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イレギュラー

■■■ とある小さな国 ■■■


「伝令!伝令!ここから西にある村でゾンビらしき物体を確認!支援を求むとのこと!

西の村でゾンビらしき物体を確認!支援を求む!」


治安維持のため派遣されていた兵士が鎧も着ずに駆け込んできた。よほど急いできたのだろう。

城内にいる兵士に伝え

ると、ばたりと倒れてしまった。



ゾンビ


特殊な菌に感染されてしまった動物。目に紫の線が浮かび上がること以外見かけの判断はできない

感染すると宿主の意識は失われ、菌を広めようとそこら中の生き物に噛みつきだす

人型のゾンビは動きが緩慢なのでゾンビと分かっていたら噛まれることはほぼない

しかし知らぬ間に感染していてなおかつ他の人が気づいていない時は被害が大きくなる


神性を帯びたものは避けようとする。ゾンビとなったものは完全に燃やさないと首を切ろうが、体を潰そうが動き続ける。



ゾンビ化は初動で押さえ込まないととんでもないことになる。その情報を聞いたドワイト王国の国王はすぐさま対処させようと兵を送った。



■■■ とある村 ■■■


俺は小さな村に滞在して穀物の肥料を売っていた。どの村も自分たちで堆肥を作っているのでかなり安く売ってもほぼ売れない。

「もったいない。これが何で作られているかも知れず」

世界樹の葉もごく少量混ざっているのに。

この村で突然現れた商人である俺からよく分かっていなさそうのまま買って行った青年の畑が今後数年はよく育つ畑になる、と想像しながら村を出て行こうとした時だ。


「道を開けろ!道を開けろ!!まもなく国軍が通る!道を開けろ!!」

まっすぐこちらに馬を走らせながら馬を走らせている男がいた。グッと目を凝らすとその奥で大勢の馬が走っているのが見える。


ここを通過するのか。俺は急いで道を開けた。 ここドワイト王国では大きな国々とは山を隔てているので争いが起きない平和な国だと聞いていたが何が起きたのだろうか。


俺は気になったので追いかけることにした。

「ピーー。・・・・ドナドナいないんだった」

旅を共にしていた馬を口笛で呼ぼうと思ったが、いないことに途中で気づいた。仕方ないから走って追いかけることにした。



「ここだ!全員鎧を着込め!村人全員呼び出せ!」

「早く!早く!」


一団はとある村に着くと急いで鎧を着て噛まれないようにして家一軒一軒回り始めた。

「ここ付近でゾンビらしき物体が発見された。調査の協力をお願いしたい」

そう言って家に住む人の目を確認して家の中を一通り確認した。そして今いない人の確認を行い、村に入る前に確認。

村を出るときは兵士が同伴。戻ってくるときは兵士も一緒に感染していないか確認。


しばらくはこの生活が続く。ゾンビ化の拡大を防ぐため仕方ないがなかなか辛いものだ。



村の安全が確保されたら半数近くの兵士は捜索に出る。俺も探してみた。


「いた。けどなんだあの魔素?」

ゾンビ化すると宿主の意識がなくなるためその身に宿っている魔素は揺らぎすら起こらないほど静かだ。

なのに見つけた魔素の塊は時々荒れ狂ったように乱れる。

菌の侵食に反抗しているのか?


わずかにでも希望があるなら助けてみようと思った。が、兵士たちに見つかったな。


警笛と共にどんどん人が集まってくる。ゾンビを助けるところを人に見られるのはまずい。

「急げ!急げ!逃がさないように囲め!」


あっという間に囲ってしまった。

そしてジリジリと距離を詰める兵士たち。串刺しにして動かないようにして燃やすつもりだろう。


「ア・ア・・マ・マテ・クレ」

突然喋り出した。ゾンビは宿主の意識がなくなるというのが一般の常識なので兵士たちは困惑してしまった。

襲いかかる素振りを見せないゾンビのような何かに兵士たちは一旦様子を見ることにした。


「ア・アア・ア!!」


しかし菌の侵食に負けてしまったのか突然襲いかかってきた彼?に兵士たちは槍を突き刺した。


「ア・ア・アア・・・・」

「すまぬ」

そういうと兵士は動けない彼に火を放った。

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