表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RED DRAGON  作者: 紅玉
6/29

第5話 報酬金の代わり

「お願いです!どうか、この町を守って下さい!!」

と、ティーナの父は必死にナイトに頼み込んでいた。

「ですが、僕の指定した怪物退治の報酬額が支払えないんでしょ?だったら、無理ですね」

とナイトは、冷たく突き放した。

「これで精一杯なんです」

ティーナの父は大きな麻袋を差し出したが、

「困りますよ。こっちは命を懸けているんです。安請け合いはできませんよ」

と、ナイトは首を縦に振らなかった。

「あのぅ」

父とナイトのやりとりをドアの隙間から覗いていたティーナは、いてもたってもいられず、二人の間に入った。

「私からもお願いします。このままでは、町の人々は安心して夜を迎えることができません」

ティーナも父と一緒になって、ナイトに訴えた。ナイトはそんなティーナを見ながら、

「町長、この娘はあなたの娘さんですか?」

と、尋ねた。

「ええ、娘のティーナです」

「可愛い娘ですね」

と、ナイトはニヤリと笑った。ティーナは町の中の美人に数えられる一人だった。

「では、指定した金額が払えないのでしたら、あなたの娘さん、ティーナを僕にください」

とナイトは、微笑した。

「な、なんですって!ティーナを!?」

と町長は、紳士的な態度のナイトからまさか、そんな言葉が飛び出してくるとは思わなかった。

「町を守りたいんでしょ?」

ナイトはこの憎らしいセリフを善人の仮面を被った悪魔のように、にっこりと笑って言った。

「ティーナ…」

と父はティーナの手を握り、

「この町のために…」

と、苦しそうに言った。



 「イヤな奴。人の足元を見るなんて」

さっきまでのルシアの中でのナイトのイメージは、がらりと真逆に変わった。

「そういえばあなたは、こんなところで何をしているの?旅をしているみたいだけど…」

「今、宿を探しているんだ。でも、お金がなくて、安い宿がないかと思って」

「いくら持っているの?よかったら教えて」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