21: 死の気配が近い日常
体調不良により今回は遅れてしまいました。m(__)m
今は大丈夫です。(*^^)v
今週は大幅に遅れてしまったお詫びに木曜日にも上げようと思います。
8/25 サブタイトル付けました。
悪魔になったほのと戦ってから、もう3週間も経った。
色々な変化が私たちに降りかかってから3週間が経った。
4人でシェアハウスに住むようになってから誰かが1週間以上留守にするなんてことはなかったから、なおの事、ほのがいなくなったことが実感できてしまって凄く悲しい。
あたしは、寝起きでボヤっとしている顔を洗いながら、ほのが居なくなってからの3週間をふと回想する。
異世界に転移して、最終的に悪魔のほのと戦ったあの日の次の日から、あたしのママとミリアのママと5人(シュニーさんを入れれば6人)での暮らしが始まった。その日から、ニュースは異世界転移と悪魔の話題で持ちきりだった。テレビが機能しているのが不思議だったが、それは気にしないことにした。
宮椋博士がテレビに出演して、色々と他の研究者と現状を推測していた。博士はそれだけじゃなく、チロちゅんを始めとした、私たちの元いた世界でも呼び出すことのできる神様たちに関する知識も博士は発表していた。そして、ほのが行方不明になったことも辛そうに語っていた。
テレビ局の独自の取材で、地球の南半球だけが大気圏ごと転移したことも分かった。ブラジルとかインドネシアとかに放送拠点のある各局がそれを確認したらしい。赤道から北側が、全く異なる地形を取っていて、大気も不自然に色が分かれている映像がテレビで放映されていた。
日本国内で起きた事件と言えば、スカイツリーが倒れたことだ。原因は、悪魔による破壊。スカイツリーの固定カメラに、悪魔らしきシルエットが映っていたために原因は特定された。転移して2日目、悪魔による初めての事件は大事件となって、日本中を震撼させた。建設する際に最新技術であるマナファイバーという魔術金属繊維を使っていたために、倒れても電波の送受信は一応できている。(物理的に壊れたアンテナ部分ももちろんあったので、携帯の電波はとても悪い。)450を超える建物が下敷きや倒壊に遭い、また、8000人程度が様々な理由で犠牲になった。
この事件を皮切りに、悪魔によると思われる小さな事件がこの3週間で約50件発生したらしい。どの事件もその内容に関連性がなく、また、スカイツリー倒壊事件のように、悪魔がやったという証拠が薄いため、普通の人間による事件かもしれないともいわれているが、その犠牲者の多くが不自然な亡くなり方をしているため、悪魔による事件とみられている。
私たちの生活レベルで言えば、普通の生活が始まったと言う事だろう。宮椋博士がテレビで『異世界には転移してしまったが、環境が丸ごと転移したので生活するには問題ない。だから、今まで通り過ごして大丈夫だ。』といったおかげで、普通の生活が継続された。あたしたちに関して言えば、博士直々に学校はあるといわれていたので、特に驚きはなかったのだが、この発表を受けて、テレビの取材を受けた人たちの意見は、戸惑いの方が多かった。
学校での生活や活動自体は、転移前とさほど変わらないのだが、ただ、明らかにおかしい点もある。それは、一部の魔法使いの生徒と成績が上位のノーマジが少しずつ行方不明になっていることだ。
行方不明になった子たちは悪魔になったのではないかという噂が広まっている。ほのが悪魔になったことは博士が公にしていないので、皆は噂程度の軽い、しょうもない話として話しているが、あたし達的には、実際に悪魔になってしまったほのを見ているので、とても悲しいというか、悔しい気持ちでその話題を聞いている。
「咲~、朝ご飯出来たわよ~」
ママの声が下のダイニングから聞こえる。
「は~い、今行く~」
適当に返事をしつつ、急いで制服に着替えて階段を下りる。
「おはよう、咲。」
「おはよう、竜。あれ?ミリアは?」
「まだ寝てるんじゃないかしら。」
「じゃあ起こしてくる!」
シュニーさんが起こしてるのではと思いつつも、階段を上がって一番奥のミリアの部屋のドアを開けr
バァンッ!
