悪役令嬢とは私のことかもしれませんわね?
「お前とは 婚約を破棄させていただく!」
「はい?」
唐突にそんなことを言われ、私は思わず聞き返していた。
場所は、王都にある王宮の一角にあるホールだった。私の家は男爵家でありながらも、国を守る国の中心の辺境地を収めている家 のため。王太子殿下と婚約をしている
そのため 王宮の一室を貸し与えられてパーティなどを主催することができるのだ。
今日は、私の家の催しということでかなり 立場が上の人たちが集まっていたのだが……どうしてこんなことになってしまったのか。それは少し前にさかのぼる―――
***
私が婚約者の殿下から呼び出しを受けたのは昨日の事だった。なんでも話したいことがあるそうだ。私は正直なところ、あまり会いたくなかったのだが、立場上断ることができなかったためしぶしぶ向かうことにした。
ただ何か 立場で言われてはかなわないため。私が主催する パーティーに来ていただくことにした.... くると返事が来たので そんなに内密なことではないだろう
会場について早々殿下に挨拶に向かうと、そこにはいつもよりも機嫌の良さそうな顔があった。
何かいいことでもあったんだろうか? そう思って尋ねてみると なんと 私との婚約を破棄したいと言われたのである。
突然のことだったために、驚いてしまい言葉を失った なぜ急にそのようなことをおっしゃったのでしょうかと聞くと、どうやら彼は隣にいた女性の方にすっかり夢中らしい。平民と言われていた その方が、最近その方が侯爵家の令嬢だということが発覚したとかで
……まあ要するにその女性が見染められたということだろう そして その方を妃に迎えたいと仰っていた。だから私のことが邪魔になってしまっているというわけである。
はぁ……
「お言葉ですが 王太子殿下..... 国王陛下 への 許可 と 私の両親への許可は取っているのでしょうか?この婚約を取り付けたのは 私たちの親ですし 攻略 結婚......つまり殿下のお相手となる女性を妃にするにしても、国王陛下の許可が必要となってくると思うのですが……」
まず 一番重要なのはこの点である 王族の婚約者ともなれば 簡単に変えることができるものではないのだ いくら本人たちの合意があっても それ相応の許可が必要になる。それがなければ婚約も 破棄も結婚も認められない。これは常識の話であり、それをすっ飛ばしているのでは意味がない。
「もちろん 父上と母上にはすでに話をしてある」
ああ そうですか。もうすでに手を打ってあったようですね……。家の両親も 王家の決め事には逆らえないでしょうし
なら、もう覆すことはほぼ不可能なんでしょうね。仕方ない……腹を決めますか……
さてと そうと決まれば後はどのようにして終わらせるかだけれど……。どうしようかしらね……. うーん……
やっぱりこのままだと私の評判が落ちてしまうことになるのよね……。
今はまだいいとしてもこれから先 私がどんなことをしたとしても悪い評判ばかりが広まっていくんだろうなぁ……(遠い目)
でも それで済むのであれば別に構わないわよね……? もともと好かれてた記憶もないから 特に思うこともないし……うん!大丈夫!きっと何とかなるはずよ! よし!!じゃあ早速行動に移しましょうか!!! 、、、、でも。こちらだけが 評判が悪くなるのは あまり 良いこととは思えないわ?
「でも。。。。婚約破棄でごまかしてるだけだと思ったのだけれど?普通に浮気よね?」
「え、ええと……」
あらあら?なんだかさっきから歯切れが悪いような……?
