唐突に
「さて、わが校の生徒が狙われている連続傷害事件をどう思う?」
櫻ヶ岡高校の生徒会長、芥川 武は今問題になっている傷害事件について頼れるパートナー鈴木 英子副生徒会長に意見を求めた。
「おそらく被害者が刃物や鈍器で襲われていることから反能力者団体などの所属者によるものだと思われます。」
すらすらと英子がそう言うと武は難しい顔になり眉を寄せた。
「では、Cランクの能力者長谷川三年生がただの武器を武装した犯罪者に負けると思うか?」
そう聞かれ、英子がそれは、、という顔をした。
「そうだ。だが実際は長谷川君は重傷だ。これを含めてどう思う?」
そういわれ少し考えこむと英子は事態がさらにややこしいことに気づき彼女にとっては珍しいことに顔色を変えるとその深刻な問題を言った。
「つまり他にも相当な戦力を持った組織が関わっていると?」
「たぶんな、おそらくその目的の分からない組織の方が犯罪者を利用していると考えたほうがいいだろう」
「どうします?」
このまま黙ってみてますか?というように聞く。
「目星はついてる。おそらくの目的も関係のある奴もな」
そう言って不敵に笑った。
善とそれなりに親睦を深めた次の日の昼休み。
「恐いよね。最近いやな事件が続いてて」
「まあな。ここら辺では俺らの学校の生徒しか狙われてないし能力者は皆殺しーとか言ってる奴らの仕業じゃないか?」
憲司とイクは最近学校でみんなの話題になっていることで話していた。
「もっと仲良くしたいのにな、お父さんやお母さんたちみたいな人ばかりならいいのに。」
イクの両親は能力者と無能力者が共存できるような世界を作ることを目標としている『ラージリング』と言う組織の重役なのでこういうじけんがいやなのだろう。
しかし自分たちより上にいる能力者が気に入らないといった人間達や能力者を危険とみなす反能力者集団や、逆に無能力者を見下して能力者中心の社会を作ろうとしている能力者至上主義者達の方が多いのでこういう問題が起こるのだろう。
根本的に自分たちと違うものとは分かり合えないのだ。
ただ、イクや憲司たちはそんな難しいことをしようとしているイクの両親を尊敬している。
「まあどっちにしろEランクのあまり無能力者と変わらない奴しか狙われてないしたいしたことない事件だと思うけどな」
正直すぐに捕まると思っていると暗に言う憲司。
「それがそうでもないみたいだぞ」
と少し前にトイレから帰って来た尚也が言った。
「はあ?ちょっとした刃物とか持ったただの犯罪者なんかDランクの人にもボコボコにされるんじゃないの?しかも生徒会長が本腰入れて解決しようとするらしいし?」
憲司は全然問題じゃないと考えていた。
「まあ俺もそう思ってたんだけどさ」
「何が言いたいの?」
尚也の煮え切らない言葉に訝しげな顔をするイク。
「Cランクの先輩が病院送りにされたってさっき聞いたんだよ。しかもマジらしいしさ」
「まさか」
冗談だろと言いいかけて尚也の顔から冗談じゃないということを察する憲司。
「ただの犯罪者じゃないってことか、、、」
「そっかじゃあ気をつけないといけないね」
いったいどんな奴がという顔の憲司にたいしてイクがあまり分かってないような軽い調子で言う。
それを見て憲司と尚也は顔を見合わせてため息をついた。
彼の目的は貴重な立場にいる人物の説得または殺害だった。
残念なことにいきなり殺すのは駄目らしい。
彼はそろそろかなと呟き準備を始めた。
放課後では生徒会の生徒が腕章をして見回りをしていた。
「かなり生徒会も重く考え始めたみたいだな」
「まあ、完璧に安心出来ないけどな」
尚也がそれを見て少し安心したように言ったが、無警戒なのはいただけないと憲司が忠告した
「そうだよ危ないんだからねっ!後で買い物行かない?」
「「、、、、、、、」」
ただ危機管理力が薄い奴の発言で変な空気になってしまったが、、、
「憲司君たちも帰るところかい?」
「ああ、善か」
「ねえねえ行くの行かないの?」
あれからそれなりによく喋る仲になった善に話しかけられた。
「あれさっきから何で無視するの?」
気のせい気のせいと尚也が生温かい目でへこんできているイクをなだめる。
「最近物騒だからどうせなら一緒に帰らない?」
「そうだな、、一緒に帰るか。いいよな?尚也、イク」
憲司が確認すると。
「ボディーガードととしては最高だしな」
「そンな風に言うのは良くないし危ないよぅ」
尚也は軽い気持ちで、イクはまだ微妙に立ち直ってない顔でokした。
歩いていると刃渡り30センチの刃物を持った明らかに怪しいというかもう既に銃刀法違反の方で捕まる男がいた。
「いくらなんでもおかしくね?そんなに死亡フラグ立てたっけなぁー」
「この局面でぼけるな、くず」
「酷くね?いくらなんでも憲ちゃん言い過ぎじゃないの?」
うるさい今はそれどころではない、とごまかす憲司とごまかされる尚也。
それよりどうします?と善が言っているが善には対応できない。
何故なら傷害犯にジョブチェンジした男が襲い掛かってきたからだ。
よく見ると目が逝ってる。キチガイに刃物はいけません。
「イっイク、ブレイクボイスであいつ適度に痛めつけてくれ!」
おびえる憲司に言われオーケーとまだ危機感を覚えていないイクが憲司に言われたとうりに能力を発動した。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁ」
そして襲ってきた男はイクが口を開いて数秒たつといきなり倒れ伏した。
男は白目で倒れ伏している。股間を抑えて倒れているのを見て憲司と尚也はかんがえるのをやめた。
イクが襲われても危機感を覚えていないのは仕方理由があった。
というか襲われたと認識していなかった。
なぜなら彼女を傷つけられるものなど世界に200人もいないのだから。
イクの能力は声で少しずつダメージを与えること。
つまり声の振動が伝わればいきなり臓器などへの攻撃も可能なのだ。
「ねえ憲司。イクの力は声の振動がないと使えないの?」
「はあ?まあそうだけどなんでそんなこと」
善の質問に訝しげな顔をしながらもピースしているイクを見ながら答える憲司。
そしていきなり善が能力を発動した
「はっ?」
一瞬だった。
善は呆ける尚也とイクを疾風短刀で殴り気絶させ素早くイクを抱きかかえると。
「いやあ、憲司気づくなんてすごいなあ僕は○○ビルにいるよ。ああそれとイクさんの親とかにに言うのはいいけど他の人に言ったりしたら『肉塊がビルにあるかもねぇくくくく』期限は12時間じゃねー」
そう言いおそらく能力を使い消えた。
くそくそくそっ憲司の頭を占めるのはそんな言葉だった。
違和感にに気づいたのは男が襲って来たときだった何故なら『弱すぎた』確かに刃物があれば落ちこぼれのEランクまでなら勝てただろう。だがCランクの能力者にあの程度の無能力者が『負けるはずがない』つまり協力者がいたのだ。
考えてみれば今までEランクの能力者だけが襲われていたのもおかしい。
D、Cランクの方が全体としては多いのだ。
つまり内通者もいたことが分かる。
そしてCランクに勝てるという所からも絞り込める。
さらにいままでなかったというところから最近来た奴が怪しいというのもあった。
だけど信じたくなかった。
だけどさらわれた以上現実を認識するしかなかった。
読んでみて変だったので少し変えさせてもらいます。
すみません。