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私のファンクラブが出来たそうです。

 何故そうなった!?

 いや、ここは深呼吸して落ち着こう。ひーひーふー………ってこれ出産の時じゃないか!?というか、自分が自分にツッコんでどうすんだ!?落ち着け、自分!

「そもそもなんで、私のファンクラブなんつーものを作ろうと?」

「うーん、なんでって訊かれると………作りたかったから?」

「いや、そもそもなんで作りたいなんて思ったの……?」

「うーん………特にないかな」

 だから、何故作った!?私のようなモブモブにファンクラブとか需要無くね!?

「今すぐ取り止めて!」

「ええー、でも、会員13人もいるよー?」

「誰!?てか、なんでそんなにいるわけ!?」

 正直桃華一人、もしくは桃華と志穂(山中さんのことです。)だけかと思ってたのに!?説明しろください!

「順に説明すると、まず私と志穂ちゃん」

「うん、それはなんとなく想像ついてる。それと?」

「あと、志穂ちゃんのお姉ちゃん」

「志穂のお姉ちゃん?」

「うん、名前は山中芹那ちゃん」

「あれ、なんか聞いたことあるよーな………」

 あれ、つい最近なはずだけど…………って、あっ!春休み前カラフルな手紙入れてた犯人さんの名前がちょうどそれだった!

 え、志穂ちゃんと芹那先輩姉妹なの?姉妹揃って変な扉を開きそうになった私って………

「それと、生徒会ファンクラブの会長さん達。あ、うちのファンクラブの会長は今誘い中」

「いや、誘わなくていいから。」

 というか、絶対入んないだろ。

「それにしてもどうしてユリア様達が?」

「生徒会に入る前に、ファンクラブの会長さん達に呼び出されたんだけどね。その時に『優美ちゃんのファンクラブ作るつもりなんですが、良いですか?』って許可とったの。その時に『まあ!そうなの?でしたら私達も会員にならせていただけませんこと?彼女は私達の妹みたいなものですもの』って」

 なんか、ジーンってするね。『私達の妹』って、なんだかくすぐったくて、ほんわかする。嬉しい。

 ………って流されるとこだった!嬉しいけども!嬉しいけ、ど、もっ、ああ、反論する言葉が見つからない。もういいや。

「それで、あとの五人は?」

 他に入りそうな人達って誰だろ。真純は私が嫌がるの知ってるし、私の知らない人?

「最後の五人はねー、生徒会役員達だよっ!」

 あぁ、もう幻聴が聞こえるまでになったんだな。そうだ、ファンクラブの下りから全て幻聴だったのか。帰ったら休まなきゃな。はぁ、なんだ

「幻聴じゃないよ!本当の話!」

「って、なんで分かったし??」

「見てたら分かるよー。それより、入ったのは本当の話だから」

「ねえ、そのことについて1から説明してもらってもいいかな?」

「優美ちゃん、顔が………」

 顔?何のことかなー?私はさっきからずっとこんな顔だよー?変?嫌だなー、さ っ き か ら 困 惑 で ずっとこんな顔してるじゃないのー。あははー。

「優美ちゃん、戻ってきてね。それより説明始めるよ」




 桃華の説明をざっと言うと、次の通りだ。

 柘植先輩と桃華の話し合いをした次の日の昼休み、桃華は生徒会に入れてもらえるように交渉しに行ったらしい。………まさか交渉しに行くとか色々とびっくりだよ。

 まあ、それは置いといて、当然のごとく追い払われたそうだ。そりゃそうだ。いきなりやって来て入りたいと言ったのが例えヒロインだとしても、受け入れるのは難しい。

 しかし、それでは終わらず、私がシフトの日以外は毎日昼休み生徒会室に行っていたそうだ。一緒にお昼食べてたのに気付かなかった………そういえば、食べ終わってすぐに「トイレ行ってくる」「職員室に用事があるんだ」などと言っていた気がする。

 ………自分鈍感すぎだろ、真純とかニヤニヤしてたのに気付かなかったとは、不覚。

 しかも、ヒロイン補正をフル活用して、昼休み以外も誰かと偶然を装い出会って入れて欲しいとお願いしていたようだ。

 ………お前ストーカーか!?そうだろ!前世ストーカーまがいのことやってただろ!そう言えば、桃華の前世はアイドル発掘系だったっけ。………うん、容易に想像つくわ。

 よくよく思い返したら、先週放課後桃華の話になったことが2回あったが、その時なんだか皆呆れたような、うんざりするような顔をしていた。あれは桃華と毎日会ってたからか。納得、今更だけど。

 そして、いい加減ストーカーされるのは嫌だと感じた役員達に放課後の手伝いが許されて、それからは私の知ってる通り。ファンクラブ入会を持ちかけたのもその週。

 つまり、私にはいくらでも止める機会があったわけだ。自分の鈍感さに腹が立つのは、仕方ない。それでも、

「まあ、ということで報告ね!」

 納得いくわけないだろぉぉぉぉおおおおおお!!!!

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