「私達は婚約をしている関係なのだから。そんな相手がいるにも関わらず別の人と関係を持っていただなんて……ね」
「いや、その、、、、違わないが。それは違うぞ!?だって俺達まだ学生じゃないか!!それくらい許されるだろ?」
何言ってんのかしら?婚約者持ちなのに他の人と関係を持っていちゃダメに決まってるじゃないの。何を言ってるのか本当に分からないわ
「しかも 俺王子だから何でもしていいし」
なにこれ。
「そんなわけありませんわよ.... 皆さんもそう思いますわよね? 私の家は最近外交を極めておりまして..... 隣の国との交渉もかなり うまくいっておりますのよ?」
「そ、そうよ! 王子から何でもしていいわけじゃないわ!」
「 浮気反対!」
「 学生だからって何よ!攻略 結婚が自分だけ嫌だと思っているなんて、、、、、、」
数々の家や名家の夫人達から追い込みが来るそれもそうだ。
貴族とは そういうものであり そうでなければならない。皆 それぞれの家で跡継ぎを作ってもらうために必死になっているのである。せめて婚約破棄をした後に新しい婚約者を見つけてくれるのなら まだましだ......
さらに それだけではないのだ。彼の言う
『 攻略 結婚』とは 要するに親が家のために 勝手に自分の子の結婚相手を決めることだ
いい相手になるか 悪い相手になるか 好きな相手になるかはランダム だし、はっきり言って私と王子の婚約はお互いに嫌なことだった、それでも無理やり決められた婚約で、婚約が決まった瞬間から私は彼を好きになろうとに生きていこうと思っていた。
それにしても 彼はここまで傲慢だったとは、、、、、もうちょっとましなら 前の段階で引いていたが.....
正直言って失望してしまった。 こんなことを起こさずに家同士 内密に婚約破棄 だってできただろうに、、、、、
先に内容さえ知らせてくれていればもっとマシに別れられただろうに、 、どうしてこうなったんだろう。。
そして 私の両親は、、おそらく私が彼に振られるというシナリオを想定していただろうし この婚約破棄については問題なく進めるだろう、 でもそれだけじゃ嫌よね?
***
「では、3ヶ月前 あなたの隣にいる女性とデートをしてくちづけをしたこと、2ヶ月と2週間前、あなたの隣にいる女性と愛していると言い合ったこと。1ヶ月前。あなたの隣にいる女性にドレスを送ったこと。 これを不問とするのは難しいと思いますが。しかも 家同士 りがあったに関わらず 勝手な 婚約破棄。
先にどこかで話したいとは言われましたが 個別に話したいと言われれば両親を同席させて一緒に話しましたのに?そして 我が家は十分な働きをしていますのにまだ男爵のままです
このことから、わが家は。伯爵家へと位をあげることと、何もしていないとはいえ 私が傷物になったことから 王家から何か形があるものを 請求いたします!」
まあ これで許せると思うほうがどうかしてるとおもいますけど……? まあ 今回は私に非がある、、、、、はず?なのであまり強くは言いませんけれども……ね?
「 っ……そ、そんなことがゆるされるとでも!?」
「許される……ですか。 許されると思いますけど?、、、、、気分がしましたので今回のパーティーは終わりにさせていただきます。皆さんお帰りください 私は最初に帰っておきますので」
ーーーーーーあれから1週間 日が流れた。殿下のことは両親に任せておけば何とかなると思うので、今は自分のことに集中できている。
私のこと関係と言えば、まず、爵位が上がった。今までは子爵だったのだが 、王家と公爵家に認められる功績を残して認められた。そのためか、家の名は上がるし 私の名も上がり。もう誰も文句が言えなくなってしまったのだ……、、少しだけやりすぎてしまったかもしれないわね……? 、
あと変わったことといえば、あの時のことで殿下の評判が落ちた 。でもそのおかげで 他の男性からの告白が多くなった。もちろん 全部断っているけれど。。
あと賠償で我が家は土地とお金を大量にもらった。
今の私はかなり 幸せだ
、、 でも一つ不満を言うとすれば……
私の評判が下がったからか いじめの頻度が増えたことだろうか……?まあ、、それくらい なら我慢はできるが……、しかし私に暴力を振るった 女達は、、どうしてくれようか?
うふふ、、、、、、ではまた今度それが終わったら報告させていただきますわね?