8話 万神殿の外の世界
魔法陣の外でも精霊は動くことは確認済みだったから心配していなかったが、ちゃんと操り人形は万神殿の外に出られた。
精霊を操る距離の問題は、問題が発生してから考えよう。
操り人形......呼び名を考えるか。
わかりにくい。
異世界っぽい名前。この世界の命名規則がわからないんだよなぁ。
苗字があるのが普通なのか、ないのが普通なのか。
一旦、1体目だからユニ......ユニオとかでいいか。
ユニオは俺に似せて作ってある。
黒髪黒目がこっちの世界でどういう扱いかはわからないが、まあ1体目だからこれでいいだろう。
6属性の精霊が中に入っており、それぞれの役割を果たしている。
精霊に心はないから、こちらでほぼほぼマニュアル操作しなきゃならないのが不便だ。
全て精霊を通して魔法を発動するから、直接魔法を使わない分何かしら楽ができていると思うのだが、普通の魔法がわからないからなんとも言えない。
相変わらず何もわからないのだ。
視覚、聴覚は同期させてある。
仕組みの説明は難しい。
感覚的にできそうだからやっているだけで、なぜこうなっているかがわからない。これが精霊を使うということなのだろうか。わからない。
とにかくユニオの視覚、聴覚がリアルタイムで俺に届いており、体感としてはVRで外に出ていっている感じだ。
万神殿の外にはすぐ出られた。
光が差してきていた道はそこまで長くなかったのだ。
地下ということもなかった。
ただ、万神殿を出てすぐに人里はなかった。
岩山の中腹に万神殿はあった。なんでこんなところに建てたんだ。
山を下っていく。山道的なものがちゃんとあるということは、やはり人が通るということか?
道に迷いながら少しずつ山を降りていく。
植生が日本と比べてどうか、と考えようとしたが、あまり詳しくないのでなんとも言えない。
ずいぶん歩いて、日が暮れてきた。
今日は野宿か。
............あ。
俺は馬鹿か。所詮土人形だということを忘れていた。
あまりにリアルなVRすぎて気づかなかった。
痛みのフィードバックがなく、疲れも知らず、壊れてもなんの損害もないユニオに人間的動きをさせる意味はないではないか。
人と関わらせる時だけ人間の姿にすればいいんだ。
ああ、くそ。
しばらく寝たきりだったせいで頭が悪くなったのか?
いうて元々そんなに頭は良くないか。
今日はなんか興が削がれた。
人里探しは明日にしよう。
どうせ日が暮れれば人の活動は少なくなる。
トレーニングを何回か行ってスキルを1つ2つ成長させてから眠りについた。