私に足りないのは〇〇らしいです。
本日はファンクラブ会長さん達とお花見という名の今後の方針決定会にお呼ばれしております。
武道場側の広場みたいなところにちょっとした椅子や机があり、そこからの間近の桜は見事なものだ。描写能力の低い私からしたら綺麗の一言しかでないのだが。
そういえば、前は気が焦ってて紹介する暇がなかったので、ここで紹介を。
私の右隣に座る美人さんは、会長、橘怜様のファンクラブ会長桔梗ユリア様。常に「ですわ」等のお嬢様口調のザ、お嬢様で、無意識に常に威圧オーラを出す凄い方です。
続いて、その右隣の美人さんは、副会長、桑原悠也先輩のファンクラブ会長瀬島菊乃先輩。イメージは頼れる姉貴といった感じか。「着いて来な!」みたいなセリフが良く似合う方です。
その右隣の美人さんは、書記、睡蓮遥斗君のファンクラブ会長香野椿先輩。可愛い座敷童子な感じの方で、寡黙な方なので、先日のよろしくの挨拶が初めて聞く声だったんですよねー。………ファンクラブではどうしてるんだろう?副会長が喋るのかな?
その右隣の美人さんは、庶務、金鳳翔汰君のファンクラブ会長明石撫子先輩。和製フランス人形を想像してもらったらいいと思います。和製フランス人形なんて見たことないって?そこは想像だよ!声も鈴のように可愛らしい方です。
最後、自分の左隣に座る美人さんは、会計、柘植大輔先輩のファンクラブ会長青木すみれ先輩。例えるなら日本人形だろうか。いつも笑みを絶やさず笑っていらっしゃる朗らかな方です。ただ、集会の時に菊乃先輩の隣でいつも通り顔は笑顔だったけど、黒い禍々しいオーラが菊乃先輩に負けてなかったのだが………危ない方パートツー。
この五人+私で集まってます。
「いきなり呼び出してしまってごめんなさい?迷惑だったでしょう」
「いえ、むしろ、私なんかが先輩方と同席するなんておこがましいというか………」
「あら、おこがましいなんてこと全くないわ。むしろ私達はあなたを歓迎しているのよ?」
「そうそう、ユリアの言う通り。気にすんな!」
「あ、ありがとうございます」
いや、生徒会にいる時と負けず劣らずの周りキラキラっぷりだ。キラキラに耐性のついてしまった私は強いのだろうか………?
「取り敢えず、夏休みまでの計画を立てましょう。菊乃さん」
「オッケー」
と菊乃先輩はメモ帳を取り出して、パラパラとめくる。
「夏休みまでの行事は、四月、始業式、入学式、部活動の勧誘。五月、一年が宿泊研修してる間に二、三年で球技大会、テスト。六月、体育祭、二年は修学旅行、七月はテストだ」
「私達関連で言うと球技大会、体育祭、修学旅行ですね」
撫子先輩の言うのは、全て生徒会の役員の写真を撮る行事である。
「そして、四月と六月にファンクラブメール更新がありますね」
「その行事とメール更新日、四月下旬のはしっかり活動しなくてはなりませんね」
「(無言で頷く)」
なぜ四月下旬なのと思ったそこの貴女!貴方!実は、ファンクラブの勧誘は部活動の勧誘と同じ期間に行われるんです。私もその期間の最後の方に入った感じでした。
「勧誘についての打ち合わせはまた連絡いたしますわ。では、この話は終わりでいいわね?」
とユリア様が両手を合わせて可愛らしく言ったので、他の五人で頷く。
終わったし、機会見て帰ろーかな。あれ、私呼ばれた意味無くない?まあ、抹茶もお菓子も美味しいからいいんだけどねー。
と呑気に構えていた私を後になってほんと殴りたい。んな楽観的に構えてるんじゃないよ、と。
「さて、篠宮さん」
「はい、何でしょう?」
「私達話し合ったのですけど、篠宮さんが役員に相応しくないと他の方々に思われるのは、篠宮さんにはあるものが足りないという結論に至ったんですの」
「結論、ですか?」
ユリア様の言葉にきょとんとする。なんだろ、容姿について言われるのは今更だしな、他には………
「篠宮さん、貴女に足りないのは、女子力でしてよ!」
「え………えと女子力、ですか?」
女子力って………私そんなに女子力ないかな?
「まずその髪型!後ろでまとめるだけ、しかも髪飾りも何もなしの黒ゴムなんてありえない!」
いや、楽なので、あと結構実用的ですよ?
「スカート丈も長すぎて靴下と同化しているじゃないの!」
校則破って怒られるの面倒くさいしスースーして気持ち悪いので、でも同化はしてないはずですが………。
「とにかく、これから篠宮さんの女子力を磨いてさしあげなくては、ねえ皆さん」
「い、いや良いですよ?」
「遠慮なさらず、さあ」
いつの間にこんな空気になっちゃったのおおおあおお!?誰かああああああ、助けてえええええー!
「ちなみに拒否権はありませんわよ?」
この後、私はみっちり先輩方に女子力なるものをレクチャーされました。
それから彼女に一体何があったのかはご想像にお任せします♪




