14: 血の雨が降る前に
久しぶりに、あるsteamのゲームをやったせいで14分過ぎてしまいました。m(__)m
私、渦井・S・海璃和は魔法少女になりました。ちょっと違うけど。
契位魔法士。前の世界で言えば、魔法少女みたいな存在。だからあんまり変わらないかなって。
「新生ミリアは、魔法少女として仄葉のもとに出発したいと思います!」
「ふふっ、海璃和、色々吹っ切れてて二皮くらいむけたってかんじがするわ。」
「時々、カタコトっぽくないしゃべり方するからどっちが素なのか分からなかったけど、こっちが素だったんだね!あたしは新しいミリアも好きだよ!なんか頼もしいよっ!」
なんだよ二人ともっ、嬉しいこと言ってくれるじゃん。
「えへへっ、ありがとう!」
「いや、褒めてない!からかったんだけど?!」
「えっ。」
「ふふっ」
からかわれてたの!?分からなかった。。まあ、それは置いておいて、
「ほら、さっさと乗ってよ!置いてくよ!」
「はいはい、行くわよ咲」
「くそーっ、なんか悔しいっ!!ミリアがあたしより逞しいのが悔しい!!!」
咲がなんかむくれ顔でしょうもないことを抗議してるけど、知らんぷり知らんぷり!
「それじゃ、グリフォンさん、お願いできますか?」
グリフォンは、ヒュウォーンと少し高めの声で嘶いて、薄茶色のフカフカで大きな翼を羽ばたかせて、私達を乗せて稲崎台の方面に飛び上がる。
「おおーっ、綺麗だね!ちゃんと色が元に戻ってるよ!めっちゃ晴れてんじゃん!夜空きれい!星の感じは違うけど、満天の星空って感じ!」
『ミリアちゃん、テンション高いね!でも向かう先は、その暴走状態?になってるかもしれない友達の所でしょ?もうちょっと、緊張感持っててもいいんじゃない?』
「確かにそうですね!そういえば、シュニーさんの本体はどっちにいるって考えた方がいいんですか?」
『ん~、どっちもだね。自我の割合で言えばミリアちゃんの中に入ってる方が多いけど、情報収集してるのは幼精、人間の皆からすれば浮かぶぬいぐるみみたいな方だね。』
「ん~~、結局私はどっちに話しかければいいんですか?今は幼精?の方に話しかけてるつもりですけど。」
『ミリアちゃんはどっちを意識しても同じだね~。結局聞いてる私は一人だからね~。ただ、ミリアちゃんの中の私と喋る練習はしてほしいかな。あと、もう私たち、2人で1つの体なんだから、シュニーさんじゃなくて、シュニーちゃん、とか、シュニー、とか呼んでほしいなぁ♡』
うーん。馴れ馴れしすぎでしょ。会って間もないのに体に入られた(感覚はまだよくわからないけど)こっちの身にもなって欲しいですね!そうですかそうですか。じゃあ、私も強気で、
「えっ、、じゃあ、私の事をミリアって呼んでくれたら呼びますよ。」
「なんかミリアがイケメンな事言ってる~」
私の後でグリフォンに跨ってる咲が唐突にそんなことを言う。
「うっ、煩いよ!咲っ!胸もぐよっ!!」
『いやほんと、ちょっと静かにしててね♡今、愛の駆け引きしてるんだから。』
「痛だだだだだだだだ!!ごめんなさい!許してください!ほんとに!痛いから、やめて!くだいだいだぁあっ、ふゅんっ…………」
うわー、どこを何されてんのか後ろだからわからないけど、めっちゃ痛そうだったな~。手離してたら落下死するよ。
『よし、黙ったね。じゃあ、改めて、ミリア。私と頑張ってくれる?』
「んっ、」
…………
自分の体の中から自分のじゃない声で自分の名前を呼び捨てで呼ばれるのって、くすぐったい感じっ、ていうかはずかしい。でもうれしい。
じゃあ、お返し。
「うん、これからよろしくっ、シュニー」
…………
えっ、何この間。何か反応して!!シュニー!!
「イチャらぶね。聞いてるこっちが恥ずかしいし、私たちから見たらぬいぐるみに向かって話しかけて1人で喋ってるようにも見えるし、二重人格なんだか自己暗示をかけてるんだか良く分からない感じになってて面白いからなんか変な気分よ」
竜が若干震えた声で後ろからそんな風に反応してくれる。
なるほど、そういう間だったのね。。っていうか、そっか、一人で喋ってるようにしか見えないのか。
なにそれ、恥ずかしっ!
なんでこんな短時間でいろんな種類の恥ずかしさを味あわなきゃいけないの!?
「っていうか、シュニーっ、何か反応してよ!!」
『あっ、ゴメン!ちょっと尊くて悶えてた。体がなくてよかったよ。悶えてる姿なんて見せたくないからね。』
……“尊い”って言った?今。どういう文化の進化をしたら電気とか磁気の理解が深まる前にそういう表現に辿り着くんだろう。
『いやー、幸せだね。なかなかにキュンキュンするよ。それよりもミリア、目的地まではあとどれくらい?』
「うーん、ちょっとわからないかな~。高度がありすぎて街並みも良く分からないんだよね。あっ、竜、さっきの双眼鏡は?」
「残ってると思う?」
「だよねー。『じゃあ」』
「『?」』「『あ、先いいよ。」』
…………
「ふふっ、息ピッタリじゃない。すごいシンクロね。シュニーさん、どうぞ?」
私たちのコントで落ち着いたのか、竜が会話を仲介してくれる。
『あ、うん。えっと、今からミリアに遠視の効果付けるから、それで状況を見てくれないかな。』
「うん、いいけど、どんな感j」
うあっ、なにっ、ちょっ、キモい!
望遠鏡で見てる感じな上に体が揺れてて、視界が安定しなくて吐き気がエグイ!
「ちょっ、シュニー、一回やめて!」
『分かった。…どしたの?』
「どしたのじゃないよ!いきなり掛けないで!どんな効果か分からないのに、突然効果が表れてしかもこんな揺れる状況で吐きそうなんだけど!」
効果の残存で酔いそうなんだけど!
『あー、ごめんごめん、そういうの説明しなきゃダメだね。でも、今効果分かったでしょ?じゃあもう一回行くよ?』
「いやいや、ちゃんと説明して欲しいし、使い方の解説しろ!!」
『えー、面倒くさいんだけど。』
「はぁ?」
ぬいぐるみ引きちぎってやろうかぁ!?
「はさみ。」
ポンッ
あっ、これでも出るんだね。
「さっさと解説!じゃないとその毛切るよ!」
はさみをぬいぐるみに突きつけながら言う。
『刃物?!それはダメだよ!ちょっ、』
チョキンッ
『あーっ、ホントに切った!!!分かった!分かったから下げて!』
…こういう強気キャラも中々楽しいね。これは咲を脅すのにも使えそう。。
「うわぁ、ミリアが悪い子としてる~、いーけないんだいけn」
ジャスッ
私は言葉も発さずにはさみを振り回して咲の髪の毛を切る。咲は煩い!
「あーっ!!!私の髪の毛!変なとこから切らないでよ!私のチャームポイントのサイドテールがださくなっちゃった!!」
あーーー、もう!話が進まん!
「ちょっと!二人とも!!話が進まないから!咲は黙る!シュニーさんは、遊んでないでないでさっさと喋って下さいっ!あっ、怖い、、」
「『はいっ」』
竜、高い空の上で頑張ってくれてありがとう。おかげでおとなしくなったよ。こいつら、まぁシュニーは良いにしても、咲がクソ煩いから大変だよ、ホントに。
『。。。。えっと、細かく説明しても分からないと思うから簡単に説明するね。ズバリ!!ミリアの目の感覚器官を私が直接調整して、40倍率で見て貰う効果だよ!ミリアが主体的に変更できる要素はないかなぁ。』
40って。人間の目が仮に弄れたとして、そんな風に出来るの??
まあいいや。
「。。。うん分かった。とりあえず15倍で、できるなら見える範囲を大きくしてほしいんだけど」
『分かった。。じゃあこれでお願い!』
……
おおっ、いい感じ!これなら何とか観察できるね。
えーと、割と来たね。あー、あれは永摩駅だね!ということは、こっちらへんが稲崎台、、あれ?なんか線路途切れてる。なんか局地的に災害にでも遭ったかのような感じになってる。っていうか浮遊巨大ナゾ武器もなくなってるし。結構ヤバいんじゃ、、、
「ミリア伏せて!」
何っ?
ドゥアーン!!
魔法!!??どこから!?
「良かった!大丈夫?ミリア?」
咲が飛んできた魔法をガードしてくれたみたい。
「うん、大丈夫だけど、、、、」
「ミリア、あっち見て!なんかオーロラみたいなのが見えるでしょ?あっちから飛んできたの!今の状態なら何か分かるんじゃない?見てみて!」
「うん、分かった!」
うーん、特別特徴的で大きな生き物は見えないなぁ。
あっ、誰か戦ってる。男の人と大きい蛇が銀色の髪の悪魔っぽい女?と戦ってるのかな?
