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劇の練習を開始します。

遅れましてすみません!ぎりぎり月曜日投稿です(ぜえはあ)

「3、2、1、アクション!」

 妙に力の入った声とともに劇の練習が続いていく。

 ちなみにこの声の主は怜様だったりする。


 生徒会での出し物が劇と決まった時、普段無口であまり声を張らない怜様が劇なんて出来るのか勝手に不安になってたけど、そんなのは杞憂に終わり、それどころか誰よりも熱心に劇の練習に打ち込んでいた。


「怜先輩、練習熱心だなあ」

「すごい楽しそうですね、それに比べてというかなんというか」

「仕方ないじゃん!こういう劇とか苦手だし…篠宮さんもでしょー?」


 練習していくにつれて明白になってきたことだが、結構練習に対する態度の違いがある。


 怜様と睡蓮君は練習が楽しいようで、抑揚も付けたり頑張っている。

 桃華と副会長は演技が上手く練習を始めたばかりだというのに特にダメだしポイントが見つからない。


 そして、今隣にいる金鳳君と上で練習している柘植先輩はこういうのが苦手なようで結構棒読みだし、演技箇所も台本とにらめっこしながら「ここで膝をついて、でその後胸に手を当てて」とかしていてぎこちない。


 最後に私はというと、まあお察しの通り可もなく不可もなく、金鳳君や柘植先輩ほどではないけど、まだ棒読み箇所や上手く言えないところも多い。

 一応許嫁の姫という役柄なため優雅に振る舞う演技が多く、それに体がついていけてなかった。とほほ。


「でも金鳳君、普段は結構猫被ってるのに劇みたいなのは苦手なんですね」

「媚を売るのと演技は別物だよ」

「普段媚売ってるって自覚はあるんだ…」

「自覚なしにこんな芸当無理でしょ」

 まあそりゃそうか。なぜか妙に納得してしまった。


「そういえば、ほんとに良かったの?この配置で」

「何が?」

「怜先輩のファンなら絶対お姫様役やりたいと思うだろうなと思って」


 あー、と軽い返事を返す。今回男性陣の配役は怜先輩が王子、王様が金鳳君、宰相が副会長、姫の従者が睡蓮君、王子の従者が柘植先輩となった。

 怜先輩のファンなら悪役の許嫁よりもヒロインの姫をやりたいと思うのが当たり前だ。だから桃華と役を交換してもらわなくていいのかと言いたいのだろう。


 だが、球技大会の写真会でも思ったように、ハイスペックの隣はハイスペックで良いと思う。

 化粧すれば顔立ちが整って見えるけど、そこまでしてヒロインになりたいとも思えない。


 今練習している風景を見ても、桃華と怜先輩が並んでる姿は絵になる。流石ヒロインと攻略対象というべきか。私では無理な気しかしない。


「桃華がいるんですから私がでしゃばる必要ないでしょう?見てるだけで十分ですよ」

「ふーん、ドライだね。じゃあ怜先輩が他の人と付き合うってなっても気にしないタイプ?」

「人によりますけど、会長が認めた人なら私は構いません」

 怜様がこの人、と決めた人ということは、その人は怜様にとっては必要な人だから。

 私の役目は二人を祝福すること。ただそれだけだ。

「私は怜様に憧れは抱いてますけど、恋愛感情まで持ち出す気はないですから」

「それは大変だね…」

 金鳳君が何か言ったように聞こえた。しかし、それを私は聞きとることができなかった。というのも、

「おーい、次許嫁登場シーンの練習するぞー」

「あ、はーい」

 今感じているこの胸のざわめきが何なのか分からなくて、心の中がもやもやしていたからだった。


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