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「なあ、“発生”の。」

「その様な呼び方、やめましょう。我々、この宇宙で“根元九柱”として崇められている存在とはいえ、祖神の子としてそれぞれの役割を果たしただけの老害に過ぎません。我々を指す言葉でもある過去の栄光で呼び合うのも悲しくなりません?あなたはそれで言えば“排他”の、になります。まるでドゥレッヒ・フナゥル・ヴァルドが外部との関わりを持とうとしない悲しいやつみたいになりますよ。」

「まあ、そうだな。では、ヴォルテックス・シアム・ミリア、聞くが、我々はもうこの宇宙を創造したことでとうの昔にお役御免になっているわけだが、このまま、消えることもなくずっとただ居るだけというのも悲しくはないか?」

「なんですか、突然。そんな感情的な・・・、え、感情?」

「やっと、気づいたか。我々は無機的な存在の筈だった。いつからこうなったかはわからない。前のヴォルテックス・シアム・ミリアなら“発生の”と言われても自分を指す識別子としてしか処理せず、呼び掛けに何も抵抗なく応じていただろう。何か強大な力が我々に及んでいる。少なくとも我々兄妹姉弟の中に、感情を司る子は居ないから、兄妹姉弟を疑う必要はない。しかし、我々の子達“実要十三柱”には“不安定”を司る子、ティン・ヴァクヴァイ・ライプナッツが居る。この“不安定”に“感情”が含まれているわけだが。だから、ティン・ヴァクヴァイ・ライプナッツが反旗を翻したか暴走しているかのどちらかが起きているのは確実だ。」

「ドゥレッヒ・フナゥル・ヴァルドはいつこのことに?」

「2文化前辺りからか。下界を覗いている時に気づいた。」

「下界を覗いた?!」

「あ、ああ。?!」

「そうです、それは我々に定義されていないはずの行動です。下界に対して行動をするのは、実要十三柱の役目。こういったことは“定義の”ズング・インサム・メシオだけは知っているはず。だから、ズング・インサム・メシオの反乱か、そうでないとしたら祖神様の御心。

しかし、後者であれば祖神様から何か言伝ての一つくらいあっても良さそうなものです。

何もないというのがあまりにも不自然。

そもそも、我々がこのように直接的に話していたり思考したりするといった現界的な主体性のある行動も本来のあり方から大きく反れたもの。

我々の本質は基盤。

意思を持つ持たないの話ではない。」


「そう考えると、誰が反乱を起こしたとかではなく、外因的な事象の可能性の方が高いと考えます。

ドゥレッヒ・フナゥル・ヴァルドは先ほど、我々根元九柱に対してのみ強大な力があるようなことを言っていましたが、我々の認知できないより高次元な概念からの働き掛けの可能性だってあります。

我々のような宇宙規模の根元のような高次元ですら把握できなかったり、次元的に認識できてないことはいくらでもあり得ますから。」


「それか、元からこのような変化が出るように定義されている可能性もあります。

前後関係、現状を踏まえると、この説がもっとも強いですかね。

しかし、どのような存在が働きかけていたり、我々の定義が変化ありきのものだったりしても、世界の基盤に近い我々が変動的であることは、その基盤の上に居る存在がさらに変動的で不安定になることと同義。

これは、もっと大きな視点から考えると、他の世界・宇宙に対して影響を与える可能性のある現象のはず。

何をもってしてこのようなことになっているのか。」


「ドゥレッヒ・フナゥル・ヴァルド、なぜ何も語らなくなったのですか?」

「 が  さ て、動 な 」

「なんと?」


「!?急に何を!?神同士の接触がどれだけ危ないことか分かって!?っ!!??」


「か、欠けた、欠けました。自を成す一部分が。()()()()。早く祖神様に報告しないと。この世界の出力が低減。より上位の存在に伝えてもらわなければ。」

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