20: 黒い霧に飲まれる銀髪の天使
遅れてしまいました、、すみません。
今回も仄葉(?)視点です。どうぞ。。
8/25 サブタイトル付けました。
話し合うって?何を?
話し合う余地が全くないんだけど?
≪まあ、仄葉ちゃんからしたらそうかもね。でも、私たちも消えたくないの。そもそも、私達としては仄葉ちゃんみたいなケースを経験してこなかったし、仄葉ちゃんが例外すぎるって言うのも、私達が焦ってる理由。
今までの世界だったら、私たち悪魔に憑かれた人間が支配された生物的機能を取り戻すなんてことはおろか、意識を取り戻すなんてことはなかったし、人間一人に対して悪魔が複数憑けるなんてこともなかった。
意識を取り戻すどころか意識を失ってすらないって言うのはもっと意味不明だし、勿論、私たちと話すことが出来た憑かれた人間なんて言うのはもちろんいなかったわけで。≫
何の前置きか知らないけど、話し合うならさっさと議題を教えて?
≪…………えっと、つまり、そんな特別な仄葉ちゃんなら、私たちを養える可能性があるから、共生させてくれないかな。≫
はぁっ!?
≪“お互いに生き残る”という点においてはこれが、私たちの提示できる最善の案。もう私たちは、パワーソースがほとんどない。それを回復させるのは、意識を失った人間の魂と意識を食らうか、休憩を取るか。賢い仄葉ちゃんなら分かったと思うけど、仄葉ちゃんは意識がある、つまり、私たちは、戦闘をしてる場合ではない。普通に生活するだけでも、魂力は使うから。
出来れば私たちも実は離れたいぐらい。でも、離れようにも通常の憑き方じゃなくて、宝槍“人間無骨”を使った憑依だから、完全に体から抜け出せるのは仄葉ちゃんが“人間でいう死”を迎えた時。つまり、私たちは、仄葉ちゃんが死ぬまで一緒。さっき、付き合ってもらうって言ったのはそういう事。。
その上、悲しいことに悪魔は不死身。取り憑かれた人間もほぼ不死身になる。普通の生物とはかけ離れた存在になるから食事も不要。少なくとも加齢による死は完全にない。生物的に致命的な部位、例えば心臓とかの欠如が起きると流石に死ぬけど。
さらに、悪魔は“絶望”を振りまくことを強いられている。それをしないと、他の悪魔を保護できないし、新しく生み出すことも出来ない。この世界に来てからも、『今日のノルマ』が告げられたから、これからも人を傷つけてく。ノルマを達成しないと、罰をくらう。最悪の場合、依り代に生物的死を、悪魔には存在的死を与えられる。
だから、正直に言えば、私たちは共生するしかない。≫
…………それは、仮に私があんたたちの力を全て毟り取った場合はどうなるの?
≪……今の仄葉ちゃんの状態は悪魔と人間のハーフみたいな状態なの。だから、仄葉ちゃんはあくまで悪魔。世界に絶望を振りまかないといけないはず。≫
……じゃあ、私が魔法…あんたたちのいう魂力にあたる力の恐らく上位互換な力で仮に追い出せたなら、あんたたちは嬉しい?
≪私は嫌だけど、、、牛鬼と化蛇はどう思う?≫
≪僕はどちらでもない。≫
≪俺は、どうなろうと構わんが、せっかくならこの依り代に留まってたいなぁ。≫
なんで?
≪面白いから。≫
………共生するとして、私のメリットは不老不死だけ?
≪女の子としては、スタイルが変化しないっていうのもメリットなんじゃない?あと、食事の必要がないっていうのは自分の使える時間が増えると言う事。それっていいことじゃない?≫
それはない。おいしいご飯を食べれないのは幸せな事じゃない。…………ちなみに食事をしても体形は変化しないの?
≪どうだろう。分からない。≫
それよりも、この話し合いの核心と言うか、共生の全容が分からないんだけど?
