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彷徨う踊り子

先週はすみません

ワクチンで頭痛がひどく寝たきりでした

時の神 クロノス  


時間を操ることができる上神

過去に遡り望むままに過去の行動を変えることができる。

俺との相性はかなり悪い


残念ながら憑依すると能力がガタ落ちする。過去に移動することはできるが、過去を見ることしかできない。

「今回はそれだけで十分だけどな」



時は200年前

皇国は存在しているが帝国はまだ生まれてすらいない。


この頃の俺は何をしていたのだろうか。海に潜っていたか、山を登っていた気がする。確か50年ほどやり続けていた気がする。


そして俺は踊り子サウニーナを探し始めた。

まだ娯楽の少なかったのだろう。それなりの数のコンクールが開かれていたので片っ端から出演者の中からサウニーナを探し始めた。


「具体的な年月を聞いてくればよかった」

200年前とは聞いていたがピッタリ200年前とは限らない。もしたら201年前かもしれないし180年前かもしれない。

毎日必ずどこかで開かれているコンクールから探していては数十年かかってしまう。


「まぁ、クロノスの力でワープした時間に戻れば大丈夫だけど」


皆が屋外で食べている骨つき肉を眺めながらどうすれば早く見つかるか考えていた。

お腹は減らないけど人が美味しそうにご飯を食べるのを見ているとなんだか食べたくなってくる。もっと人の少ないところに移動しようと人気の少ないところを探している時に思い出した。


「世界各国のお偉いさんが来るって言っていたな」

それなら世界各国の人を集めて開催されるコンクールを探せばいい。そう思って人が家に帰り寝静まり帰った深夜に俺は街のあちこちに貼られている張り紙を一個一個見て回った。


「なになに近くのお店でセールが始まると。他には、食べ放題がやっていると。

 なになにこっちは、・・・行方不明の子供  か」

よく街中を探してみると行方不明の人の張り紙がそれなりの数あった。しかも同一人物ではない。

モンスターは出てくる上治安がいいとは言えないこの時代では仕方がないのだろうか。

「・・・・」

探すことができても他のことが一切できないこの体がもどかしいと思った。



勝手に出て行っても戻ってくるウルが今後も戻ってくるとは限らない。

めんどくさいとか文句を言っているがやる時はやる学園長なら大丈夫だと信じたい。がもっと鍛えておくべきだろうか。



「終わりだ終わり!早くサウニーナとやらを探さないと」

不安はどこまでも増加する。無理やり押さえ込んで別のことを考えるのが一番だと長い人生で学んだことだ。

気持ちを切り替えて踊りのコンクールのポスターを探し始めた。


「踊りにもいろいろあるな。自分で演奏しながら踊るものや奏者が気まぐれで演奏する音楽に合わせて踊る。かぁ」

どれも路上むけだな。こんなところに国の偉い人がくるとは思えない。

行く当てもなく、どうすればいいのかわからなくなった俺は皇国で一番大きな建物『皇城』に向かった。


皇国は教会と王が協力関係になって国を収めている。

その王一族が住んでいるのが皇城。そこで何かコンクールの話でも聞けたらいいなぁと思い侵入した。


王一族が住んでいるだけあってかなり大きい。各部屋を回って聞いていくのもめんどくさいので全ての声を一気に聞き取ることにした。



「ほらポチとってきな。  ガウ!」

「姫さまがポチと呼んでいる猛獣、襲わないのですか?    飼い始めた頃の可愛い子犬の時から一度もないわ」

「大臣様。西のスズ領で飢饉が起きました        可能な限り援助をします。しばらく待ちなさい」

「またあの時期が来たわね     あぁまた大臣たちと打ち合わせをしなければ」


ん?あの時期?もしかしてサウニーナに関係することか?

続きを集中して聴こうとする。


「私も着るドレスを選ばないと。今回は何にしようかしら」

「お前は何を着ても似合っているよ」

「あら、ありがとう」



かーーー。惚気かよ。損したわ。

気を取りなをして他の音を探しているとお目当ての会話が聞こえた。


「ねぇベル。今回はポチを連れて行っても大丈夫かしら?」

「お嬢様それは厳しいかと。」

「なんでよ〜。他の人はペット連れてきていたじゃない!」

(魔獣って呼ばれるポチが見てみたいわ)

「それは・・サウニーナさんが動物苦手だと言っていた気が」

「そうなの!?それならポチはおやすみね。今回もサウニーナとご飯よ!」


どうやら当たりのようだ。詳しく話を聞いてみると数日後に大聖堂近くのホールで演奏会があるらしい。

それにサウニーナが招待されてくるらしい。すごいな



そうとはわかればここには用がないでおさらばした。帰り際にポチとやらを見に行ったが本当に魔獣だった。

小柄な姫様の二倍ほどある体格、傷つけないようにと引っ込めてもなお床を傷つけてしまう爪。ありとあらゆるものを切り裂きそうな牙。

これをペットと言える姫様の感性が不思議だ。




後日話にあった演奏会に訪れた。

皇国の重鎮だけでなく親しい国の重鎮たちも訪れる演奏会だった。

演奏も素晴らしいものだった。


演奏も中盤に差し掛かった頃大きな拍手とともに一人の少女が入ってきた。

きっとこの子がサウニーナだろう。


しかし少女って言ってたから高くても10代前半だと思っていたのだが、18歳は少女なのか?







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