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私の親友は太陽のようです。

 生徒会に入って一週間。

 やはり、まだ生徒会に入った実感はそれほどないものの、毎日出される仕事はなんとかこなせていた。

 役員の方々も優しく接してくれており、特に睡蓮君は同じ役職なのでか、質問した所を分かりやすく教えてくれる。関係は良好といえよう。

 そして、未だ四方八方からくる視線についても、少し慣れてきたようだ。余りにキツい嫉妬などの視線は相変わらずだが、それ以外に関しては基本あー、見てるなー、くらいで済ませられる。

 慣れって怖いね!前はあんなにビクビクしてたのにね!あと適応能力にも自信あるのだよ吾輩は!というので、なんとかやれている。

 ただ、困っているのは、ファンの方々がいつ脅しにくるかということ。今時体育館裏に呼び出して、とかは流石にないだろうが、嫌がらせをしてくる可能性は極めて大だ。気を付けねば危ない。




 それと、もう一つ。親友のこと。

 生徒達の視線は私一人の時だけでなく、真純と行動している時でさえ緩められることはない。私でさえ結構嫌なのに、まして全く関係のない彼女が大勢から見られるのは心底ウザったいはず。しかも、私はそう友人が多くなく、いつも真純と一緒にいるため、真純が私と仲が良いのはよく知られているだろうから、そのせいで一人の時でも注目を浴びてないとは言い切れない。

 今後嫌がらせをされてから真純と離れたのでは遅い。彼女が被害を受けないようにするには、まだ落ち着いている今しかない。

 そう決心したのが昨日の夜。今日放課後に呼び出してそのことを伝えよう。

 真純がいなければ私はボッチになってしまうだろうが、それで彼女が関係のない災難を逃れられるとしたら、そちらを優先するべきことだと思える。

 ということで、移動教室の時に言うことにした。

「ねぇ、真純。今日の放課後空いてる?」

「空いてるけど………どうしたわけ?」

「少し、話したいことがあって」

「それはここじゃだめなの?」

「話が長いから。」

「生徒会は?」

「朝と昼休みに行って終わらせてくる。」

「ん、分かった。」

「ありがとう」

 話している最中、訝しげな視線を送ってきたが、どうしても放課後がよかった。

 ……そしたらスッキリと離れられると思ったから。




 放課後、真純と共に屋上へと向かう。

 屋上は本来使用禁止だが、生徒会の特権で借りることにした。 借りたいと言ったときのメンバーの視線が?を含んでいたけれど、まあそれは誤魔化しておいた。

 屋上は思ったよりも見晴らしがよく、そしてここなら他人に話が聞かれることなどないだろうと安堵する。疑問を感じていることを思いきり顔に出している親友に何でもないことのように話しかけた。

「ねえ、真純。私真純のことが好きだよ」

「いきなりどうしたわけ?」

「真純は頼りになる優しい、私にとってはお姉ちゃんみたいな存在だよ。でも、………そろそろ真純に頼る生活から離れたいの」

「………」

「真純は私の親友だと思ってるし、好きなのには変わりない。でも、そろそろ離れないと、と思「それがあんたの本心?」え?」

 顔をあげると、怒ったような表情の親友がいた。

「それが優美の本心なの?」

「そうだよ、だからこうやって」

「じゃあ、なんであんたは私から視線を逸らして俯いてるの?なんでそんなに苦しそうなの?」

「それは………」

「どうせ優美のことだから嫌がらせとかを受けさせないためだろうけど」

「うっ………」

 なんで分かったんだろう。

「私はそんなやわじゃないし、弱くもない。どうせあんたのことだから、関係ない私が巻き込まれるの嫌とか思ってるんじゃないの?もうあいつらからの攻撃は始まってるから安心して」

「う、嘘………」

「呼び出しされて優美を生徒会から辞めさせるよう説得を求められたり、そういう内容書かれた手紙も何通もきた」

「じゃあ、なんで、なんで真純は」

「私をなめるんじゃない。親友を一人で戦わせようなんて私が思うとでも思ったの?そうだとしたら、教育しなきゃね。私はひ弱いやつじゃないの、頼れるあんたの親友様よ」

 どうだ、という顔の親友に、何も言えなくなる。そうだ、彼女はこういう人だ。

 いつも私が弱っているときに手を差し延べてくれ、いつも私を励まし支えてくれる、そんな太陽のような人だった。

「ということで、これからもずっとあんたの親友やっていくつもりだから、そこんとこ間違えないでよ」

「分かった………ありがと」

「ふふん、どういたしましてよ」

 私は最強の親友をもう既に手に入れていたようだ。彼女と一緒なら何にだって負ける気がしないとそう思えるような太陽が。

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