≪え、分からない?ん~、端的に言えば、
①このまま、私たちが仄葉ちゃんの体を乗っ取ったまま、戦闘とか不慮の事故で死ぬまで一緒にいる。
この場合の仄葉ちゃんのメリットは時間経過的不老不死を体験できる事。デメリットは、既に仄葉ちゃんが奪い返した仄葉ちゃん自身の力以外の力を使えない事。私たちは仄葉ちゃんの知識とかを貰って、この世界で悪魔の未来を守ることが出来る。
②今、仄葉ちゃんが頑張って、私たちの力を全て吸い取ったとする。それで、時間経過以外の死まで一緒にいる。力を全てって言っても、多分私たちは最低限悪魔という存在としていられるから、悪魔として最低限の力は残ると思うけど。
この場合の仄葉ちゃんのメリットは不老不死と、自由で強力な精神と肉体を手に入れられること。この場合はデメリットもあって、仄葉ちゃん自身で絶望を振りまかないと、悪魔の使命に則って最悪の場合死が訪れる。私たちは、存在だけを残して、ほぼ何もせずに生きていける。もちろん、力の使い方とかは教える。
で、今私が考えてるのは、②。≫
…………
えっ!?②!?
≪?そうだよ?間違いなく私たちの権能より仄葉ちゃんの力の方が強いってなんとなくわかるし、私たちは仄葉ちゃんが消えるまで、楽に存在をキープできる。その間、私たちは仄葉ちゃんが生み出した絶望で他の悪魔の保護とか、悪魔の召喚、生成をしていればいいから、少なくとも私はそれでいい。普通の悪魔が味わえない長期休暇が得られるのは、とっても嬉しい。≫
≪僕もそういう意味でもこの中にできれば一生居たいね。≫
≪俺は、そうなるなら嫌だ。出た方がいい。≫
あれ!?そっちの意見が割れてるのっておかしくない!?
≪……はぁ、牛鬼、そこはとりあえず同意して欲しいんだけど。。。≫
≪ふん、刺激がないのは嫌なこった。≫
(う~ん、不老不死っていうのは少し憧れもあるけど、ずっと人を傷つけるなり何かしらの形で絶望を与え続けないといけないのは人間として…………、今は悪魔とのハーフなのか。でも、嫌だ。自分だけというか、一つの種族のために他の種族を犠牲にするのはやはりやりたくない。どうせ死ぬなら、誰にも絶望を与えないまま死んだ方がまし。)
≪何か考えてみてるみたいだけど、もしかして色よい答えをくれるのかな!?≫
えっ、というか、さっきの話だと結局私は絶望を与えないといけないんでしょ?だから、①か②かで迷ってるだけ。ちょっと待って。
≪うんうん!考えて~!あっ、あと、絶望って言ったけど、別に人を殺さなきゃいけないわけじゃないからね!重要な施設の破壊とか何か、人間が絶望するような何かを破壊するとかでも大丈夫だから!それの度合いによっては、数日間ボーナスで休暇を貰えるかも!≫
(それは、いい情報。それなら何とかなるかも。じゃあ、②にしよう。その前に、、、)
ちなみに今日のノルマは達成できたの?
≪うん、してるよ!仄葉ちゃんから絶望系の感情が何度か発生してたからね!≫
そっか。
(なるほど、要はマイナスな感情を多くのヒトに沸かせればいいんだ。とりあえず、明日は乗っ取られたままスカイツリーでも壊しに行ってもらおう。それで、絶望ノルマを一気に達成して、長期休暇をゲットして、その間に私が悪魔の力を吸い取る。でも、私自身で多くの人に絶望を与えるのは嫌だから、咲達と戦って殺してもらう。咲達には悪いけど、私を倒せるのは咲達だけだから。私が相談できるのは咲達だけ。悪魔たちにはその時に、『私が絶望を振りまき始めるにはまず私の事を深く知る人を殺さないとできない』とか言えば納得してくれるだろう。それっぽく戦って、あとはやられるだけ。多分、お父さんとも合流してるだろうし、咲がもきゅゴンを召喚していればその神様から色々と教えてもらえるだろうし、そこを心配する必要はない気がする。聖なる力で私を倒してもらおう。よし。決めた。)
決めたわ。作戦も。
ちょっと聞いて。
…………
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…………
≪いいねぇ、仄葉ちゃん、悪魔の素質もあったんだねぇ。いいよ、そういう感じにしよう。二人もいいよね?≫
≪ああ、それなら確かに面白そうだ。俺も納得しといてやるよ。≫
≪うんうん、僕も賛成かな。仄葉君には期待してるよ。≫
≪じゃあ、改めて…………≫
≪≪≪世界を絶望させに行こう。≫≫≫




