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2人の態度が大分対照的です。

きゃー!遅れてすみません!今週分です!もしかしたら文法的に不自然な箇所はまた書き直すかもしれませんがその際内容はそのままなのであしからず!

 名前呼びが決まり昼食を食べ終わった後、いつも通り私達は劇の稽古をしていた。


 というのも、

「まさか天気予報外れて雨になるなんてね〜」

「仕方ないよ、こればっかりは」


 隣で金鳳君と睡蓮君がつぶやく通り、海水浴をしようにも雨だったからなのだ。


「午前中は太陽が覗いていましたから大丈夫かと思ってたんですが。取り敢えず海水浴は明日の天気次第ということで劇の稽古をしましょう」

「本来の目的はそれだしな」


 3年生組は割と諦めが早かったのだが2年生組、というより金鳳君と桃華はブーブー言っている。

「別に晴れたら明日出来るんだし良いじゃない、天気予報も明日は晴れだったよ?」

「そういう問題じゃないんだよ〜、こう気持ちの向かい方がね」

「そう、それに明日じゃ優美ちゃんズボンはいちゃうから〜」

「それ関係ないよね?」


 海水浴する気はないから、適当にレジャーシートかブルーシート借りて役員の皆の写真撮りながら目の保養してるよ?海水浴する気なんてさらさらないからね?


 それに私は知ってるんだからな!こっそりと写真大量に撮ってるだろもう!ズボンだろうがスカートだろうが大量に撮ってるんだから必要ないって!


 てかメモリーデカ過ぎない?スマホでもデジカメでも撮ってるから相当撮ってるでしょ!


「さ、とりあえず稽古しようよ、戻ったらそこまでする時間は取れないんだし」

「「はーい」」

 睡蓮君に促されそれぞれの持ち場へと戻る。


「あ、悠也せんぱーい、次のとこなんですけど………」

「どうしました?」


 そういえば怜様が名前ってことは柘植先輩も副会長も名前で呼ぶべきだよね……


 うーん、大輔先輩?悠也先輩?割としっくりこないなぁ……………


「大輔先輩かぁ…………」

「呼んだか?」

「いえ!別に!」


 口に出ちゃった!気づかなかったや………


 キョトンとした顔をした柘植先輩にブンブン首を振って否定する。

「それより、篠宮に名前で呼ばれると違和感ありありだな」

「いえ!怜様を怜先輩って呼ぶことにしたので、他の先輩方も名前で呼ぶべきかなと思って!」


「名前で?怜のことを?」

 うわー!なんかすごい訝しげな顔された!


「いや!あの、怜先輩の方から呼んでくれって言われて!で怜先輩だけ名前もアレかなと思って、副会長や柘植先輩も呼ぶべきかと!」


「ふーん、じゃあ俺も『優美』って呼ぶべきなのか?」

「いやー!そこは呼ばなくていいかと!」


 主に自分の安全面的に!

 私が名前呼びするよりも敵意が増えちゃうと思うんで!!!


「まあ呼べそうなら呼べばいいんじゃないか?怜はともかく俺や悠也は全く呼び名については気にしてないと思うし…………それにしても怜がねぇ…………」


 そう言ったきり柘植先輩は黙ってしまった。

 話しかけようにも言葉が思いつかず、次が自分の出番なことも相まってありがとうございますとだけ言い残し、舞台へと向かった。




 2日目はそれ以降今まで通り劇の稽古をして、仕事を挟んだ後ご飯、風呂、就寝の流れだった。


 3日目の朝、2人の願いが見事通じたのかいい感じの青空が海の上で広がっていた。


「キラキラしてて綺麗ー!」

 金鳳君と睡蓮君は水着を持ってきていたので泳ぎに出かけ、怜様と副…いや悠也先輩は持ってきていたレジャーシートの上で本を読んでいる。大輔先輩はまた2人とは違うレジャーシートの上でゴロンと寝転がり、私は皆を、桃華は私や皆を撮ったり砂で遊んだりしていた。


「大輔先輩は遊ばなくていいんですか?」

「遊ぶなんてガラじゃないしそんな体力もない。篠宮こそ遊ばなくていいのか?せっかく来たのに。渡辺も呼んでるぞ」


「優美ちゃんもこっち来ようよー!」

 まあ確かに桃華が呼んでいるが、まあ

「私も体力ないので」


 静かにカメラを構え、大輔先輩の方へとカメラを向けた。


「結局名前呼びすることにしたのか?」

「ええ、なんか怜先輩だけだと私の中の違和感が凄くて………あ、でも睡蓮君と金鳳君はそのままでいこうと思ってます」

 タメ語か名前呼びかっていう二択だったから、両方を行う必要性はないからね。


「それにしても、怜先輩なんで名前呼びを………?」

「さぁ、それは知らんが、まあそんな特別な理由はないんじゃないか?他から名前で呼ばれてるから、とかそんなとこだろ」

「いやー!絶対違いますよ!!」


 のんびりと呟いた疑問にのんびり返す大輔先輩に対し、遊んでいた桃華が帰ってきて勢いよく言った。

「違う?」

「絶対!これは!!恋の始まりです!!!」


「「へ?」」

 桃華から思わぬ返答を受け言葉に詰まる。恋の始まりって、乙女じゃあるまいし…………


「好きな子には特別名前で呼んで欲しいものですよ!ほら私や志穂だってそうだったでしょう?」

「まあ確かに2人は勢いよく名前呼びを求めてきたよねー」


 ただ恋の始まりはないと思うけど。


「それに良く目が合うって前優美ちゃん言ってたよね?それってつまり恋の始まりしかないってことだよ!」

「恋の始まりねぇ………」


 まあ無いかなと思うけど………

 それよりも、柘植先輩が凄く焦っているような感じがした。

「恋の始まりはないだろ、たまたまだって、たまたま」

「いや絶対恋の始まりですって!」


 何故か全く関係ないのに桃華と大輔先輩が競っていた。


「聞きに行ってきましょうか?」

「聞きに行かなくても別に」

「聞きに行こう!」


 積極的な桃華はともかくとして、やけに大輔先輩が消極的だなぁ。普通に聞きに行くだけなのに大分渋った顔してる。それに昨日も不自然だったしなぁ。


「聞きに行くだけ行ってきますね」

 それで解決したらオールオッケーなわけだし。


 2人の真逆の態度を不自然に思いながらも私は怜様の元へと足を進めたのだった。

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