海の街 キューストン-4-
▪️▪️▪️海の街 キューストンにて▪️▪️▪️
なぜか多くの人だかりの中でハーモニカを吹いていたドナドナを引き取ったのが昨日のはなし。
どうやら草が合わないらしい。代わりに魚を食べてみると言い出した。
まぁ別に構わないが。
「それと、相棒。今日は海底神殿に行くぞ。お前も来るか?」
「ブルルル(海底?海の中で何するんです?)」
「少しお店でも開こうかと思ってね。あそこには冒険者が来るだろうし。あったかい飯と空気に触れられるのはいいと思うんだ。」
「ブルルル(なら私はのんびりとってきた魚を食べています。)」
「ああ 頼むぜ、相棒」
海底神殿
それは海の中に沈んだ神殿のことだ。神殿とは言っても正しくは都市全体が海の中の洞窟に沈んでいる。
ただ、街の中央の神殿が目立つから海底神殿と呼ばれるようになった。
そこにモンスターが住み着き始めたから『ダンジョン』として扱われるようになった。
そして魔物の素材や見たことのない生き物を探しに冒険者がやってくる。
今回は冒険者相手に商売だな。
▪️▪️▪️海の街 キューストン 海底神殿にて▪️▪️▪️
今回は海の中なのでまず、空気をためられる空間を作らないといけなかった。
「まぁ、土魔法で大きめに括ればいいか。そしてたまった水と外の空気を入れ替えてと。
最後に空気が逃げないように空間を固定と。」
これで魔法なしでも空気が吸える。
そしてアイテムBOXからドナドナとその他色々を取り出す。
「ヒヒーン(もうついたのですか?アイテムBOXはやっぱり不思議な感じです。さて早く魚を食べてみたいです。)」
「はいはい。今から準備しますよ。」
俺はさっそくホコガイを取り出した。やっぱりでかい。
二人?で食べ切れるか?
まぁ気にしたところでどうしようもないので、調理を始めた。
やっぱりホコガイは焼くにかぎる。でかいから相応の大きさじゃないといけないが。
ホコガイがグツグツと音をたててから少し時間が経ってから火を消す。
そして別のところで温めていた魔牛のチーズをとろーりとかければ完成。
簡単だな。
ドナドナ用の皿に切り分けて、俺の分も切り分けて食べようと思った時だった。
「おいおい、こんなところで空気が吸えるぞ。」
「あー、空気だー。うめー。」
「水から抜けれた。髪を乾かしたいわ。」
二人の男と一人の女性がきた。
「いらっしゃい。暖かいご飯はいかがですか?」
—————少したった頃——————
「あー。あったけー。それにホコガイうめー。」
「リーダー、こっちの魚もうまいっすよ!」
「ほんとね。それとタオルありがとうね。」
冒険者3人はホコガイに舌鼓をうっていた。
俺も一緒に食べていたが、うまいな。
ずっと冷たい海に潜っていたからさらに美味しいだろう。
「帰る途中に見たことないもんができてたから、怪しんで入ってきたが、まさかこんな物を作っていたとは。」
「ていうか、これらの道具全部アイテムBOXに入れてきたんすか?おおきいっすね。俺たちに配られたのなんでこのでっかいテーブル2個入るかどうかっすよ?」
そう言って6人がけのテーブルをバシバシ男が叩いて言った。
「やめときなさい。壊したらどうするの?」
パーティーで唯一の女性が嗜めていた。
なんか妖艶だな。普通の魔法使いの服着てるのに。
あれか。あの体のラインがわかりづらい魔法使いの服でも存在感を放っている胸のせいか?
一瞬そんなアホなことも考えたが、お客に対して失礼なのですぐ思考を切り替えた。
「本日はダンジョンで何をなさっていたのですか?」
チラッと装備を見た感じかなり金を使っていることがわかる。
何か欲しいものがあれば買い取ってくれるだろう。例えば道具が壊れたとか。
そう思って俺は話しかけた。
後書き設定
アイテムBOX
なんでも入れられます。相手に抵抗の意思がないと生き物でも入れられます。
そしてギルドでも冒険者にアイテムBOXを渡されます。依頼の物を詰める用です。
BOXとか言っているけど巾着みたいなやつです。