↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
8/110

虹ゲーな登場人物

「あの、魔女さん?亅

 メイドのメイベルさんが「何とかなりませんか亅と小声で囁いてきた。お嬢様はすっかり落胆してるみたいでうつむいたままだ。


 お顔立ちもはっきりしてるし、長い黒髪もあいまってきりっとした印象だ。口も真一文字なもんだから、黙ってると強そうな女性に見えるのに。かわいいお嬢さまなんだなあ。なんとかしてあげたいけど。


 私は、テーブルに置いたままのラベンダーを手に取ると、

「えーとですね。確かに村の女の子たちが恋愛で相談に来ることはあるんです。愛のハーブって言われるものもあるんですが、効能は、いい香りがするとか、自分が美肌になるとかそういったもので。直接、相手の心を変えたりはできないんです亅

「じゃあ、恋愛がうまくいったとかいう噂は亅

「それはたぶん、女の子たちが努力して前向きに行動したおかげかと亅


「そんなあ亅と言ってお嬢様の顔を伺い見てるメイベルとうつむいたままのお嬢様に、

「私はその背中を押したというか、応援したようなもんなんです亅

 お役に立てなくてすみませんとまた頭を下げた。


 しんっとなった小屋の中、散歩に出てたクロが戻ってくると、見慣れない客をジロジロと見上げてる。なぜか、お嬢様を凝視しているような。猫にも美人はわかるみたい


 それにしても、ヴェルミリオ侯爵家って聞いたことあるような気がする。ノームの森も聞いたことがあるようなと悩んでいたが、ノームの森の魔女って。これもどこかで聞いたような。もしかすると元々のミーガンの記憶なのかも。   


 そんなことを考えていると、お嬢様はつと顔をあげた。そして、

「お話わかりました。それでもいいのでそのハーブを売っていただけませんか亅

「もちろん亅


 ほっとした。正直、身分の高い人に希望とは反対のことを正直に話すなんて。また不敬罪とかに問われるんじゃとか、外にいる騎士にばっさりやられちゃうんじゃなかろうか、なんて不穏な考えが頭をよぎってた。だけど、このお嬢様に嘘をついてハーブを売りつけるのは何だか悪いような気がしたのだ。


 私は、ローズマリーやラベンダーの匂い袋やお茶っ葉を渡し、効能を説明し、目の前でお茶も淹れた。 

「また買いに来ますね亅

 と言ってくれたお嬢様は、

「まだきちんと名乗っておりませんでしたね亅

 笑みを浮かべた。


「レラ・エリオン・ヴェルミリオと申します亅

 横からメイベルが「ヴェルミリオ侯爵家のレラお嬢様です」と鼻高々。


 え? レラ? レラ侯爵令嬢って。


「魔女さん?亅

 目を丸くしてご令嬢を見つめていたようだ。

「あ、あ、あの私は亅

「ノームの森の魔女さんと呼んでもでいいんでしょうか? それともお名前を教えていただけたら亅


 そのあと、自分はミーガンという名前で魔女なんかではないんです、といったかどうかよく覚えていない。


 わたわたしてる私にレラは「また来ますね」なんていってにっこり。メイベルが先にドアをあけ、外で待つ騎士を呼んだ。


 私は思わずレラの後ろについていくメイベルの腕をつかんで、

「レラお嬢様のいうあの人は王太子様ですか?亅

 と聞いた。


「言いましたっけ?亅

 あいまいな笑みを浮かべてこくこくうなづく私にメイベルさんは、

「今は王太子さまではないですが、次期王太子は間違いないんです。フェルプス公爵家のデヴィッドさまです。お嬢様とご結婚のお話が出てるんですけど、田舎出の小娘に誘惑されて、もうっ本当に悔しくて。呪いができるならこっそり頼みたいぐらいですよ!亅

 きりきりと歯ぎしりしそうな勢いで言ったメイベルは小声で「フェルプス家の皆様もどうかしてるんだわ」とつぶやいた。 


 お付きの騎士がドアから顔をのぞかせ、まだかとメイドさんを急かし、ご一行は帰っていった。

 あたりまでは覚えている。


 そのあと、椅子に座り込み、心配したクロがテーブルに乗ってニャーニャー言うまで考え込んでいた。

 まさかレラ侯爵令嬢って、あの侯爵令嬢なのでは。それに私の噂、ノームの森の魔女だなんて。

 これはあれじゃないの?


 虹のゲート~3人の王子様~


 虹のゲート、通称にじげーは主人公のフェリシアが3人の王子と出会い、最終的には1人の王子と結ばれる。乙女ゲームのひとつで内容もありきたりといえばありきたりだが、王子のスチルも声もよくてそこそこの人気作となった。

 そこからノベル化やマンガ化までされたからけっこう人気があったんだろう。かくいう私もノベルからはいり、ゲームにも手を伸ばし始めていたのよね。


 主人公のフェリシアは平民上がりだが、もともとは貴族の血が流れている。母親が子爵令嬢で馬の世話係である父親と恋に落ち駆け落ちしたのだ。


 父親はフェリシアが小さなときに亡くなって、母親と二人、たくましく暮らしていたが、無理がたたったのか母親が病気になり、亡くなってしまう。

 そこに母親の弟、叔父と名乗る人物がフェリシアの前に現れ、子供のいない叔父夫妻に引き取られる。叔父は伯爵に爵位が上がっており、フェリシアは伯爵令嬢として暮らすことに。


 王子との出会いはいろいろあって。まだ庶民の時にけがをしていた王子のひとりを助ける。

 街では強盗にあいそうになっていたもうひとりの王子を助け、貴族になってから勉強で訪れていた王室の図書館でもうひとりと出会う。


 どの王子も親戚関係にあったんじゃなかったかな。ケガしていたところを助けた王子が時期王様、王位継承権第一位の王子だった。

 そして3人ともフェリシアに惹かれ。


 王子以外にも騎士団の団長やら街で暮らす幼馴染みに大きな商家の息子やら何人かのお相手候補がいて、誰と一緒になるかでラストがかわっていく。

 さあて、誰と結ばれるのかな? って内容だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。