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「すごいっすね、この刀。」

「だろう。かの鍛冶国家の王女様が直々に打たれたという名刀だからな。俺の実力を見込んで一振り半額でいただけるとのことだったから喜んで買わせて貰ったよ。当時の貯金のほとんどが消えたがな!!いやしかし、最初は扱いが難しかったが、慣れたら竜のように強い。今の俺の肩書であるドラゴンアサシンを貰えたのも彼女のおかげだ。」

「王女様を彼女って!」

「いや、違う。」

「え?」

「この刀のことだ。」

「は?」

「この刀、会話できるんだ。良く、道具は使い手を選ぶというだろう?それに似たようなものだ。たぶん。まあ、今のところちゃんと会話できたのは俺と王女様と王妃殿下だけの様だがな。」

「はぇ~、そうなんすね。」

「会話といっても、言語を使えるわけではない。」

「ならどうやって?」

「意志を持っているみたいに、俺の振りとかに合わせてなにか熱のようなものを送ってくるんだよ。タイミングとかをうまく掴むのを手伝ってくれたり、俺の心が高ぶりすぎていると、逆に冷たくなったり。あとは、俺が気づいてない方向から敵が来てたりする時はピリッとする。そういった感じで、俺を助けてくれるんだよ。だから、人対モノ、という関係ではないと思うんだよな。」

「なるほどっすね。でも、彼女ってわざわざいうってことは、女性っぽさがどこかにあるってことっすよね。それは何から感じたんです?」

「俺自身はまだ目の当たりにしていないんだが、王女様が言うには、綺麗な植物を近くに感じた時にとても熱くなるんだそうだ。触れないほどではないが、モノが自発的に獲得できる熱量ではないらしい。王女様から買ったときに女性の様に丁寧に扱って欲しいと言っていたのもあって、もうこの刀は俺の彼女である、とそう思うようにしているんだ。」

「はぇ~、そうなんすね。じゃあ人切りとかあまりやらない感じですか?」

「そこは特に気にしていないな。本質が刀だから、戦闘時は適切に会話してくれる。そもそも人を切るなんて、俺の場合は盗賊か山賊しかいないから、というのも有るかもな。悪意を持って、一般人を切ろうものならなにか違う反応もあるかもしれんが、わざわざそんなことをするつもりもないな。」

「はぇ~、そうなんすね。立派っすね!俺なら実験してみたくなっちゃいますね。」

「やめろばか。というより、この刀が男だろうが女だろうが性別がなかろうが、王女様に売ってもらったものを積極的に人切りに使うって、相当頭のネジが外れたやつだぞ。不敬だ不敬。」

「それもそうっすね。まあ、おれはバカなんで、間違っちゃないっすね!」

「自信を持つところじゃないんだよなぁ、そこは。」


「あれ?」


「どうしたっすか?」


「刀が鞘から無くなった…」


「は?」


「おめぇ、まさか盗んだか!?」

「いや意味が分からないっす!!!仮に俺が盗人だとしても、こんな野原で逃げもせず、突っ立ってるやつは盗人じゃないでしょう!?俺が妖術でも使う人間なら可能性はあるんすが、そんなことがないのは知ってるっすよね!?疑わしいなら、今ここで全裸になって何も盗ってないことを証明するっすが!?」

「、、、すまない、そ、そうだよな。。。じゃあ、なんで消えたんだ?」

「ゴホッゴホッ、、そ、それこそ本当の妖術使いじゃないっすか?それか、神隠し的な何かが起きたとかじゃないっすか?」

「神隠し、か。よく考えたら、仮に妖術を使ったとしても、鞘から綺麗に抜いて刀だけを盗むのは相当意味が分からない。確かに、人ができることじゃないな。本当に、神隠しかよ。ふざけんな!この糞神が!!!」


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