「いったぁ!!!」『おわぁっ!びっくり!!』
「ああっ!ゴメン!ミリア!……大丈夫?」
「ん~っ!!!もうっ!…大丈夫…」
いや、ホントゴメン……。
「咲~、ミリアちゃ~ん、早く朝ご飯食べちゃいなさ~い」
「「はーい」」
『えぇぇ、私にも謝ってよ!』
朝ご飯を食べ終わった私たちは、いつも通りの時間に家を出る。今日は曇り。ただでさえ寒いのに曇りだからなお寒い。
「今日も寒いね~」
あまりの寒さにぽろっと口から愚痴がこぼれる
「そうだねー、もう7月だもんね。今日の最低気温は5℃って言ってたしね~、今10℃くらいじゃないかな」
同意同意というようにミリアが返事をしてくれる。
っていうか最低気温5℃?!そりゃ寒いわ!
「7月、、」
竜がボソッと暗い顔で呟く。
多分、ほのの誕生日の事を思ったのだろう。明後日の4日は仄葉の誕生日。今年は祝えそうにない。
竜のつぶやきのおかげで、あたしたちの周りの空気が一気に重くなる。
「お~い、咲ちゃ~ん!」
と、そこにあたしにとって聞き馴染みのある声があたしの名前を呼びながら近づいてくる。
「おっは~!」
『おお~、ひなちゃん!おっは~』
「シュニーちゃん!おっは~!!」
声の持ち主は、あたしの所属してる射撃部の同級生の陽田楓。クラスメイトではない。いつも元気な射撃部のムードメーカー的存在。誰とでも仲良くでき、話も面白く、笑顔は神級にとってもかわいいので、男女問わず皆に好かれている。ファンクラブすら存在するこの学年のアイドル的存在。射撃部に入った理由は、趣味がサバゲーだから。東日本大会で2位の実力がある。ちなみに、魔法使いではない。
「おはよ~、楓。」
「なんだなんだ~?元気ないなぁ!じゃあ、楓がこちょこちょしてあげる!」
「いやしなくていい!!!」
「え~、こちょこちょされれば体もあったかくなるよ~?」
「それにしても、楓は朝から元気いっぱいだね~」
「今日めっちゃ寒いじゃん?だから、余計にはしゃぎたいっていうか!」
「犬かっ!!」
「うぇーい!ナイスツッコみ!!」
「ぅ、うぇーい…、そのノリは部活の時だけにしよ?ちょっとハズイ」
「え~、楽しいじゃん!ねえ、竜ちゃん?」
…そこ、竜に振る?!
「えっ、なんで私に振るの!?」
「「「あはははっ!」」」
「ん”ん”っ、ほらほら、皆、早く行こう?ホームルーム始まっちゃうよ?」
教室に着くと、いつにも増してざわついている。なんだろう?
「ねえ、蓮村、この騒ぎは何?」
「あ、おはよう、紫岸さん。えっと、あれだよ。外見て。」
「外?」
んん、んんん?何か黒いのが降ってる?
降り方的に雪…なのかな?
「黒色の雪?」
「うん、それ。ついさっき降り始めたから、3人は見てないんじゃない?」
嫌な予感がする…
そんな風に思っていると、
ガラララッ
「おーい、着席着席!!ホームルーム始めるぞ!!」
先生が入ってきてホームルームが始まった。
「なにやら黒い雪らしきものが降っているけど、気にせず始めるぞ。今日は全員いるか?」
「山川君がいません。」
「そうか…“行方不明になった”かどうかは調べる必要があるが、ほぼ間違いないな。…それ以外は、大丈夫そうだな。特別な連絡事項はないが、この良く分からない天気は少し警戒して、今日のところは外遊びの禁止。それと体育は中止だ。じゃあ、あとの15分は読書でもs」
『緊急事態です。緊急事態です。焦らずよく聞いて下さい。稲崎台南部に異形の群れが急発生しました。現在、その群れは北上しており、数十分後には学校に到達する見込みです。各学年のA・B組は戦闘準備後校庭に集合をお願いします。C・D組は体育館、E組は食堂、F組は講堂に集合してください。繰り返します…
………… ………………
それでは、行動を開始してください。』




