41: 表も裏もありません
お久しぶりです。。。
(やっぱり急に運動するのは良くない)
俺はそんな風に思いながら、リフレッシュされた脳みそで6・7月で得られたデータや資料を纏める。
いや、しかし、それにしたって、やはり、1年ぶりの運動に耐えきれなかった腰が悲鳴を上げた結果その場で動けなくなってしまった。
たまたま、周りの客の中にいた医療魔法に優れた方に直してもらってなかったら俺は家に帰ることすらできなかっただろう。
家に帰った後も少し良くない空気を纏う事になった。
理由の一つは鍵を開けても誰も居ないこと。
それ自体はもう慣れた。
かれこれ4年程度一人で生活してきたから、特に寂しいと思ったわけではない。
4年間一人で暮らしていたと言っても、仄葉の事は常に気にしていたし、“離れている”という感覚もなかった。
同じ町には居た訳だし、信頼できる人たちの娘とシェアハウスをしていただけだ。
(いや、「していただけ」ではないか。俺は、仄葉達に許可なく実験をしたな。)
いずれにしても、寂しさはなかった。
研究室のメンバーとも苦楽を共にしてきたから、寂しさを感じる間はなかった。
しかし、埃・塵が積もるのに1ヶ月は十分な時間だった。
それがもう一つの理由だ。
もう、玄関から風呂場まで真っ黒まではいかないが、とても人が住むような空間でないことは確かだった。
玄関で分かるあまりの汚さと臭さに30分くらい呆然としていたような気がする。
その後、魔法でささっと掃除を済ませ、魔法を使った疲労感でソファに座ったと思ったら、いつの間にか寝ていて目が覚めたのは20:00だった。
近くのコンビニでささっとパスタの弁当と安っちぃワインと菓子やらおつまみやらを買って帰った。
その後は一人晩餐。
適当なバラエティーを見ながら馬鹿笑いし、笑って楽しんでた筈なのに飽きたからという良く分からない思考で、別の番組に回し、馬鹿笑いして、飽きて、番組を回し…とやっているうちに寝落ちした。
翌日は二日酔いで頭が痛かったので、午前中は睡眠に使い、午後は少しすっきりしたので散歩をした。
運動はゆっくりやっていくのが一番だと改めて思った。
散歩は気持ちよかったので1週間毎日やった。
少しずつ体力も戻ってきているように思う。
今日は自宅から歩いて研究室に来れた。
この1週間で他にやったことと言えば、溜まった読めてない本の読了や音楽の鑑賞、少しお高い料理を食べに行った、という程度だった。
だが、平和の大切さを改めて感じた。
幸せだった。
しかし、今は違う。
違う、と言うと少し語弊があるかもしれない。
幸せだからこそ、より俺の娘の今が心配になった。
仄葉は悪魔に乗っ取られていて、健康状態は愚か、居場所すら分からない。
咲君たち曰く、乗っ取られた仄葉は半固体状のジェルが出た後、急にその存在を消したと言う。
狭義の魔法ではそのような事は出来ない。
悪魔の力によって、悪魔たちの意思によってどこかに逃げたのだろう。
「麗嵐、すまん。俺は父親失格だ。」
不意に思いがけずにそんな言葉が口から零れる。
(今、俺は麗嵐から怒られたんだな。仏壇の掃除ももちろんできていなかったし。それと一緒に仄葉の面倒を見れていない事を怒ってるんだろうなぁ。)
自分でもなぜこんなことを言ったのか分からない故に、そんなファンタジックな感想が溢れる。
(いかんな、また集中できてない。一回休憩するか…………、んん?)
休憩しようとして置いた読み終わりそうな資料の後ろの行に気になる文言を見つける。
“実態を調べるために所有しているあらゆる機器を使ってみたところ、波状体検知器と超次元感知器が有用そうな情報を取得した。”
(超次元感知器はなんとなく分かるが、波状体検知器は何を検知したんだ?