えっ、待って、悪魔みたいなのと視線が合っちゃったんだけど。
嫌な予感しかしない!
「シュニー!一回解除して!」
『分かったよー』
〔シタスネケテ〕
!?
この声みたいなのを聞いて、はっ、と前を向くと目の前にさっき見えた悪魔がどこかで見たことある武器を構えて、、、
「ヤバい!!何か守るもの!!」
叫んだ瞬間、赤紫のオーラをまとった盾みたいな塊が私と謎武器の間に現れる。
バリィィン!!
ふぅ!ギリギリ!何とか防げた!
悪魔もなんか動揺してるみたいだし今のうちに!!
「グリフォン!もっとスピード上げて、急降下!咲と竜は、グリフォンにしっかり掴まって!」
ヒュウォーン!!「「分かった!」私は、余裕があれば攻撃で援護するよ!」
グリフォンの鋭い励声と、竜と咲の返事が重なる。
グリフォンはその奮い立たせたパワーで、勢いよく高度を下げる。
ブォゥビューーーーーーッ
うーん!なかなかの風圧だけど後ろの二人大丈夫か!?
おっ、あの立地に特徴的な電波塔と白い円筒状の何かが二つ!あれ、見わたし林地じゃん!
「グリフォン!高度を一定に保って、、えっと、あの少し小高くなってる方面に向かって飛んで!咲は、できれば強めの風魔法以外であの悪魔みたいな奴をけん制して!」
ヒュウォフッ!「OK!」
とりあえず稲崎台には戻ってこれた。でも、あの悪魔みたいな奴は、考えたくないけど、たぶん、仄葉。銀色の髪とあの例の武器。さっき遠視でみた時もちょっと思ったけど、仄葉っぽさを感じた。
このまま仄葉と戦う事になったら、普通に死ねる。魔法の素養が高い仄葉の暴走状態、しかも、なんか悪魔っぽくなってる謎の要素付き。ヤバ過ぎ!!
この能力が今までと似てるなら扱いも楽なんだけど、どうもそうじゃなさそうだし、そもそも、ガチの戦闘経験がないの私だけだし。。いや、皆にガチの戦闘経験があるのもおかしいんだけど。。何にしろ空戦じゃあどうしようもない!見わたし林地に降りて体制とか色々立て直さないと。
「ねえ、あの悪魔、多分、仄葉なんだけど、どうすればいいと思う?」
「「え?」」
二人は突然の私の問いに、心底意味が分からないと言った風の声を漏らす。
『えっ、ミリア、あの悪魔が友達なの!?待って、多分私たちの方が勝てるか分からないくらいの強さなのは間違いないのに、それ以上の事をするつもり!?』
シュニーも相当驚いてる。
それにしたって
「まだ、少ししか戦ってないのに勝てないって決めつけるのは早いよ。それに、さっき戦ってる人が見えたから、とりあえずその人達に会う。とりあえず、見わたし林地に着いたら咲と竜は仄葉の相手をお願い。私は、さっき見つけた人達に会いに行くから。」
「「…分かった」」
二人ともまだよく分かってなさそうだけどしょうがない。
やるしかない。
自分が死ぬかもしれなくても、仄葉と居れないんじゃ、生きてても楽しくない。何が何でも、仄葉には戻ってもらわないと。私たちの大事な存在が、魔女みたいになっちゃうのは嫌だ。多分ラスボス級に強い。なり立て魔法少女だけど、咲だって竜だっている。学校の皆も一緒に転移されてるだろうし、物資ならたくさんある。いける。そんな気がする。
「もうそろそろ着くよ!二人ともお願いね!」
「うん、大丈夫。もう、心の準備はできた。椿嶋流実戦型剣術をお見舞いするつもりよ。ぶっ叩いて仄葉を正気に戻すわ。」
「あたしも大丈夫。ちょっと、心苦しいけど、ほのを取り戻すために全力でやるよ。」
「ありがとう。皆で仄葉を正気に戻そうね。」
「「うん!」」
『二人とも凄いね、、、あの子の事、本当に大好きなんだね。。。じゃあ、私も頑張るよ!幼精側は咲ちゃん達について補助するよ。それに遠隔の連絡もできるしね!』
「それがいい!じゃあお願い、シュニー。」
『おまかせあれ!皆も自分のやる事分かったし!そろそろ始まるよ!心の準備は大丈夫だね?降りたら始まるよ!』
「「「大丈夫!」」」
『うんうん!それではっ。クエスト~、スタートッ!』
“ZFε£q#■~→ъ”
(次話は視点変更です)
2020/8/25 サブタイトル付けました。
傍点がおかしいところがあったので訂正しました。
2021/9/15 一部修正・追加