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ジュド・ロックナーの恋愛事情ー1

ミーガンのお話に登場したジュドのお話です。


ジュド目線で書いているのでシリーズ作品にしようかとも思ったのですが、前回を読んでいないとわけわからないことになってます ので((ToT) スミマセン)前回の続きとして読んでいただけたらと思います。


短めなお話になりますがよかったら……

 俺の名前はジュド・ロックナー、ロックナー侯爵の長男。

 現国王、リヒャルト・ルクルット王の弟の息子、つまり甥にあたる。


 行方不明だった、ルクルット王の息子、ディーン・ルクルットが無事に戻ってきてからというもの、俺の婚約話が浮上してきた。


 先にディーンだろ、と思うのだが。あいつには想い人がいて、その人以外は考えられないらしく、父王やら大臣、果てはなぜか伯母上まで巻き込んで揉めているのか、騒動になっているのかで忙しいらしい。


 ったく、ミーガンも俺にしとけば、こんな大変な目にあうこともなかったろうに。


 レラ嬢とフェリシアの住まいが完成した日、俺を含めた王子3人とミーガンが新居に招かれた。

 ミーガンは先に着いていてレラ嬢とフェリシアと料理を作っていたようだが。


 そうなんだよな、あの時も、ディーンが側に寄っただけで「ひっ」なんてどこから声出してんだみたいな声を上げて裏に逃げてった。

 その反応にディーンはがっくりしてたようで、俺としてはこれはこっちにもまだ分があるな、と思っていたんだ。


 だってだよ。ミーガンとの付き合いは俺のほうが長い、と思うんだ。え? それはクロだろうって? それはそうだけど猫だよ、猫。

 町で俺と会って、黒ずくめの男たちから助けてくれたし、家にだって泊めてくれようとしたし。

 悪い奴らに捕まって幽閉されて、ふたりで馬に乗って城へと逃げたんだ。

 あのとき、ミーガンはレラ嬢のお屋敷のお茶会に出席してて、今までになく綺麗だった。馬の前に乗るように引き上げたとき、ほんとに食べてんの? ってくらい軽くて、捕まってたはずなのに妙にいい香りがして。


 たぶん、その時から妙に意識し始めていたんだと思う。


 え? フェリシアは? って。

 もちろん、町で過ごしていた間、フェリシアに惹かれていた、というか、自分に妹がいたらこんな感じだったんじゃないかなと思わせるような子だったんだ。今もそうだが、行動的で自分がやりたいことを一番にやっていく。

 俺も王家だというのに、次期王太子になるのはごめんだと家出していたんでね。

 なんだか、自分と似ているなあ、と気になる子だったわけ。


 嫁云々、の話が出て、それならフェリシアなら王太子妃になりたいって強く言っていたし、身分的にもとやかく言われないだろうしってわけで一応話をもっていったんだ。


 まさか断られるとは思ってなかったが。


 どうしたって王族の結婚となると、身分が重要視されるし、とやかく言われるもとになる。

 もちろん、ミーガンのことは意識してたが、結婚相手となるとまわりが認めないだろうなって思ってたんだ。

 そんなことも露ともしないディーンにはやっぱり負けてるんだろうな。


 レラ嬢とフェリシアの新居訪問で、裏からデヴィッドが戻ってきたのに、ディーンとミーガンが戻ってこない。

「遅いよな、ちょっと、様子を」

 と裏に行こうとする俺をフェリシアが首根っこを捕まえて止めた。

 レラ嬢もうふふと笑みを浮かべつつも

「いけません、ジュド様」

 おとなしい女性の不敵な笑みほど怖いもんはないな。

 横からデヴィッドもうんうんとうなづいてやがるし。


 そのあと、ディーンはミーガンの手を引いて戻ってきた。

 あの二人の顔見たら、ああそういうことか、と納得するしかなかったんだ。


 ったく、俺の恋愛事情はうまくいかない。




「ジュド様、お支度は」

 と部屋に入ってきたのは侍従のステファンだ。

 俺の世話係だが、俺とそう変わらない年齢で頭もいいうえに剣の腕もたつ。


「支度? 何だっけ?」

「夜会ですよ」

「あー……」

 俺は途端に顔をゆがめた。

「行かないとダメかな」


 ステファンは、しかめっ面になると、

「当たり前です。勝手に婚約者を決められるなんて言語道断と仰ったのはジュド様ですよ」

 あー、言ったっけ、そんなこと。

「父上も伯父上もは恋愛結婚ではないですか、なのに息子の相手は勝手に決めるんですか。自分の相手ぐらい自分で見つけたい、それぐらいできないで大臣としてやっていくなんてできはしません、と言われてましたよね」

 あー、言ったか。こうして聞くと意味わからんが。

 何とか嫁取り話から逃げたかったんだよな。それに、勝手に決められるのが嫌なのは本心だ。


「まあ、どのかたからもいいお返事をいただけなかったんですから」

 さらっとひどいことを言う。

「ステファン!」

「失礼いたしました。ともかく、夜会には喜んで出席いたしますとお返事したんですから」

 さして悪いことを言ってはいないというような涼しい顔で返される。


「でもさあ、あれだろ、今日の夜会はクオラソムプ伯爵家の、そこってメリ……」

 うなづいたステファンは、

「メリガレット・ルイリヤ・クオラソムプご令嬢です」

 だよなあ、とため息をつく。


 どうやら今回のことはクオラソムプ家が大乗り気らしい。俺が王太子になるって言った時も筆頭に現れてたし。あの時はミーガンに頼んで偽婚約者になってもらったのだが。


「だけどさあ、あの子、すごい顔してミーガンに何か飲まそうとしたんだぞ」

「はあ」

「お前はあの場にいなかったから知らないだろうけど」


 ミーガンに嫌がらせをする犯人を捕まえる目的でお茶会に乗り込んだ、といっても陰に隠れて見張っていたんだ。そのとき、メリガレット嬢は、ミーガンにものすごくお茶を勧めていた。それはすごく。


「あのときの顔ったら、本当に怖かったんだぞ」

「はいはい」

 さっさと俺の着替えを促したステファンは、

「さあ、行きますよ」

 とまだわめいてる俺の背中を押した


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