休憩が終わったら波状体検知器のレポートをよく見直そう。
あの時は焦って色々な情報を集めていたから詳細な検証をしていなかったからな。
しかし、やはり悔しいな。実物が居れば、もっといろいろな事が分かっていただろうに……、俺のアホめ。)
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休憩は大事だ。
休憩不足は考察力を落とし、時間の無駄を引き起こす。
シャキッとした頭で適当な事を述べながら、波状体検知器のデータが纏まっているハズのEXCELファイルを探す。
(ん~、どこだっけかなぁ。これは自分で探すよりメンバーに聞いた方が早そうだ。Cheamsで聞くか。)
[誰か波状体検知器のデータのEXCELのファイルパスを教えて欲しい。]
(っと。とりあえずこれでいいか。)
内容は兎も角、波状体検知器が有用そうな情報を取得したと言う事実からでも色々考えることは出来る。
生物を波状体検知器で測った時に出るものは種類が限られる。
基本的には生物自らが発せないモノで、紫外線や赤外線、可視光線などの太陽光から反射した弱い電磁波や、体内に蓄電されているわずかな電荷が放電される際に放射される磁波や栄養を肉体に変えるなどの化学反応が起こる事で発生する放射線などが測定出来る。
生物自らで発せるものだと、ほとんどの生物からは視線が、一部の発光できる生物や発電できる生物・魔法を使える生物からは強めの波状体も検知することが出来る。
そして、検知器を通してそれらを見ると3次元波形と密度が分かる。
とすると、今回は未知の3次元波形をもつ波状体を検知したか。
と、そこまで考えていたところで大学院修士課程1年の剣崎智花から俺をメンションしたメッセージが送られてくる。
[あー、その資料は
\15B.0FC.42E.77E.7.2D.669.A55\share \demensionquake\測定結果\波状体検知器\EXCEL
直下に入ってます~]
[ありがとう]
[まいど~]
(剣崎が調査したのか。彼女、本当に根性あるよなぁ。うちが所有している機器100以上をしっかり全部使ってくれたんだから。それぞれすぐ結果が分かるわけじゃないし、その上結果の資料を全部目ぇ通して不思議なデータを示しているヤツをピックアップしなきゃならんわけで。学科生も使っただろうけど、剣崎の事だし相当残ったんだろうな。そんなんだから彼氏の一人も出来ないんだよ。
…………
だめだ。そんなこと思いついちゃあかん。有望な女性の修士生なんだから大事にしなきゃ。
その内ぽろっと言っちゃってセクハラ博士とかその内言われるようになってしまうぞ。。。
っていうかそんなこと言ってないでさっさと資料確認しよう。)
…………
………????
俺は資料を見ながら固まる。
なぜなら、今、その資料が示すことを把握できていないからだ。
正確には、グラフに何かが示されているのかすら分からい。
(これがグラフ???)
“図3-114-1:波状体検知器の測定結果 X-T”と書いてある上には、確かに時間を示す横軸と波のX位相を示す縦軸がある。
しかし肝心のグラフがグラフではないのだ。
なにせ、図3-114-1が示すグラフは何も描かれていない様に見えるのだから。
X-Tだけでなく、Y-TもZ-TもXYZ-Tも同様だった。
一目見てこの資料が指し示すことが分かる人はただの天才だ。
なぜなら、世界力学を一生懸命勉強して大学院に進学した院生が報告書に“有用そうな情報”と書くしかないくらい、グラフが示す事象が良く分からない事を、一瞬で分かってしまうという事になるからだ。
そして、世界力学の権威と周囲からチヤホヤされている俺ですら、今やっとあり得ないがこれしかない、という答えかもしれない事を思いついたくらいだ。
検知器は、まず種類分けがされていない状態、言い換えれば、検知したそのままの情報、をグラフにする。
その後知っている波形や似たような波形から種類分けを行い、それぞれのグラフを作成してくれる。
つまり、逆だった。
検知器は位相が判別できないが一つの式に表すことが可能と思われる波状体が検出されたと言っているのだ。
もしくは、波の面を検知したか。
もちろん、波に面が存在することはない。
この4次元で波の面が見れるのは、波の集合体を一方向から見ているだけだからだ。
それはつまり、XYZTの4次元の話ではないと言う事だ。
それが確実であることは超次元感知器が“有用そうな情報を取得した”事で証明されている。
超次元感知器の資料は見るまでもない。
超次元感知器では超次元的なものがあるかどうかしか見れないから、書いてあることはどの実験でどの機器と併用したかという事だけだからだ。
問題は、超次元的なものが何か全く見当がつかない事だ。
ただ、幸いなことに超次元的なものに精通している人、いや存在を俺は知っている。
「ハイエンリー神に会いに行かなければ。」
2ヶ月以上空けてしまってすみません。
中々内容を詰めるのが難しくて。。。
あ、なろう用Twitterアカウント作りました。
@MokuMokuNARANAI
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これからもまったりとマイペースに書いていこうと思うので
気長に待っていていただけると幸いです。
m(_ _)m




