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63: チート de チート

問題の近距離戦。

救助戦の時には基本しないと思うが、全くないとは言い切れない。

何があるかわからないから。

自由度が高いとはいえ、中長距離の戦闘が主になる。


目前に迫っている戦闘のために近距離武器を生成しよう。

ここにも大きな問題がある。

私自身は体力も筋力もなく剣や刀を振り回すことが出来ない。

銃を短時間制御できる程度。

完全に戦闘用の諸々が肉体的にも理論的にも足りていない。

救助団での座学も受けてはいるが、それで全員が全員戦闘のスペシャリストになれるかというと、そんなわけはない。

そうであって欲しかったが。

じゃあそんな私がどう近距離戦をするのかというと、もちろん生成するしかない。


今なお前線で湧かし続けている雑魚兵とは格が異なるヤツを。

触れられるだけで変形/破壊する能力がある以上、用意してあるものではすぐに負けてしまう。

いまここで想造する。

ロボットだと機動力に欠けるから装置的なものがいい。

まず最低限、納嵜くん対策の多層な外郭。

変形・破壊という強力な能力だが、異能由来の制約は消えておらず、1秒間に1回のみ使える。

制約というにはあまりにも弱い制約だが、高速回転させれば、頻度の暴力で脳筋解決できる。

高頻度の攻撃をすべて変形・破壊することはできないはずだ。

お互いの手の内を知っているからこの機構は必要と思ったが、実戦でも役には立つだろう。


攻撃面はウニのようなトゲトゲ。

トゲトゲはひとつひとつが剣だったりハンマーだったりしたらいい。

楼駕くんの鉱物がどこまでの硬度のものかわからないが、何とかなる気がする。


自分が外に居たらなにかしらの方法でノックアウトさせられる可能性はぬぐえない。

近接武器を作るつもりだったが、搭乗部分も作って乗り物にしてしまおう。

ジャイロ的な機構を応用すれば、本体が回転していても搭乗部分が回転しないようにできる。


名付けて、自転機装独楽アームドオートスピナー


これを生成。

乗って、わずかな血を犠牲に自転に必要な回転エネルギーを与える。


「だいぶ全力を出しているみたいだね。その乗り物でコールは聞こえるのかい?」


博士からの無線。

シュニーに聴覚強化はしてもらってはいるが、これの回転音がうるさいのでむしろ消したい。


「あ、聞こえないのでどうにかします。」

「そうしてくれ。そんな大層な力じゃほとんどのメンバーが本当に傷つき兼ねない。」

「あとシュニー、聴覚強化、解除お願い。」

『はいよー』


独楽の軸の部分にコンデンサーマイクのような集音器とついでにスピーカーも、これまたジャイロ的な機構で取り付ける。

自走はできないから回転し始めたら待つしかない。

小型ドローンから送られてくる映像には、諦めが伝わってくるような姿勢の近距離戦組が映っている。


一応何かできないのか試そうとしている仕草をしている。

廉谷さんが鉱物を大量に纏って、これにパンチ。

ガシャンと揺れるが、おもちゃの独楽のように斜めになりながら移動するようなこともなく立ち直り、鉱物も粉々にできた。


「渦井さーん、これはちょっとずるいよーっ!!!ギブだよ!ギブ!!!」


廉谷さんからのコール。

やっぱり、流石に、か。


「そぅだ、そぅだ!!まあ、能力的に渦井さんと直接相見えるとは思っていなかっだだが、これはあんまりじゃねぇだか?」


平津くんからも本日2度目のクレーム。

そんなことを言いつつも、平津くんはこれに本気のタックルをしてきた。

ドンと鈍い音がするが、これの自転が収まるはずもなく、そして、ドローンは吹っ飛ばされる平津くんをとらえている。


「ギブアップだ」「ギブっす」「これは流石に諦めるしかないねぇ」


近距離戦勢の男子陣から三者三様のコールを貰う。

なんか申し訳ないのでスピーカー越しでも謝っておこう。


「なんかごめんね、でも、素の私だったら敵わないから!」

「謝る必要はないよ!その力の本気がどれくらい頼りになるか分かったからね!頑張れ、魔法少女ミリア」


数ヶ月ぶりににそれ言われた。

納嵜くん、調子よすぎ。

ギブアップのコールをしてるっていうのに。

応援してるんだか茶化してるんだかわからないけど、頑張らない筋合いはないから応援してると受け取ろう。


カメラをよく見てみると、巫禾々ちゃんの魔物の耳が長すぎるウサギが腹を上にして降伏のポーズをとっているし、太くて短いヘビも太くて短い舌をペロッと出したまま間延びしていて、多分戦意がないことを示している気がする。


伊達に、博士から大トリを任されてない。

自分で言うことではないが、やはり、この能力はそれだけ期待値が高い。


さて、あとは遠距離組。

仁奈ちゃん、仁奈ちゃんの後輩、巫禾々ちゃん、天瞳さん、2B女子、仄葉に片思いの1年の魔法使い男子。

オドが疲弊しきってなければ風紀委員長も残っているだろうけれど。

あとは、魔物の人の2倍のサイズのクモ、人が乗れるくらいのオオカミ、人の肩に乗るくらいのマンタ。

一番の脅威の天童さんを除けば、おそらく苦労せずノックアウトできると思う。

ここまで10分。

あと20分も残っている。

このままサクッと終わらせたい。

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