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王都編‐3-

▪▪▪首都 リンカ 西口城門にて▪️▪▪


首都リンカは3つの壁で壁外、下街、中街、上街に分けられている。東西南北全ての門に見張りと有事の際に動くため100人ほどが駐屯していた。

「なぁ、最近駐屯する奴ら増えたな?」

「それもそうだが帝国騎士の連中もいるぞ」

「そうだな。何か起きるかもな」


俺は異神のことを帝王リンカ=アルトに伝えた。彼はすぐに対策を講じ始めた。

もうやることはないと思って壁に座って2日程ぼけっとしていた。ドナドナはお出かけ中だ。



ピシッ

壁から500mくらいの所で空にヒビが入った。


ピシピシ メキッ

空が割れて腕が出てきた。


まずい。まだ壁街には首都に入るために検問待ちしている人がいる。

「まずい!異神が出てきたぞー!!」

俺は壁の上で叫んだ。


駐屯場に待機していた帝国騎士が飛び出てきた。彼らは事情を聞いているのだろう。

数人はすぐに人々を中街に避難するよう指示をし、20人ほどが外に出てきた。


ちょっとしたモンスターの群れなら20人で大丈夫だろうが、相手は異神だ。騎士の他にもギルドの人間が必要だろう。


20人では時間稼ぎが厳しいと感じたので時空魔法で空間の強度を上げた。これで10分くらいは耐えてくれるだろう。



⚔ ⚔ ⚔ ⚔ ⚔


俺は王城を走っていた。

「リヒト様!!王城で走らないでください!!それに危険な場所にも行かないでください!!」

俺は後ろの声を無視して走った。

「うるさい!!俺は戦いたいんだ。だから第二王子リンカ=リヒトの名において命じる。俺を放っとけ!!」

「無理です!わたしは国王様であるアルト様から命じられました!!」

あのオヤジめ!!

だがしかし、俺は行くぞ!!

俺は異神が出たとの情報がある西門に走って行った。



「これが異神か。」

割れた空としか言えない所から黒いなにかが落ちてきている。


初めてみた異神は不気味だった。

身長はほとんど180くらいありそうだが、全身の筋肉がところどころ隆起している。

おまけに顔のような物が全部バラバラの方向に向いている。横を向いていたり、後ろを向いていたり。ひっくり返っているやつもいる。



すでに門の中に入ってきている異神に帝国騎士が4人ずつで対応していた。

異神達をどんどん倒しているパーティーには親父がいた。

「ふははは、いいぞぉ異神ども。戦いがいのある敵は久しぶりだ!!どんどんかかってこい!フハハハ」


俺たちギルドの人間もA等級のパーティーだけが異神と戦っていた。B等級以下は簡単にやられてしまうからだろう。

師匠には1人でも倒せると言われていたが異神の強さは俺とほぼ同等かちょい上だろう。

油断せずに遊撃に回ろうか。



「おい!勝手にだが加勢するぞ」

「すまない、ギルドの者。俺たちが攻撃を防ぐので攻めを頼む」

「あいわかった」

1人を庇いながら戦っていた騎士達の応援に入った。

やはり負傷者が出ていたか。


「よう、はじめましてだな。死ね!」


体を真っ二つにするつもりで斬ったのに、途中で止まってしまった。

「くそ!!」

急いで剣を引き抜き異神の攻撃を避ける。斬られたことが気に食わないのか俺に攻撃を仕掛けてきたが

「させんよ」

「後ろ、もらったで」

「さっきの仕返しだ!!」

防ぐと同時に他のメンバーの攻撃をくらい倒れた。


「助かったぞ少年。では俺たちは次に行く」

「今度はヘマすんなよ!おっさん」

「無論。家に家族がおるのでな」

次はと辺りを見渡してみてわかったが異神ってのは知性がないのか?

人間に襲いかかる個体もあるが大半は同士討ちをしたり、壁や家を破壊している。

同士討ちで猛威を振るっている個体が数体いたが多くの異神に襲われているからしばらくは大丈夫だろう。


しばらくは順調に撃破できていた。



ドゴーーーン

と轟音と共に壁の上半分が吹き飛んだ。

そこにはとんでもない威圧感を放つ異神が浮いていた。他のそんじょそこらとは明らかに格が違う。

そいつが剣のような物を作り出し、一振りした。



なんとなく やばいっ、と思い剣を構えた途端とんでもない見えない斬撃が襲ってきた。

「くっ、なんちゅー威力だ。」

体がビリビリと震える。あんなのどうすんだよ。

飛んできた斬撃だけでこれかよ。

自分たちだけであんな化け物をどうするか考えようとした時だった。



ギャァァァン


けたたましい音と共に黒いフードの誰かが異神に襲い掛かった。

「こいつは任せとけ」

声を変えているが黒フードの持っている剣を知っている。

あれは師匠だ



⚔ ⚔ ⚔ ⚔ ⚔


「あーくそ。元帥級が来るの早すぎるだろ。」

姿がバレないよう黒フードを被り声まで変えてきた。

どの等級にもピンキリで色々いるが、こいつはそこまで強くないが、

「リミッターを外さないのは少しキツいか?」


目立たないように地味な剣にしたため火力が足りない。

「これでも上から5番目くらいにいい剣なんだけどなっ!!」


元帥級が魔法を発動させると辺り一帯とんでもないことになるので魔法を撃たせる前に攻撃する。

それを知ってか、異神も剣もどきで攻撃してくる。

「あー鬱陶しいなっ。さっさと吹っ飛べ!!」

隙を見計らって打った魔法でやつを吹っ飛ばした。

「三ツ首は何してんだ?」

異神が来るとわかっていたのにいつまでも来ない神獣を後でぶん殴ろうと決めた。



「「「ギャーーーーーーーンンン!!」」」

遠くからけたたましい咆哮と共にアジ・ダハーカが遅刻をしてやってきた。

「ギャーーーン(違いますぅ。ヒーローは遅れてやってくる物です。)」

そうか。その遅れのせいで国が一個潰れましたとさ。

「「ギャーーーーーーーーーーーーン(つ、つぶれてないし!今から奴らぶっ潰せば大丈夫だし。)」」


三ツ首の鱗からゆげがたちはじめた。ブレスを吐く時鱗がとんでもない高温に達する。


「「「ギャーーーーーーー」」」

火を司る神獣の火炎だ。その熱は異神などちりも残させない。

三ツ首がブレスを吐きながら吹っ飛んだ元帥級のところまで行ったのでたくさんいた異神はすっかり消えてしまった。

三ツ首が飛び去った後にはブレスで焼けて深く抉れた地面が残っていた。



「もういっかなぁ」

俺はドナドナを探しに行った。


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