21 すみませんが私用によりお休みさせていただきます、申し訳ございません(´・ω・`)
11/27 すみませんが、今回も本編おやすみします、代わりに活動報告に小話を投下しているのでよろしければお読みくださいm(_ _)m
「目撃者がいないって…どういうことなんですか?」
この中庭は今話している廊下のある三号館や教室からも丸見えの位置だ。なのに目撃者がいないなんて…
「優美さんと別れた後私達で手分けして聞いて回ったのだけれど、皆優美さんが落ちたのさえ知らない方ばかりで…」
「いま3号館にいる人達や教室で準備している人達に聞いても誰も知らないって言われてなあ、大分困ってるんだ」
「ユリア様や菊乃先輩が私を見かけたとき周囲に人は?」
「そういえば誰も見かけませんでしたわ」
「確かに…まあ2号館にいるのは3年の教室に集まってる展示組だけだし、3号館にいる人達も一旦廊下でないと池は見えないしなあ…」
「3号館の1階は今の時間は使ってない教室ばかりですし、でも1人もいないなんて…」
偶然?それとも…
「これ以上目撃者捜すのは難儀かもしれませんわね」
「確かに、あっさり解決するかと思ったのになあ」
「あの」
これからどうするかを話し合おうとする先輩方を遮って口を開いた。
ずっと気になってはいたのだが、どうしても聞きたくなったのだ。
「どうしました?」
「あの、先輩方は、私の自演っていう疑いは持たれなのかなって…」
「持ってほしい?」
「めめめ、滅相もないです!!」
むしろ持たれたら泣く!!超泣きます!!
「じゃあ疑いはなくていいじゃありませんか?私は優美さんがこんなことで私達を騙すような人じゃないって知っていますもの」
「何を今更。そもそも優美ならもうちょいマシな嘘つくでしょ。周りに見られるリスクの高い池に落ちるなんかより階段から落ちるとかさあ」
確かにそうね、と微笑むユリア様にでしょ!とカラカラ笑う菊乃先輩。
そんな2人の先輩の笑顔がまぶしくて嬉しくて。私も思わず笑ってしまった。
どこか不安な気持ちが吹き飛んだような、そんな感じがした。
「それで?逆に優美自身に心当たりは?てかそもそもなんで池に?」」
「実は、背中を押された感触的には多分女の子だと思うんですけど…池を覗こうと思ったのは、池の中にガラス片が見えたからです」
ガラス片は落ちて陸に上がる時に一緒に回収した。
大きさはテニスボールより少し大きいくらいで、このまま入れていたらやはりいつか鯉が怪我してしまっていただろう。
一応被害届の時に説明はしてあって、ガラス片自体は今は保健室に置いてある。まあ指紋なんて出てこないだろうからほんとに鯉を守るために取ったようなものだけど。
自分がその時間中庭を通って生徒会室に行くことは皆知っていることだし、機会を伺えば誰だって可能になってしまう。
その時間教室にいなかった人を炙り出すなんて真似は自分には到底無理だった。いつまでたっても根はチキンです、はい。
「その時間教室にいなかった人探す?」
「もし口裏合わせられたら終わりよ。一応被害届も受理されているとはいえ、池に落ちただけでは深い聞き込みまでは出来ないわ」
「確かになー、それに犯人の動機も全然分かんないから余計絞れないし…」
「あの、先輩方ありがとうございます。でも、文化祭が近いので、あまり騒ぎ立てたくないというか、その」
「分かってるわ。目撃者を募るだけで、あとは何もしない」
「ムカつくけど仕方ないな」
「すみません」
「気にしないで。優美さんは不安かもしれないけど、びくびくしてたら犯人の思うツボ。堂々としてて頂戴」
「そうそう、生徒会の仕事も頑張ってな」
うぅ、先輩方の気配りが申し訳ないと同時にすごくうれしい…
「ありがとうございます。…っあ!職員室に資料届けに行かないといけないんでした!!」
「行ってらっしゃい。私たちはもうしばらくだけ聞き込みしてみるわ。芹那さんとも合流しなきゃ」
「すみません、ありがとうございます!芹那先輩にも伝えてください」
私は先輩方と別れ、走りは出来ないものの急いで職員室へと向かった。
「犯人を見つけたい気持ちと私達に迷惑かけてるのが申し訳ないって思う気持ちのせめぎ合いみたいだったわね」
「まあでも私らが笑顔見せたらほっとした表情見せてたしあれで変に謙遜するところは直ってきてるのかもね」
「もっと頼ってもいいぐらいですのに」
「ま、今の優美にはまだ無理だろ」
それより芹那と合流しよう!と去っていく桔梗ユリア先輩と瀬島菊乃先輩を私は物陰から見ていた。
「うまくいったね」
「まあ、ね。次は…」
見つめた先には中庭の池で鯉が静かに泳いでいるのが見えた。次は濡れるだけなんてで済まない。
「こんなものじゃいかないよ」




