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これからの未来は先行き不透明です。

 体育祭のリレーが終わった後、得点集計のため生徒会と体育委員会が集まっているであろうテントに向かおうとしたところをちょうどその時私のところに顔を覗かせた柘植先輩と桃華に止められてしまった。

「別に無理して行かなくていい。人手は足りてるから篠宮は休んでても問題ない」

「え、でも皆さんリレーの後で疲れてるんじゃ、」

 私以外の役員全員がリレーメンバーに選ばれているのだから、走ったばかりで皆疲れているはずだ。休んだのだし行かないと流石に申し訳ないし…

「「走ったばかりで疲れてるだろうし」っていうなら気にしなくてもいいよ、体育委員の人が頑張ってくれてるみたいで、もう少しで終わるんだって」

 それに今来たらどっちにしたって会長に怒られるでしょ、と音符をつけて言う桃華の言葉を受け、うっ、と引き止まるしかない。

 2人を見送り、あの人病院の診断書でも見せなきゃだめだろうな、あと自分でお金払うとか言い出しそうだな、とため息を吐いたのだった。

 体育祭は、なんと怜様のブロックと睡蓮君のブロックが同点1位となり、私達のブロックは4位という結果になった。

 最後のリレー開始の時点では怜様のブロックの優勢だったのだが、最後の種目ブロック対抗リレーでアンカーにバトンが渡るまでが睡蓮君のブロックが大幅リードしていたのだ。そしてアンカーはもちろん睡蓮君と怜様で、個人戦でいうと睡蓮君の方が怜様より速かったりするのだ。結果睡蓮君のブロックの勝利と相成り、総合では二つのブロックの一位タイとなったのだ。

 私達のブロックは眉目秀麗頭脳明晰運動神経抜群系男子はいないが、才色兼備運動神経抜群系女子がいる分、他の役員と張り合わずに上の賞が狙えるのだ。やばいものは敵に回すな、チキンの座右の銘である。

 そして1位と言えば、

  「今回の体育祭の写真の売れ行き一番はやはり怜様と優美さんのあの(・・)ツーショットだったよ!」

「え…まじで?」

 てかそもそもあの時の撮られてたのか…

 まああんなシャッターチャンス逃すはずがないかそりゃ。

 体育祭からしばらく経って生徒会に行っている最中、桃華の言葉に驚愕とともに悟りの境地を開いていると、後ろから声が聞こえた。

「わたくしの方も一位とまではいきませんでしたが、相当売れたようですわ」

「だってドラマのワンシーンのようだったもの!あの会長と優美なんだし売れるのは当然よね!」

「(無言でうなずく)」

 振り返るとファンクラブ会長方がそろい踏みで、先ほどの声はユリア様、撫子先輩でうなずいていらっしゃるのは椿先輩である。

 悟りの境地を開いた私だが、こんなに見目麗しい方々に囲まれているのにはいつまで経っても慣れることが出来そうになかった。

 いや、私の部分切り取って自分の顔はめるとかそういう用途だと思います。

 その一言が言えない私はやはりチキンなのだ。




「それで?今回の篠宮の怪我はシナリオにあるものなのか?」

 俺は閉会式前の集計をするために渡辺とテントに向かっていた。途中篠宮のところに寄るために遠回りしたため話す時間には余裕がある。

 この質問をしながら、まあそれはないだろうな、と思いながら尋ねた。この篠宮狂がわざわざ篠宮が怪我する可能性がありながら放っておくわけがないのだし。

 案の定渡辺は首をぶんぶん振りながら否定した。

「そんな訳ないじゃないですか!本来この体育祭では分岐ルートになって、その決定した相手に差し入れとかして好感度を上げるための重要なイベントなはずだったんですよ。でもまあ、今回のお姫様抱っこはイベントにありそうではありましたけどね」

 確かにあれは驚いた。何より怜があそこまで焦っているところを初めて並みに見た気がする。

 普段全然感情を表に出さない怜が、篠宮に対して焦った表情を見せている。

 それだけで怜を知る奴等なら皆驚くことだろう。

「でも、本当なら今日分岐ルートのはずだったのなら、もうこの世界の強制力は気にしなくても良さそうだな」

「そうですね、優美ちゃんは本来イレギュラーだから置いておくとして私達にはなんの変化もありませんから」

 無理やり乙女ゲームの攻略対象と同じことをさせられることはなさそうだ、とほっと一息吐いたところで、まあだとしても、と言葉を続けた渡辺に視線をやる。

「何か一悶着ありそうな気配は十分してますがね」

 今日の篠宮優美の怪我、それが何を意味するのか。

 真剣な表情になる渡辺の雰囲気に押され、緊張感を持ち直した。

 これから先、まだ何が起こるか分からないが、何か自分達にとっていやなことが起こる。

 その予感を胸に、俺達は集合場所に急いだのだった。


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