表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/151

ファンクラブの会長と話し合いをしました。

 ある朝、登校して靴箱を開けると、靴の上にある手紙が。見てみると「生徒会を辞めて!」という赤い文字。

 ………赤い文字ってなんか怖いですね、正直内容より赤さの方が心に来るんですが。まあこれは三日前から始まっていたため、もう慣れたものだ。昨日は青色だったので、明日はなんだろう?

 そして、教室に着き、机に座ろうと椅子を引いたとき、ふと違和感のある物が。

 ………これ、ブーブークッション?しかも上には「生徒会を辞めて!」と文字が。これはいじめではなく悪戯に近い。なんかイジメられてるはずなのに、微笑ましいのはなぜなんだろうか?画鋲だったら恐ろしいなと思うけど、カラフルな手紙ブーブ………いや、何も言うまい。




 そのまま真純と話していると、教室の後ろが騒がしくなった。振り返ってみると、ある美人さんが。と言っても誰なのかは知っているけれど。

 美人さんはそのまま私の方を見て歩いてくる。まあ、私に用があるのだろう。なんせ………

「私、橘怜様ファンクラブ会長の桔梗ユリアと申しますわ。篠宮優美さんでいらっしゃるわよね?」

 自分のファンクラブ会長なのだから。

 そろそろ来るとは思っていたが、やはりドンピシャだった。

 私がそうですと言うと、桔梗先輩は元々厳しい顔をしていたのを一層強くした。

「今日のお昼休みは空いてらっしゃいまして?」

「はい、空いてますが」

「なら、また呼びに来ますから、少しお話しませんか?」

 周りの空気が重い。皆ファンクラブ会長に気圧されている。それほどまでの威圧感を持った人に呼び出される用事といったら、生徒会を辞めなさい、さもなくば………系しかない。

 正直怖い。呼び出しされて何も起こらない確率なんてゼロに等しい。それでも、いずれは避けられない事。行くなら今しかない!

「分かりました。お待ちしております」

 その答えと私の決意が伝わったのか、はたまた自分の要求が受け入れられたからなのかは分からないが、先輩はそれでは、と笑って去っていった。

「行ってらっしゃい、優美」

「行ってくる………疲れそう」

 そして、昼休みを告げるチャイムから少しして先輩が現れた。決戦の時か……




 先輩に連れてこられたのはいつもファンクラブの集まりの時に使われる二号館五階の大会議室。行くと、他にも四人の美人さんたちが笑って出迎えてくれた。言わずもがな、それぞれのファンクラブの会長である。

「さてと、とりあえず昼食を食べましょう。食べながらでも話くらい出来るわ」

 と副会長ファンクラブ会長の先輩の合図に促されて弁当を食べ始める。今日は食いっぱぐれることはなさそうだ。

「さて、あなたを呼び出した理由についてだけれど」

「すみませんが、生徒会を辞めるつもりはありません」

 ファンクラブ会長さん達キョトンとしているけど、先手必勝で行かせてもらいます!

「あの、生徒会を辞めるよう説得するために私を呼んだのでしたら、私は辞める理由がない限り辞めませんから」

「それはまた、強気ねぇ。でもあなた、聞いたところによると、最初は入るの嫌がってたらしいじゃない。あれは演技で本当は入りたくて仕方がなかったんじゃないの?」

 先輩達の視線が厳しい。先輩の言葉には相当な威圧感を感じる。けれど、ここで負けたら試合終了だ。

「確かに、私は最初生徒会に入ることを拒みました。それは本心からです。今でも私が入るなんて恐れ多いと思っています。でも、生徒会の方々がまだ私のことを生徒会に相応しくないと思われていないのであれば、一度入ると認めてしまった以上途中放棄して逃げるようなことはしたくありません。それは、生徒会に入ると決めた時に決めた私なりの覚悟です。」

 私自身があーだこーだよりも、メンバーが私を辞めさせた方が良いと思ったら、自分から生徒会を逃げるようなことはしまい、と決断したのだ。それを撤回する気はない。自分が辞める時は彼らが私を解雇する時だと、そう考えている。たとえ副会長に脅されてしぶしぶ入ったにしてもだ。

「ですので、私は先輩方や他の人に言われても、生徒会から逃げるのは駄目かな、とそう思ってます。生徒会役員の方が私を辞めさせたいと思われたのなら話は別ですが」

 伝えることは伝えた。これ以上来られても私は対処に困ってしまう。くるなくるなくるな!

 一方、先輩方はお互い顔を見合わせていたが、そして………突然笑い出した。私はキョトンとするしかない。

「え、えと………?」

「あぁ、ごめんなさい。いえ、私達あなたを辞めさせに呼んだわけじゃないのよ?」

 なんですと!?じゃあなぜ………

「一応ファンクラブのメンバーの誰かがあなたに危害を及ぼすかもしれないことへの注意と、私達はあなたの味方ということの説明をするために呼んだのよ。大体ファンクラブにそんな権限ないことはあなたも知ってるじゃない。生徒会や他の生徒達に何か悪影響を及ぼしたのでな

 い限り、私達の出る幕はないわ」

 桔梗先輩の言葉に、そういえばファンクラブってそういうのだったと今更思い出す。逆に私に対し「辞めろ」なんて言ったらそれこそファンクラブのポリシーに反するため、先輩方がそんなことするはずない。

 正直心臓バクバクいってたので、一気に崩れ落ちそうだ。

「ふふ、誤解させてたみたいでごめんなさいね。そんな怖がらせることをした覚えはないのだけれど」

 威圧感パなかったすよ、先輩方。

「まあ、今ので篠宮さんが生徒会メンバーに選ばれたことに皆納得がいきました。翔汰様方は芯の強い方を好みますから。まあ、そもそも翔汰様の選ばれた方に反対をするつもりはありませんが」

 という金鳳君のファンクラブ会長である明石撫子先輩に皆さんうんうんと頷かれてます。そりゃ、好きな人に反対するのはあんましやりたくないよね。

「ということで、これから私達はあなたをサポートしていきますわ!」

「よ、よろしくお願いします………」

「こちらこそ」

「こちらこそよろしくお願いいたします」

「こちらこそよろしくお願いします」

「こちらこそ!」

「こちらこそよ」

 そして、私は先輩方とメアド交換しました、てん、そしてお弁当も一緒に食べました、まる。

一応。最後の「こちらこそ」は会長、副会長、書記、庶務、会計のファンクラブの会長の順。

ちなみに、以前間違えていたので訂正!

庶務・・・金鳳君

会計・・・柘植先輩です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