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私は貴方に真っ直ぐでいてほしいです。

こんにちは、蒼指です。

1ヶ月以上お待たせしてしまってすみませんでした、、、


なんとか納得のいく形になりましたので投稿致します。


お待ち頂いていたのならすみません、スライディング土下座とジャンピング土下座の習得は完了しておりますのでお怒りの場合いつでも発動してください(普通の土下座)

 怜様とお話しようとしたところ、悠也先輩がどこかに電話中だったため、急遽離れたところで話すことになった。

 少し離れたところにするつもりが、怜様がもっと離れたところがいいとのことだったので、自分達がいたところと岩で隔てたところで話すことになった。


「わざわざお呼びしてすみません、ただ訊くだけなのに」

「いや………」

「あの、名前呼びになったのって、」

「他の役員は皆名前呼びだから」

「ですよね!これから慣れてきたら桃華にも」

「だと、思ってた」


 ん?


「思ってた、ってどういう事、ですか」

 ホッとしたのも束の間、発せられた言葉に疑問を感じた。


 怜様は困惑気味な表情をして、端的に言うと、と前置きした後にこう言った。


「渡辺から名前で呼ばれたい気持ちは、そんなにない。ただ、篠宮からは、名前で呼ばれたいと思った。でも大輔が、他人が篠宮を名前で呼ぶのは見てて嫌だった」


「え…」


 怜様が何を言いたいのか分からない。桃華は名前で呼びたい訳じゃないけど、私は呼びたい。けど、誰かが私を名前呼びするのは嫌…?


 私が困っているのを見て分かったのか怜様は私にずっと向けていた視線を海の方に逸らして小さくすまない、と呟いた。


「別に困らせるつもりじゃない。けど、自分でも何と言っていいか分からない」


 そう呟いて、私に再び向けた顔は、普段色白な頬が赤くなっており、いつも冷静な青く澄んだ目はなにかにすがるような雰囲気を出していた。


「でも、もしかしたら、これが」


『絶対!これは!!恋の始まりです!!!』


「それは違います」


 怜様が不自然に静止する一方、私はきっぱりと言い切った。麗しい顔がわずかに歪むのを見つつ、それでも私は肯定出来なかった。




「上手くいってるかなー??あの2人」

「ん?どういうことだ?」


 篠宮と怜を見送った後、俺と渡辺は今まで座っていたところに戻り2人の帰りを待っていた。


「そんなに名前について聞くことが大変か?」

 ただ理由聞くだけだろう?と首を傾げると、いやいやいやいや、と呆れた顔をされた。


「優美ちゃんは聞くだけのつもりのようでしたけど、会長さんは確実に告りそうな勢いでしたよあれ」

「はぁっ!?」


 そういやあの時前に感じた『嫌な予感』のせいで篠宮のことは注視していたが怜に関しては顔も伏せてたしあまり見てなかった………


 血の気が引いていくとともに2人のいる場所へ駆けた。


「やばい、怜待っててくれ」




「違う、というのは?」

 眉をひそめたまま問う怜様に対し、私はそのままの勢いで言った。


「怜先輩は勘違いなさってます。恐らく生徒会の異性が自分が初めてだったからだと思います。けど、怜先輩の感じてらっしゃるその気持ちは役員の皆様を大切に思う気持ちの延長線上かと。怜先輩に歯向かった人がいないから、私に大しての印象が少し他の人と違うだけですよ」


「そんなことは………」


 悲痛な表情を浮かべる怜様だが、それから後の言葉を続けない。



 確かに私は怜様を好きだし、尊敬してる。


 だからこそ、彼がずっと役員以外とは距離を置かざるを得ない人だと言うのも知ってる。



「桃華も普段はああですが私より有能でいい子なのですぐ受け入れられるようになります。そしたら、きっと桃華のことも名前で呼びたくなりますし、私が誰かを名前呼びしてても気にならなくなりますよ」



 怜様が他人や自分の感情に疎いのは知ってる。



「だから、先ほどのことは水に流しましょう」



 だから私は。



 貴方に真っ直ぐでいてほしい。

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