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3-7 嫉妬されてたの?


死んだら、あの世へ行く。


長々と裁判を受けて、転生か地獄行き。宗派は関係なし。妖怪養成所に入れるのは、仮免妖怪だけ。


でも合格率、低いんだって。免許が取れず、裁判待ちの列に並ぶ。その方が多いらしい。


そりゃ、そうよ。仮免だって、商店街の福引で一等当てた。くらいのモンでしょう?




私は諦めない。妖怪免許を取って、採用試験を受けて、公務員になる!


第一志望は代官所、第二志望は奉行所です。幽霊や妖怪の役に立ちたい。誰かを救う、そんな仕事に就きたい。



裁判の結果、転生したとして。


美空奏音みそらかのんとして生きた記憶、消えるでしょう? 地獄行きって懲役、数百年とか数千年とか? 記憶力には自身あるけど、忘れそう。


生まれた事、後悔してません。


辛い事、悲しい事、いっぱい経験した。だから分かる。同じ悩みや苦しみを持つ幽霊、多いと思う。




人間って、同じ経験しなきゃ、深い所まで解らない。想像力で何とか出来るほど、甘くないよ。


私は死んだけど、虐待サバイバー。家でも学校でも、虐められた。何が悪かったのか、分からない。


けど、これだけは言える。私から攻撃した事、一度も無い。反撃しただけ。






「きっと、羨ましかったんだよ。」


恵さん。元、会社員。享年四十五。


「カノンちゃん、カッコイイ。」


キララちゃん。元、女子高生。享年十八。


「強くて、スゴイと思う。」


マリンちゃん。元、女子高生。享年十七。



・・・・・・。私、嫉妬されてたの?



「妖怪免許を取って、公務員になってね。」


令子さん。元、会社員。享年三十五。


「はい。みんな一緒に、妖怪になりましょう。」




はぁぁ、死んで良かったぁ。こんなに素敵な幽霊に、いっぱい会えた。


自己評価は低いけど、少しづつ変えよう。私は死んで、妖怪に生まれ変わる。妖怪になって、苦しむ幽霊を救う。


死ぬ前に救えたら、それが一番。生きて、幸せになってほしい。


嫌な事とか、辛い事とか。生きてればイロイロあるよ。それでも生きてほしいんだ。



私は轢き殺された。即死だった。大学に進学して、国家公務員になりたかった。でも死んだ。どんなに頑張っても、叶わない。生きたくても、生きられない。


私の分まで生きて、なんて言わないよ。でもね、生きてたら会える。それまで出会えなかった人に、会えるんだよ。






「そうだよね。生きていれば幸せ、掴めるよね。」


「マリンちゃん、病死だっけ?」


「そう、がん。痛くて痛くて眠れなくて、死んでグッスリ。起こされるまで寝てた。」


大物だね。


「そういうキララちゃんは?」


「アタシはね、交通事故。」



バイト帰り。歩道を歩いていたら、車に撥ねられた。


無免許、しかも飲酒運転。テンパった犯人が山に運んで、埋めたんだ。グレたよ。でさ、悪霊化する前に救われた。



「カノンちゃん、公務員になって。私の頭じゃ無理。だから代わりに、いっぱい救って!」


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