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私が怜様に抱いている気持ちはきっと...。

2.5テスト週間会長更新できなかったのですが、活報にて小話載せてるので宜しければご覧下さい、来週はテスト明けなので頑張りますよ!

私が怜様をお慕いしたいと思ったきっかけは、1年前、ちょうど去年の夏にまでさかのぼる。


去年の7月、私はクラスの出し物に使う絵の具が足らなくなり、ステージ組で使ったものが余っていると聞いて貰いに行く途中だった。


「なあー、いいじゃねえかよー?」


体育館の入口付近まで来た時、男の子の苛立ちを伴った声が聞こえた。

気になって声の方に行ってみると男子生徒と女子生徒が話しているのが見えた。


女子生徒の方はこちらに背を向けていたため誰かは識別出来なかった。髪もよくある茶混じりの黒だ。上履きから1年生ということしか分からない。

一方、男子生徒の方は腕を体育館の壁に置きそれで体を支えるような体勢をしており、髪の毛を明らかに茶色に染めて制服を着崩したチャラそうな子だ。学年は2年生で、足を揺すってることから大分イライラしてる感じだ。


「別に今カレシいないんだろ?俺と付き合ったって別に構わねーだろ。何がそんなに嫌なんだよ」

「私は先輩のことを好きじゃないんです!付き合うなんて………」

「でもこっちの方チラチラ見てて思わせぶりにしてたじゃねえか」

「そんなことしてな」

「いーやしてたね!そうやって色んな男誑かしてんの?」

「違います!」


どうやら男子生徒は女子生徒に交際を迫っているようだが、女子生徒が断ってる。

でも男子生徒はしつこく言っていると。


当時の私は今よりも小心者で、クラスメイトとも必要がない限りはあまり話さない、いつも真純と一緒という感じだった。恐らくクラスメイトからも「ボーイッシュな美人と一緒にいる子」みたいな印象だっただろう。聞いたことは流石にないけど。

当然この場でも今の私でも難しいだろうもめごとの仲裁なんてできず、ただ黙って様子を見ているだけだった。


なんとかしたい、でも喧嘩の仲裁なんてそんな勇気のある行動なんてできない、先生でも読呼んでこようかな、でも話の段階的に今呼びに行っても遅いし、かといって立ち去れないし……


そのまま悩んでいると、2人の向こうからだれかの来るのが見えた。


その誰かが怜様だった。

「こんなところで何をやっている」


怜様の登場に二人は驚いた様子を見せた後、男子生徒は苦々しく顔をゆがめ、女子生徒は胸に手を当てる動作は見えた。


「見て分からない?今コクってる途中なんだけど??」

「見たところ私にはお前が彼女を脅しているように見えたが?」

イライラを一切隠さず睨みつけている男子生徒の言葉に一切ひるむことなく淡々と怜様は言葉を返す。

怜様のその様子と女子生徒の頷きに男子生徒はさらに眉をつりあがらせた。


「お前には関係ないだろう!!」

「生徒の安全を確保するのが生徒会役員である私の仕事。例えお前にそのつもりがなかろうとも彼女にとってお前の言動は脅迫だ。この場に教師を呼んでもしかるべきところだ」


教師、生徒会という言葉に反応したのか、怜様の態度にぐうの音も出なくなったのか、男子生徒は舌打ちだけしてわざと怜様の肩にぶつかるようにして私がいる方とは反対側へ去ってしまった。


残った女子生徒は何度もありがとうございますとお辞儀をしながらお礼を言っていたが、彼女に関してもそっけなく別に大したことじゃない、たまたま通りがかっただけだと言ってこちらへ来るようにその場を去ろうとした。

慌てて私はその場から立ち去って絵の具をもらいに行った。


その日一日そのことが頭から離れなかった。自分が仲裁に入る勇気が欲しいと思った。怜様のひるまない態度がうらやましかった。

要するに自分は怜様にその時から強い憧れを抱いていた。


そのまますぐに怜様のファンクラブに入会し、今に至るというわけだ。

生徒会に私がいることは今でも恐れ多いことだと思うし、生徒会の仕事とはいえ今あの立場に立たされたらさっきも言った通り仲裁なんて難しいと思う。


合宿で告白されて、嬉しかった気持ちもある。応えたいとも思った。

でも、仮に私達が付き合って、やがて怜様がこれが恋でないと気付いて、そうしたら自分は未練がましく怜様につきまとうのが目に見えている。

怜様にそれで嫌な思いなんてさせたくなかった。

怜様には怜様に相応しい女性と付き合ってほしいのに、怜様がそんな女性といたらきっと私は醜く嫉妬する。


自分でも分かってる。きっと私が怜様に抱いているのは憧れだけじゃないって。

初めは憧れだけだったけど、誰から何と言われようと生徒会に居続けるような強い憧れではなくなってきてる。下心もあるって。


でも勇気がでない。

結局自分は怜様と怜様への気持ちに向き合うのが怖いんだ。


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