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私と彼の関係性について説明します。

「そろそろ回んないと時間なくなっちゃうんじゃないのー?」


 金鳳君の一声で皆は一気に現実に引き戻された。


「あ、確かに、閉会式の準備もあるしそろそろ回んないとな」

「皆揃ったし行くか」


「じゃあ、アル...リ」

「ちゃんで呼ばなきゃアルでいいよ」

 リアを呼びづらそうにしてると、アルでいいと言ってくれた。優しいところはずっと前から変わってないな。


「それじゃ、優美は生徒会の人達と回るそうだからアル案内してよ」

「でもいいのか?普通彼女と男たちが一緒にいたら嫌じゃないか?」


 私はついさっき知ったけどアルくんには桃華と付き合っていること伝えてたのか、と思ったら俊君は困惑した表情を見せた。


「なんで付き合ってるってアルが知ってるんだ?」

「だってあんな仲良かったら分かるだろ?一緒に住んでるんだから仲いいのは分かるけど」

 うん???


 思わず聞いてしまって、どこに行こうか話してる生徒会の皆の方に向けてた体を180度反対に向けてしまった。


「それって、私と俊君が付き合ってるってこと?」

「違うのか?」

「「違う!!」」


 思わず声をそろえて否定すると、アル君はぽかんと口を開けたままになってた。


「俺が付き合ってるのはこちらの子の方で、優美が付き合ってるのはそちらの会長さんだから!」

「そうなのか?てっきり2人は付き合ってるんだと…」


「付き合ってるのか?」

 暗い声がして振り返ると怜様が暗い表情で私を見ていた。

「付き合ってないです!今まで生きてきた中でお付き合いするのは会長が初めてですから!!」

「でも一緒に住んで…」

「優美ちゃんと俊君って双子なんだよね?」

「え?優美と俊は血つながってないだろ?」


 固まる2人に私はあわあわして、あの、えっと、しか呟けず、俊君はアル君の頭を今度はこぶしでグリグリ押し込んでいた。


「何もめてるんですか、篠宮さんもとりなすならもっと強くお願いします」

 と副会長からの仲裁がなければ大分修羅場が悪化してたに違いない。


「えっと、すみません、動揺してしまって。その、俊君と私ですが、確かに同居していますが、私と俊君は血が繋がってません。話せば長くなるんですが…」


「構わない」

「いいよ、話して」


 強い口調で怜様と桃華に言われ、俊君と目を合わせると話すよう頷かれたのでそのまま話すことにした。


「そもそも俊君の家庭に私が居候させていただいているんです。私の実の父母と俊君の父親は昔からの幼馴染で、私の元々の家庭と俊君の家庭とは長く交流があって、私と俊君も、俊君の近所の子と一緒に遊ぶくらいには昔よく遊んでいました。それで、私が5歳の時に、父母が車で私の運動会に向かっていた際に交通事故で2人とも天国に行ってしまって。それで2人の葬儀の時に私を預かってくれそうな親戚はおらず、見かねた俊君の父親が私を引き取ってくれたんです。」


「でも私と最初会った時2人は双子って…」

「それは」

「俺が勝手に言ったんだ。その、最初会った時に桃華に一目ぼれして、優美と血が繋がってないのに一緒に暮らしてるって聞いたら、ダメって言われる確率高まると思って、ついそんなことを…」


 そこまで言うと2人は納得してくれたようで、怜様は頭をなでてくれ、桃華は顔を赤らめていた。


 ただ、2人の後ろの、特に2年生は複雑な表情をしていた。


「あの、睡蓮君、金鳳、く、ん?」

 気圧されそうになりつつ声をかけると顔をゆがめてこちらにやってきた。何か変なこと言ったかな、とみをすくませていると


「ちょっと!怜先輩と篠宮さん付き合ってるとか聞いてないんだけど!」

 と金鳳君に怒られた。


「そうだよ、今日初めて聞いたんだけど!」

「その、昨日からお付き合いさせていただくことに…」

「早く言ってよ!おめでとう!!」

「怜先輩も篠宮さんも渡辺さんもおめでとう!!」


 ビクビクしながら言うと全力で喜ばれたので拍子抜けしてしまった。


「いつ付き合うんだろうって思ってたけどついにかー」

「え、そんなにばれてました?」

「バレバレでしょ、夏くらいからずっとモヤモヤしてたんだから」


 そんなに分かりやすいのかな…隠してたつもりだったんだけど。


「でも、知ってるのはこことあとファンクラブ会長達だけ、他の生徒に言うと面倒事が確実に起こるから」

 柘植先輩に言われ、確かに、と今までのことを思い出し頷いた。

 怜様もそうするつもりだったようで、ああ、と言っていた。


「でも昨日だったとしてすぐ言ってくれても…」

「なんだか、昨日2年生の皆で話してるのが見えて、話しかけづらくて…すみません」


 そう言うと桃華も含め2年生は顔を見合わせて納得した表情をした。


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