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凍てつく大地-5-

■■■凍てつく大地 中央部にて■■■


憑依(ポゼッション)

俺が使える中で一番やばいものだ

神を自らの体に宿し神の力を一部使うことができる。

わかりやすいチートだな。

ただ一部しか使えないことと相性によって少ししか使えないとかもあるが



陽炎神(プロメテウス)火の神。なかなか厄介だな」

「これでお前の氷は怖くないし、お前のスピードにも追いつくぜ」



ヒュドラが試しにと放った凍てつく咆哮(フリーズノヴァ)は俺に届く前に溶けきってしまった。

「今の俺の体は所々から炎が出ていだろ?陽炎神の炎だ。もう氷技は効かないと思うぞ?」

「そのようだ。しかしこの氷ならどうだ?」


そう言って自分の腕に纏わせた氷で襲いかかってきた。

先程までは目に追えていなかったが、今はしっかりついていける。

先程から俺の周りを高速で動いているヒュドラを目に追いながらそのことを実感していた。


「ほぉ。どうやら私のスピードでは目に追えるのか。」

「あぁ。あと追いつくぞ?」


一気に急接近して神の炎を纏った一撃を放った。

今までのスピード感で戦っていたヒュドラが対応しきれず、お腹に強力な一撃を受けた。

その威力で遠くまで吹き飛んでいくかと思われたがさすがは神獣、足を地につけ勢いを殺した。

その跡はくっきりと10メートルほど続いた。


「ぬぅ!  どうやらさっきまでとは全くの別物のようだ。これなら私の全部をぶつけても大丈夫そうだ。

途中でくたばってくれるなよ?」


そう言ってヒュドラの後ろに巨大な氷の塊ができた。

先程のノヴァよりもはるかに凝縮された氷だ。

いくら陽炎神の炎といえど、中途半端なものでは溶かせないだろう。


「あぁ。安心しろ。俺はお前の方が心配だぜ?」


俺も後ろに巨大な炎を作り出した。

凄まじい温度で、降っている氷の雲ごと溶かす強さだ。


「「行くぞ!」」


巨大な氷と炎がぶつかりあった。




その日、凍てつく大地に住んでいる人は初めて雲が晴れて青い空を見たと言う。





■■■凍てつく大地中央部 激闘後■■■

「あ〜疲れた。しばらくは動けん。」

(我もだ。魔素がすっかりなくなってしまった。)

激しい激戦の末、凍っていた木々はすっかり燃えて焦げ付きたものや更に氷が分厚くなったものなどと悲惨な状態になっているところで俺たちは寝転がっていた。


「空、綺麗だなぁ〜」

「キュロロロ(青い空を見たのはいつぶりだろうか)」

魔素が全部なくなってしまったヒュドラは神化が解けて普通の龍の姿で寝転がっている。


「いやぁ〜それにしても強かったな!まさか転移より早く動けるとは思わなんだ。」

1度接近戦に夢中になりすぎて、魔法に全く気づかなかった時があった。

ギリギリで気づいて回避しようとして転移したのだが、ヒュドラがそれよりも早く移動してきてびっくりしてしまった。

魔法は避けれたものの脚による一撃をもらってしまった。


「キュロロロ(我もあの氷が砕けるとは思っていなかった。)」

あの氷とはヒュドラが戦っている最中に鎧のように纏わせた氷のことだ。

お互いのパンチがぶつかって押し合いになった時があった。あまりの冷たさに炎ごと凍るかと思ったが、力技で粉砕した。



「いやぁ〜疲れた疲れた。このまま寝そうだ」

「キュロロロ(そうだな。我も巣に戻らずここで休む)」

「あぁ。そうしよう。んじゃおやす・・・



ピシッ!


え?


「グロォォォォ(起きろ!異神が来るぞ!!)」

「まじか!?お前!けど魔素がないだろ!?どうするんだ!!」

「キュロロロ(どうもこうもない。異神から世界を守る。それが神獣の努めだ)」

「お前はとりあえず、魔素の回復に努めろ!俺が時間を稼ぐ!」


普段だったら例え魔素がなくなっていようとも異神が現れた程度では動揺しない。しかし今回はやばい。



まず、サイズがおかしい。

空がボッカりと空いているのにまだ異神の姿が見えない。

龍姿のヒュドラの10倍くらいの穴はあるぞ?

しかもまだ姿が見えていないのにとんでもない威圧感がビンビン来る。


「ここまでのやつはほとんどいないぞ??運が無さすぎだろ!」

「キュロロロ(憑依はできるか?)」

「すまんが今そんな力が残っていない。」

素の力で何とかするしかない。


「とりあえずお前は魔素の回復をしていろ!俺がなんとかする!」

「キュロロロ(すまない。しばらく粘っていてくれ。それと南と東には被害が及ばないようにしてくれ。守らねばならないもの達がいる)」

「南と東だな?任せろ!」


とりあえずヒュドラを遠くに移動させて魔素で空間を固めようとしたが、


「こいつ強すぎだろ。全く効いていないってのはどういう事だ?」

影響がまるで出てないかのように空を破られた。


「=▼・【】ゞ■□Ⅹ◕æ!!!!」

全長100メートルはあるであろう巨大な異神が姿を見せた。



「あいつにはあぁ言ったものの、今の俺じゃどうしようもできんぞ。しかし、やるしかないか」

南に背を向け巨大な異神と向かい合った。

とんでもない威圧感だ。これを1人ではほとんど不可能だろう。


「とりあえず、オラァァァ!!!!」


勢いよく地面を蹴り顔面を殴ろうと跳んだ。それに気がついた異神も殴りかかってきた。

魔素はなくとも力勝負ならなんとかなると思い異神の拳ごとそのまま殴り飛ばそうと思った。


しかし、

「ふん!ってまじか!?」

あっさりと力負けしてしまいそのまま地面に叩きつけられてしまった。


「いてて。ってまずい。潰されるわ。」

あの巨体からは信じられないほどのスピードで拳が振りかぶられ地面に潰される。と思った時だった。


(止めなさい)

突然拳の動きが止まった。

(間に合いました。急いでアストラとヒュドラの手当を。)

(了解しました。クイーン)

(それとあのデカブツの動きを止めなさい)

(了解しました。クイーン)


そこには糸を出して拳を止めた4匹の大きな蜘蛛とそれに指示を出す白い蜘蛛。


「助かったぞ。女王蜘蛛(クイーン)

(構いません。お礼はあのデカブツを倒してからです。)


女王蜘蛛(クイーン)の合図と共に4匹だけではなく更に10匹程の巨大な蜘蛛が糸をだし、異神の動きを止めた。



随分遅い時間になってしまった。


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