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逃げ道を誰か作ってくれませんか。

ちょっと用事が(宿題...)立て込んでて小説書いててってなると徹夜覚悟でも終わりそうにないので明日の投稿は延期させてください...シゴトノヤマガオワラナイ

 それから何とか素知らぬ振りをし、ひこずる足をそれっぽく見せないようにして、私は選手入場を終えた。

 自分の番を待っているが、待っているところで足の痛みが減るわけではない。むしろ、自分のブロックの声援を受け、足の痛みは増すばかりだ。痛いけれど、今は我慢する他ない。

 何とかしてスタートラインに着き、

「よーい、スタート!」

 の声を受け、必死に走り出したのだった。




「おかしい」

「ん?」

 急に訝しげな声を上げた渡辺の方を向き問いかける。今は次の次の競技であるリレーに出場するため、それぞれ自分のブロックの声援場所に戻っている途中だった。

 来賓の接待を渡辺と一緒にしていたため、当然の成り行きで2人で自分達の声援場所に戻ることになったのだ。

 今は借り物競争で、そういえば篠宮が出ているはずだ。

 まあそんなことは今は置いといて、取り敢えず何がおかしいのかを聞くのが先だろう。

「何がだ?」

「優美ちゃんです。いつも私が追いかけてる時と走り方が違うので」

 そりゃあ、お前に追われて切羽詰った時しか見てないからじゃ、と思うのだが、改めて見てみると確かに走り方がぎこちない。あの走り方はまるで………

 俺は無言で急に走り出した渡辺の後を追ったのだった。




 基本借り物競争のお題はバラバラなことがほとんどだが、薊祭の借り物競争では同じスタートを切った選手は同じく題を与えられる。そして今回のお題は、

「イケメン………」

 なんだよイケメンって!盛り上がるだろうからって無理難題ふっかけてこないでよ!

 背後にいるであろう体育委員に内心で呪いの言葉をかけながら、取り敢えず真っ先に思いついたイケメンの元へいそぐ。

「真純!ついて来て!」

 真純ならきっとついて来てくれるだろうと手招きしたが、真純はなかなか動こうとしない。というのも、

「優美ちゃん!」

 桃華が真純を止めているからだ。いや、早くしないと競争なんだけどこれ!

「早く!お題が『イケメン』なの!だから」

「大丈夫だ」

 へ?なんか後ろから美声が……と思ったら急に身体が宙に浮いていた。

「えっ!会長?何で……」

 動揺を隠しきれず「何でここにいるの」も上手く言えない。

「いや、この格好は、」

「足痛めているんだろう」

 何で気付いたの、と思うより早く、別の言葉が口から漏れていた。

「いや、なんで私抱えて走ってるんですか!」

 そう、宙に浮いたのは、私を横抱きにして会長が走っているからだ。会長それこんな人目のある場所でやっちゃ駄目ですよメンタル持たないです私!

「あの、先輩は別のブロックなんですからそんなことしたら、」

 同じブロックの人に怒られるんじゃあ…

「別に篠宮のブロックの手助けをしても私のブロックに影響はない」

 ああそうですよね先輩のとこ睡蓮君のとこと一位二位競っててうちは五位ですもんね!あと2種目あってもどうもできない点差ですもんね!

 そうだよなあ、なんて悲観していると、いつの間にかゴール直前だった。

「ゴール!!なんと一位ゴールはEブロック!!お姫様抱っこの状態でのゴールです!!いやあ青春ですねえ」

 はっ!もうゴールに着いたんだから横抱きされてる必要ないじゃない!

 下ろしてください、と少し暴れて意思を示したのだが、一向に下ろしてくれる気配がない。ええ、なんでいや恥ずかしいんだけど!!

「ちなみにお題は『イケメン』でした!生徒会長様なら納得のイケメンですねえ!」

 司会者の人は下ろしたらと促すどころかそのまま冷やかしをしている。なんでだ!

 恥ずかしくて思わず手で顔を覆ってしまう。

「それじゃあ一位おめでとうございます!お姫様抱っこはそのままで結構ですよ!」

「遠慮します!!!」

 そのまま下りようともがいたが、奮闘むなしく横抱き解除にはならなかった。

 ていうかそこの司会者!「お姫様抱っこ」は駄目だよ!横抱きでいいのに!そんな恋人同士でやるようなのを言わなくてもよかったのに!!

 他の選手のインタビューが終わるまでずっとこのままかと思いきや、会長は一位の待機場所には行かずにずんずんと進んでいく。そして、空き部屋を借りると運動委員の人に告げた後ずんずんとある部屋に進んでいった。

 確か生徒会で見た資料だと第二救護室のはずだ。第一救護室には保健の先生がいるが、もしその部屋にも入らないほど怪我人や病人が出たときはこちらで手当てをすることになっていた。しかし、今年はそこまでの数の怪我人や病人は出なかったので今のところ出番なしの状態のところであった。

「さて、」

 近くにあったソファに私を座らせると、椅子を持ってきて向かい合う形となった。あれ?怒ってらっしゃる?すごい椅子や救護道具の扱いが会長にしては雑な気が…

 それに、絶対零度ブリザードが吹き荒れていて…

「詳しく事情を説明しろ」

 今まで見たこともない程怖いんですが、私トンズラしてもいいですか……?


運動委員一同「なんかさっき寒気がしたような気が...気のせいか?」

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