2話 目が覚める
目が覚めた。
さっきは気づかなかったが、今いる謎の場所には日の光が差している。
朝なんだろうか。
時間感覚がない。
そもそも何時間寝たんだ。
......わからない。何もわからない。
わからないことを考えるのは時間の無駄だ。
またいつ眠ってしまうかわからない。
......
しばらく試してわかったが、体は全く動かない訳ではない。
ちょっとなら動くようだ。
少しずつ体の体制を変えて、胎児のポーズから仰向けの状態にする。
大したことをしていないのに疲れた。
だが体を動かしたことで、謎の場所のことがわかった。
ここは神殿のようだ。
神像がいくつか等間隔に並んでいる。
イタリアのパンテオンとかいう円形神殿が思い出される。
あれも確か複数の神を祀っていたはずだし、ここの仮称も万神殿にしておこう。
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岡島はパンテオンを発見した。
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といった感じだ。
あ、そうだ。大事なことを忘れていた。
水精はどうなったのだろうか。
意識を向けると、あの水色の球体が頭上にふわふわと移動してきた。
精霊は時間経過で消える訳ではないのか
さてこいつ、というかスキル「精霊召喚」には何ができるのだろうか。
というか何もわからない。なんだこれ。
この世界の精霊の立ち位置がわからない。
1世代前の異世界転移のお約束、「どうみてもチート系」には見えない。
やはり流行りの「雑魚スキルが覚醒して最強に系」
「作者は雑魚っぽく演出しているけどどうみても壊れスキルじゃん系」
はたまた「スキルに関係ない成長率アップ系」
何もわからない。
じゃあ試してみよう。そう、大精霊実験でね。
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結論として「精霊召喚」は便利な気がする。
ただあれだ。
魔法Tueeeとか、精霊ちゃんカワユスーとかじゃなく、「うん、便利だね」って感じのスキルだ。
「生活魔法」みたいな扱いなんじゃないだろうか。
ちなみに召喚できる精霊は増えた。
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スキル
精霊召喚
--火精召喚
--水精召喚
--風精召喚
--土精召喚
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それぞれ火、水、風、土を出したり操ったりできる。
心で念じた通りに動いてくれるが、そんなに強力じゃない。
火精召喚は暖を取るのに使えそう。
水精召喚は飲み水を出せる。
風精召喚は火精召喚と組み合わせてこぼした水を乾かすのに使える。
土精召喚は......今の所使い道がないな。
そのうちできることが増えてくれると嬉しいんだが。