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捏造の王国

捏造の王国 その64 新春ドタバタの幕開け!ウイルス蔓延第6波到来に大学入試のいきなり変更にINUHKの捏造番組!

作者: 天城冴

新春のニホン国では、新型肺炎ウイルスの変異株の市中感染他問題山積み。マンネンロウの香りで現実逃避するキジダダ総理のもとに…

年明けにさっそく大寒波が襲い、さらに新型肺炎ウイルスの何個目かの変異株の市中感染も噂されるニホン国。正月気分は吹き飛び、各種値上げに怯えつつも福袋などで現実逃避をするのは庶民だけではなかった。

「はあ、このマンネンロウの香り、頭が冴え、認知症予防にも効果があるといわれるが、いまひとつ好みに合わないな。やはり私はヒノキとかクスノキ精油などのほうがいいと思うのだが」

と、ひそかに精油を楽しむのはニホン国トップキジダダ総理。妻が付き合いついでに購入したハーブ福袋に入っていた精油をいくつか頂戴したらしい。

「香り成分は人の精神に作用するというが、ああ、国民もおとなしくなってくれないだろうか」

と、ため息をつく。

「こ、国会を短めにしたものの、新型肺炎ウイルスの変異株オンミクロンがはやりつつあるから、対策に頭が痛い」

“そうでしょうねえ。なにしろ在米軍には検査は甘く、待機も短く、感染者は入り放題。おまけに基地から出てもマスク外しまくりで、クリスマス行事とかやってましたからねえ。これがホントの在日(米軍)特権ってやつですかあ”

と、くつろぎの時間を邪魔しまくるのは、ニホン国トップ監視役を任じられた地獄の書記官。今日は精油の瓶に姿を映している。

「な、なにか聞こえたようだが。私は気にしないぞ。こ、この香りがすべてを癒してくれるのだ」

“あー、お得意のヒアリング能力はデタラメですかあ?まあ、オキナワン県の知事が米軍に検査しろ、強くいってくれといってたのにねえ。口では変異株を防ぐために検査をとかいっても、最大の感染国アメリカからの入国がザルですから、第6波だかはきちゃいましたよね”

「い、いや、まだ大丈夫。その証拠に蔓延防止策の措置をしたのはまだ3県、ま、まだ」

“そうはいっても、感染者数は爆上げですよね。ブースター接種したほうがいいんでないの、高齢者とか医療関係者だけでも前倒しにいってた自治体の長さんもいたのに、厚労省だかが、渋ってましたよねえ。それに、この増加率だったら、緊急ナンタラ宣言出したほうがいいんじゃないですかあ”

「そ、そんなことしたら経済が、ケイダンレンだけでなく、レンゴーからも、く、苦情が」

“あ、あの労働者の味方と見せかけて、大企業の一部社員だけを守りたいレンゴーさんですかあ。本当ならギジダダさん、貴方方と敵対してるはずなんですけど新年会だかの挨拶によばれちゃって、まあなあなあですよねえ。ま、あの会長さんも自分らの既得権益が守れば、どうでもいい。同性の非正規雇用者が苦しもうが、若い女性たちがパワハラ、セクハラで潰され、最悪自殺に追い込まれようが他人事なんでしょうねえ。ってなことを女性の死者がいってました、地獄に引きずり込んで、獄卒と一緒に引き裂いてやりたいとも”

「死者の声も、地獄のつぶやきも聞こないんだ、わ、私は生者の声だけを」

“都合のいい生者の声だけでしょ。そーいえば国際大運動大会の記録番組と称して、大会ヨイショの監督やらスタッフやらが、反対派を貶める捏造テロップをいれたそうですねえ。しかもすぐに嘘だ、いい加減だとバレるお粗末さで、非難ごうごう、すぐ謝罪。いや、あんなお粗末なものを作るなんて、と昭和の監督さんやら報道関係者たちが煉獄で憤ってたらしいですよ。しかも体制迎合とは昭和のバカ戦争翼賛再来か、あの監督ひっぱたいて根性叩き直してやると言い出して、現世への門にデモ隊くんじゃって大変だったそうで。あ、もちろんあの世で金は使えないんで、本心からの参加者ですが”

「あ、あの世なんて、関係ない。そ、そうだ若者の声だって聴いてるんだ、だから大学入試をだな」

“あのう、かえって混乱してますけど。そりゃそうですよね。共通テスト必須でなくてもいいですよ、テスト一回でもなんて。それでは、共通テスト対策してた学生は不利ですからねえ。共通だと科目が多いからと涙をのんで受験をあきらめた学生とか、共通テストのために塾に行ったり、受験のために宿とったりとした学生もいるでしょうからねえ。ま、運悪くウイルスに罹患した受験生への救済措置でしょうけど、それなら新型肺炎ウイルスが収束したと思えるまで、ずっとそういう措置にしますって去年からいっていれば、よかったじゃないですかあ”

「い、いや、私だってやってるんだ、ニューキャピタリズムとか」

“そのう、新しいカタカナ語をつくっても無駄ですよお。いまや、ガースさんやらアベノさんよりひどいかも、とか言い出す人もいますし。答弁とか記者会見とか原稿なしでもしゃべれる分マシなだけで、あとは変わり映えしませんしねえ。あ、支持率下がりそうになると謎のミサイルだか飛翔体が北のほうから飛んでくるのも同じですね。絶対当たらないらしいですけど、アレ”

「そ、そんなことは、ないったら、ない!う、しまった声に反応してしまった…こ、この幻聴を消すには、やはりマンネンロウの香りを朝晩嗅ぐしかないのか」

と、周り中に精油を振りかけようとするギジダダ総理。

“あ、晩に嗅いだら頭が冴えすぎて、眠れずに逆効果だそうですよお。夜はラベンダーの精油がよいらしいです。それとカンファ―とかの成分が強すぎる精油はかえって脳に悪いとかなんとかなんで、そんなにふりかけちゃだめですよお。マンネンロウというかローズマリーの精油がいくら安くたって”

「ら、ラベンダーの精油は妻が『私が使うから』ってくれないんだ…。わー、まだ聞こえる、や、やはりヒノキかあ」

と、脳がさえわたりすぎる香りをかぎつつ、言動がすっかりおかしくなっているキジダダ総理であった。


ロースマリーの香りは頭が冴えるそうですが、それだけで問題が解決するというわけではなさそうです。一つ一つ取り組むしかないのでしょうねえ、たぶん。

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