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好きにはそれぞれ程度があります。※後半柘植先輩視点

無事一週間以内に優美ちゃんの赤面が止まったので、投稿します!(私の用事?ナニソレナンノコト(汗))

前半は優美視点、後半は柘植先輩視点となります。

「は、はずい………」


 精神年齢とはいえ50過ぎのおばさんがイケメンとはいえ何周りも若い子にこんなドキドキするとは、平常心平常心!

 何歳だってイケメンにキャーキャーすることはあるし、大丈夫、大丈夫。よね?


「まぁまぁ、それで、いつ告白するの?」

「えっ?」


 なぜそんな話しに?


 きょとんとした顔で、訊いてきたこゆりちゃんの方を見るが、逆にきょとんとした顔で返されてしまった。


「え、だってスキなんでしょう?会長のこと」

「え、うん、好きだけど、なんで告白?」


 首を傾げると、私以外の人が皆大げさにため息を吐いた。いや、好きと告白ってイコールじゃあないでしょ?


「普通、好きになったらその気持ちを相手に伝えてあわゆくば、って思うじゃない?」

「もし返事がノーでも告白したいって思ったり」


「いや、別に告白したいまで好きってわけじゃ…」


 確かに怜様のことは好きだし、前よりドキドキするけど、それはファンとしての「好き」が大きくなっただけな気がする。なんというか、前世で夫に感じてた「好き」という感じと違って、ドキドキはするけどそれ以上になれないというかその先を自分や怜様に求めようとは思えないのだ。


「まあ、告白なんて無理にするもんじゃないし、人それぞれに思うタイミングがあるんだから、そこですればいいんじゃない?」

「流石真純姉様、経験者は違いますね!」


 真純の言葉に桃華がキラキラしたまなざしで応える。


 まあ、真純は彼氏持ちだし今まで何人かと付き合ってきたことがあるくらいだから、その辺りはしっかりしている。


 真純の言うことだからか、志穂もこゆりちゃんも何とか引き下がってくれた。


 私はというと、コイバナなんてやはり私には縁遠い話なのだと実感したのだった。




「なあ、大輔」

「ん?何だ珍しい」


「篠宮とはゲーム仲間と言っていたな?」


 怜と生徒会室で作業をしていると、突然怜が声をかけてきた。ちなみに悠也は資料を取りに行っているためここにはいなかった。


 そもそも怜は無口だし、俺自身もゲーム以外でぺちゃくちゃおしゃべりするような奴じゃないから、怜と一緒に仕事をしているときは必要最低限以外はあまりしゃべらない。

 お互いしゃべったところでこういうあまりしゃべらない人間は会話をつなぐのが下手で、なおかつ俺と怜に関しては尚更だった。


 まあ、今年に入ったら会計と会長ということで同じ役職の奴がいないから、お互い専ら手助けが必要な時は二年の誰かに声をかけてきたのだが。


 今は修学旅行に行っていて3年である俺と怜と悠也しか学園にはいない。そのため久々の二人での仕事だったから、どうせ無言のままだろうなあ、と思っていたのだ。


 別に俺自身は沈黙が嫌いなわけじゃない。

 話すことがないのなら無理して話す必要などないだろうし、気まずい沈黙というわけではないのだ。気にする必要などこれっぽちもない。


 まあそれでよく2年には

「怜先輩も大輔先輩も無口ですよねえ」

 と言われるのだが。まあ事実なので否定はしない。

 言い方が「根暗ですよねえ」みたいな言い方だった翔汰には一発入れてやったが。


 とまあ、話を戻して。そのくらい怜が俺に話しかけるのは珍しいのだ。

 しかも話の話題が会議や仕事のことではなく、篠宮ときた。


 ゲーム仲間…、ああ、そういえば四月頃渡辺がまだ本性を現していなかった頃、俺と篠宮が付き合っているんじゃないかと疑われた時、咄嗟にそう返したような気がする。

 完全に寝耳に水の話だったからよく覚えていた。

 何より、もし本当に付き合っていたら、篠宮は相当手の早いバカ女だろうと呆れたというのもある。


 まあ、それを分かった上で悠也がそんなことを言い出したんだろうが。

 大方理由はどうでもいいから、疑われたくなかったらとっとと戻ってきて仕事をしろとでも促したかったんだろう。

 口で注意するより変な疑いをかけられた方が印象に残って以後やらなくなる可能性が高いし。


 しかし、よく覚えていたものだと思う。

 あれ以来生徒会室でゲームの話などしたことないし、まあしようにも篠宮はゲームの知識は全くと言っていい程ないんだが、当の本人さえ忘れていたことだから、怜は頭から抜け落ちてても不思議じゃないのに。


「ん?違うのか」


「ああ、いや、ゲームはお互い好きだが、あまりゲームの好きなジャンルが被ってなくてな、たまたまその頃は同じゲームをやっていてその話をしていたんだが、俺が別のゲームをし出してからはあまりその話もしてないんだよ」


 いや、そもそも話すゲームの内容なぞないのだがな、と心の中でツッコミながら、いかにも事実そうに淡々と告げた。


 怜は自分の嘘に全く気付いてないのだろう、深く頷いてそうか、仕事中すまなかった、と言って自分の作業の確認に戻った。


 だが、俺の方は怜の問いかけにより新たな疑問が生まれた。


「なあ、いきなり何でそんなこと訊くんだ?」


「いや、あいつは最初から生徒会になじめてなかっただろう、だから、少し気になっただけだ」

「そうか……」


 今までそんなこと訊いてこなかったのに、と言おうとして止めた。

 なんだか怜がこの言葉を言われたら困るだろうな、と思ったからだ。


 そしてそのままお互い何も言わないまま、黙々と作業をこなしたのだった。


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