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71: 振り回した傘で膝カックン

『ターゲット、補給倉付近へ移動。補給・回復部隊と精密射撃部隊は注意と密な報連相を意識してください。』

了解。

私たちの方に来たわね。


「千花さん、どうします?」


2Dのメンバーが聞いてくる。

わざわざ聞くようなことではないと分かっているとは思うけれど、彼女の顔は強張っている。


いざ無線越しに無機質に報告されるとビビってしまうわよね。

仕方ないよ。

でも、戦闘部隊のみんなと同じように、私たちも訓練を積んできたし、何より私のように補助系の魔法がメインだけど戦闘対応が可能なメンバーもいる。

現に私の場合は、戦闘部隊のみんなの訓練に混ざって活躍できたわけだし。

なにより、ここには射撃部の皆さんをメインとした精密射撃部隊を含めた護衛の皆もいる。


「落ち着いて緊急時の対応をしましょう。戦闘は私たちに任せて。何かあったら無線、忘れないで。」

「了解です!」


パンパンと射撃が行われている音が聞こえる。

そして、先ほどのようなマナの圧や、その予兆もない。


でも、油断できない、というより出きるわけない。

私を含めた2Aの皆なら、どんなにタイミングが悪くても最低1回はG-級魔法での身体修復を目の前で見ている。

それに、仄葉ちゃんは色んな種類の大会やらコンテストやらに出ていたし、大抵のクラスメイトは魔法使いかどうか関係なく観たことがある。

かくいう私も観たことがある。

特に、対人補助魔法で相手を翻弄する姿はまさに“魔女”。

かっこよくて、美しい。

元々得意な妨害魔法に合わせて、G-級の攻撃があるかもしれないと考えると、気づいたときには死んでいるかもしれないし、動けなくなったり閉じ込められているかもしれない。


ガシャンでは済まない大きな崩落音で逡巡から覚める。


『北Aエリアに対物魔法が実行されたのか一時倒壊!魔導機が反応して自動修復が始まっています。一部メンバーは修復に向かってください。』


そう、こんな感じで急に、大きな変化が訪れるとパニックになりがち。

一部のメンバーの行動に焦りやパニックが表れている。


『皆落ち着いて!!倒壊したわけじゃない!ここは物理魔法で建てられているのよ!冷静に自分のことをやって!』


補助系部隊高等部統括の3Aの先輩から冷静な無線。

私は北Aの点対称な位置に居るから、今はより仄葉ちゃんを目視して、補給倉とメンバーを守るために戦いに行かなければ。


とりあえず、補給倉の外に出たい。

攻撃の音は味方の銃声のみ。

仄葉ちゃんからの攻撃音は聞こえないし、補給倉の中で悲鳴が響き渡っているわけでもない。

様子見の行動だったみたい。


(あんまり私たちを舐めてると、戦闘部隊でもない私たちが仄葉ちゃんのこと捕らえちゃうかもね?)


なんて、気を紛らわせるために小言を思いながら補給倉の外に出る。

廉谷さんももう既に居る。


「あ、剣崎さん、来たね。宮椋さん、なんか静かにしてるから、今のうちにワンパン食らわせられないかな。銃撃部隊のみんな曰く、銃弾のヒット率はかなり高いのに痛そうにする様子とか、煙たがる様子もないらしいから高火力な感じで行きたいんだけど。」


(!?と、とっても好戦的。合気道って基本相手任せで積極的に攻撃しない武道だよね?本人は好戦的な性格なんだ・・・。よくそれで全国大会行けるよね。性格って武道とかより影響がありそうだけど、それだけセンスが高いのかな。)


「う、うん、いいけど、あんな高高度にいる仄葉ちゃんにどうやって私たちの力で攻撃を届けるの?」

「全力で力を振るう、それだけ。」


(の、脳筋だぁぁぁ。まあ、なんとなく予想してたけど。)


それなら、異能由来の魔法を使える廉谷さんより私の方が早めにアクションをしないといい感じの攻撃にならない。



「うん、分かった。じゃあ、私が先に打つから、廉谷さんはいい感じのタイミングで仄葉ちゃんを挟む感じでお願いするね。」

「いいよ。」


ほとんどの魔法が抽象魔法で強化できるのに対して、物理魔法はより具体的にイメージを構築しないと強化できない。

1kmほどの巨大な物質を高速高火力で的確に生成する。

イメージのベースは西洋剣。

質量でノックアウトを取れたらおいしいけど。


仄葉ちゃんは、すらっと避けるけれど、仄葉ちゃんの逃げた先に後から攻撃をした廉谷さんの鉱物でできた柱がアッパーパンチをする形で生成される。


すこし仄葉ちゃんがよろめいた様に見える。

多少の効果はあったみたい。

そのままうずくまってくれていれば、剣を折って地面に押し付けられそう。

西洋剣の根元の一部の物理魔法を霧散させて、仄葉ちゃん側に倒す。


流石に初速が遅すぎて避けられてしまったけど、有効打を初めて与えられたんじゃないだろうか。

地面に巨大西洋剣がたどり着く前に、すべての物理魔法を霧散させる。

LM部隊とか重機部隊とかの攻撃が無効化されている様子ははっきり見えていたし、そんな強敵仄葉ちゃんに一撃入れたのが私たちというのは嬉しい。

束の間。


  バァン


と大きな音が。

振り返ると、東エリアの方面で火の手が上がってる。

東エリアは重機や銃器のための弾とか備品が多い。

場所によっては誘爆もあり得る!!


「ヤバい!」


思わず声が出る。

そこが欠落すると今後の展開は大きく不利になる可能性がある。


『補給倉、弾薬庫周辺に爆撃を受けました!至急、消火処理など対応をお願いします!』


全体無線に一報。

色んな都合でこの補給倉はそれなりの広さがある。

おおよそ300m×100m。

爆破された位置と現在地の距離はほぼ300m。

私の脚だと60秒。

それまでに真由紀ちゃんとかの上位の水魔法使いの誰かが間に合ってくれたらいいんだけど。

戦闘の主要部隊はいろんなところに分散しているから間に合わないかもしれない。

私の脚、耐えてくれ・・・

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