表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/73

ナイトデパート   古の秘宝

ザク、ザク、ザク


先ほどからずっと土を踏む音しか聞こえてこない。

誰も何も喋らず、ずっとハンドサインだけで会話している。何がなんなのか俺にはよく分からないが。

今回のような未開の地を探索するときは陣形が決まっているのだろうか?

罠解除を担当する二人が先頭を歩き、そのすぐ後ろを護衛が一人とリーダーが。

そして後団には護衛が食糧を運ぶ一人をぐるっと囲うように移動している。

俺はさらにその後ろだ。


それにしてもすごい数の罠だな。


飛んでくる矢、抜け落ちる床など何個あったことか。

隠れているスイッチを見つけないと先に進めない道や、スイッチで新しくできる道など。

魔素を元にした罠なら見つけられると思うが、原始的な罠に関しては全く分からない。


ひたすらまっすぐ下に伸びていく階段を降りていくと途中で部屋の入り口のようなドアらしきものを発見した。


罠解除係; 手のひらをリーダーに見せる(少し待ってくれ)

リーダー; 手を上げる(了解した。全員止まれ)

      ドアらしきものを指差し、頭を指差す(何か問題でも?)

罠解除係; ドアらしきものを指差し、手を体の前でくねくねさせる(何かがいます)

リーダー; 左腕を前に出しその手首を広げた手で軽く叩く(護衛)


おそらくこんなことを言っているのだろう。リーダーの隣にいた護衛が盾を構えながら罠解除の人と一緒に例の場所に近づいていった。


俺もあらかじめ中の様子を探って、なんの問題もないと思ったので他のグループが今どうなっているのか気配を探ってみた。

玄武はおおよそ同じくらいの深さにいるな。人数も減っていない。

青龍組の所はまだ少し浅いかな?3人ほど減っている。

どちらもしっかり罠を解除できているので、ここにくるまでにやられたのだろう。

今、竜はどこにいるだろうかと魔素を使って探したのだが、


(感づかれたか?)

俺の感知範囲に入った瞬間竜がなにかを感じ取ったのかあたりをキョロキョロ見渡し始めた。

(かなり遠いいから気付かれないと願いたい)

魔素を使って探していることがバレるとまずいので、漂わせた魔素をいきなり無くすのではなく、拡散させるようにしてやめた。


同じくらいの深さにいるはずの玄武と一度も遭遇したことがないが、それは途中で別れ道が何個もあるからだ。どのルートを通るかで行く先も変わるだろう。残念ながらどのルートが正解なのか俺にも分からないが。なので何回も潜って宝を探すらしい。



他の集団の確認を終わらせたと同時にこちらの部屋らしきところの確認も終わったらしい。

中にいたのはやはりマルマジロだった。



マルマジロ

通称 死なない屍

自身の体を丸く固めることで永遠にどんな環境でも生き続けられる。

学者達の間では生き続けているのかそれとも死んでいないだけなのか。あとどうやって起こすのかで議論が起きる。



マルマジロは何かしたから起きるなどと言う魔物ではないので気にしないでいいと言われている。

そしてこの部屋は安全だと確認し終わったためここで少し休憩することとなった。


そこで睡眠と食事をとり少しの間会話をした。

そこで守るべき優先順位を教えられた。


まずは食糧を運んでいる人が最優先らしい。生命線である食糧を失うのは全滅を意味するからな。

そしてそれを運ぶ人はすでに10回以上生きて帰ってきているベテランがするらしい。

次に罠を解除できるもの。単純にその素質がある者が少ないし鍛えるのも大変だから。

そしてリーダー。

ただ自分の身くらい自分で守れないとリーダーの資格はないと言われている。



「お前ら、そろそろ出発するぞ」

「はい。」

「なんかよぉ、せっかくボスが自ら呼ぶほどの護衛がいるからちょっと強めの魔物の素材とかも取れたら儲けなんだけどなぁ」

「それはそうだが、これは何年放置されていた?その年月を生きていたんだったらちょっと強いじゃ収まらないさ」

「それもそうだな。そもそもこんなところに生きている魔物なんてこれくらいだろ」


そう言ってマルマジロを指さした。


「違いねぇ。今回は一発で見つかるといいな」

「あぁ。んで酒が飲みたい」

「俺もだ」


「話は済んだか?行くぞ」


そうして一団は静かにその場から消えていった






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