33話 フォリアの屋敷に地下にあったもの
ゼートに協力を取り付けたあと、思い出したことがあってフォリアのところに移動する。
3人はまだ食事を続けるようだったので、1人だけだ。
場所は......研究室だな。今日は授業がないらしい。
一応扉をノックする。
部屋に入る前のノックは3回だ。2回じゃない。
3角形の頂点を順番に叩くイメージだと覚えやすい。
「どうぞ」
「なんだ、オカジマか。作業しながらで悪いが何の用だ」
「フォリアの屋敷について聞きたいことがあって」
作業の手を止めてこちらに目を向けるフォリア。
「私の屋敷?」
「うん、地下への階段を見つけたんだけど、入って大丈夫?」
「地下への階段?」
フォリアは少し頭を捻る。
「私の屋敷の話だよな?地下への階段なんて知らないぞ」
おや?
確かに使われている雰囲気はなかったし、隠されるように存在したから、購入時に説明を受けていないのだろうか。
「あの家を引き継いだときは結構バタバタしていたから、聞きそびれたのかもしれん」
「フォリアが自分で買ったわけじゃないの?」
「あれは私の師匠にあたる人から受け継いだんだ」
師匠がいるのか。そりゃいるか。
「じゃあ、地下室のことはその人に聞くしかないんだ」
「いや、師匠はすでに亡くなっている。受け継いだのは師匠が亡くなっときだ。あの人に家族はいなかったからな」
「どっちにしろあの屋敷はもう私のものだ。好きに調べていい。危険はないと思うが、一応用心してくれ」
「了解」
今日の夜にでも調べてみよう。
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日が暮れてから屋敷に移る。
フォリアと話した後、シャルロットたちと再度合流し、取る授業を選定していた。
その内容は追々説明する。
さて、どうしたものか。
地下への階段を前に考える。
ユニオは壊れても問題ない。
だが、地脈の魔法陣で動けなくなっていることを思えば、安易に降りるのも怖い。
ここはRPG的な視点で考えてみよう。
推定主人公シャルロットの師匠の屋敷、使われていない地下室。
考えられるのは、何か特殊な作業部屋、地下ダンジョン、陰謀解決のヒントあたりだろうか。
この世界になんの陰謀があるのか知らないし、そもそも陰謀なんてあるのかわからない。
仮に陰謀がこの世界に渦巻いているのだとしても、俺が動けるようになる訳でもあるまい。
......。まあ、なるようになるか。見てみないと何も始まらない。
とりあえず行こう。
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地下に降りてみると、肩透かしなくらい静かな空間だった。
これは......魔法陣の研究室だろう。
魔法陣の書かれた紙がいくつか床に広がっている。
よくよく考えてみればフォリアの師匠ということは魔法陣研究者の可能性が高い。
その人の屋敷に魔法陣の研究のための場所があるのは驚くことでもなんでもない。
地下にある理由は.....危険な魔法陣もあるらしいし、そのせいだろう。
だが、弟子のフォリアにも伝えていない研究室というのが気になる。
......また確認しなければいけないことが増えた。




