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帝都 再来 ‐5‐

日曜に更新出来なくてごめんなさい。途中で寝てしまいました

▪️▪️▪️帝都にて▪️▪️▪️


「それじゃウル。学園でも頑張ってな」

「うん」


俺はウルと話していた。

帝都に戻ってから3年がたっていた。

ウルはもう8歳だ。


「いいかこの道をまっすぐ行くと一回だけふたつに分かれるところがある。そこを左な。それ以外は全部真っ直ぐだ」

「うん」

「相棒も頼んだぞ」

「ブルルル(任せてください)」


俺はこれで3回目になる道のりの確認をした。


「師匠、ほんとに一人で行かせるのですか?あの学園都市エルネーヨの周りの森、魔獣出ますよ?」


リヒトはなんでそんな心配をしているんだ?

「そんな森から出てくる程度ならなんの問題もない。そもそもウルとリウスが元気すぎるから、そこそこ良さげな魔獣を持ってきてたんだが、そっちの方がずっと強いぞ?」

「え?それじゃときどき凄まじく汚れてたのって師匠のせいっすか?」

俺のせいではないと思うが。


「まぁ、一人で学園に行くんだ。安全に越したことはないだろ」

「たしかに安全なのは嬉しいんですがどれくらい安全なんですかね?素手でクマを倒すくらいですか?」

「・・・・」

「マジかぁ。」


ま、まぁ二人で協力して俺が連れてきた魔獣をおいはらえた程度だから大丈夫だろう。


「それで連れてきた魔獣は?」

「ゴブリンキング」

「それB級の冒険者がパーティー組んでなんとか倒すやつですよ?」

「帝国騎士なら一人でなんとかする、から問題ないかなぁと」


まぁとにかく、ウルはエルネーヨに道を間違えずに着くのかどうかが心配だ。

「ウルも相棒も頑張ってな」

「うん」「ブルルル(ご心配なく)」


二人とも自信満々だ。ウルはともかくドナドナは俺とずっと一緒に旅していたからな。今更旅の心配をするのも変か。

二人を信じることが俺のできることだろう。


「それじゃこれが荷物だ」

中には洋服などが少し。あとは訓練でよく使っていた籠手が入っている。あとナイフが数本。

これに保存食と水を溜めておける魔法具。

サバイバルはこれでバッチリ。


少し大きいくらいの鞄だ。


「パパ、行ってくる」

「おう、行ってこい」


そういてウルは鞄を背負ってウルにまたがり走っていった。



「あれ、止まっちゃいましたよ?どうしたんですかね?」

ちょっと進むとウルはドナドナを止めてしまった。

何か言い忘れたことでもあるのだろうか。


と、思っていたらウルは鞄を背負うのをやめてドナドナにくくりつけた。

そして降りて走っていった。ドナドナの先頭を。


「振り返って何か言うもんかと思ってました」

「体が重くなるのが嫌だったんだろう。ウルらしい」


そうして俺とリヒトはドナドナと共に走っていくウルを見届けた。



——————数日後


俺は10年くらい前に約束したエルフのお母さんのところに向かった。

場所は下街だけどそこそこ中街に近い場所だ。



「失礼します。香炭を持ってきました」

家の中にはエルフのお母さんとそお相手である30代の男の人間が暮らしていた。

エルフのお母さんはもうすぐ出産なのかここ数年ずっと寝たきりらしい。


「ごめんなさいね。せっかくきていただいたのに私がねころんでしまって」

「お気になさらず。もうすぐ産まれる赤ちゃんのためにもゆっくりしていてください」


香炭を作るからと言って俺は部屋を一室借りた。


実は香炭を作るのにあたって必要なことがある。

神力を香炭に込めることだ。

神力を香炭にこめることでほんの少しばかり神々の加護を得られる。


数が少ない、神力を扱える人の中で大部分は神石から神力を持ってきている。


神石

神に授けられた物の一つ。 神の力の残滓が残っている。

神力が多く含まれていて極僅かの人はその神石から神力を譲り受け扱うことができる。

皇国の聖女が使えると言うことは有名



俺は神石がなくても神力を扱えるがそんなことはしない。


世界樹の幹というのは何故か神力を含んでいる。

なのでエルフの伝統として、燃やす世界樹の幹から神力を捻り出してまた入れるのだ。 


一見意味のない行為に見えるが、ただただそこにあるだけの神力と願いの込められた神力とでは全然変わってくる。



「それじゃ、早速」

俺は世界樹の枝を燃やしながら、神力をかき集め願いを込め始めた。


産まれてくる新たな命に  大いなる感謝を

             大いなる健康を

             大いなる加護を

             大いなる慈愛を

             大いなる幸福を




(新たなる命にわたくしからも少しばかりの慈愛を送りしますわ。   慈愛の女神の名の下に)



俺の祈りは赤ちゃんが産まれたと俺が呼ばれるまで続いた。


世界樹の幹は決して燃え尽きて無くなることなどない。


             

             








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