表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/78

8: 川の流れと三角州

 例の役割分担を導入して2週間後、学校が始まった。


若城大学付属稲崎台中学校に編入して3回目の登校日だった。


冬休み中に2回登校していた。


ちなみに竜だけは非編入生で、話してくれるようになってから、学校の事はそこそこ聴いた。


その日は、大雪が降っていた。


私は、頭上に傘状の防御魔法を展開しながら、皆と並んで登校していた。


緊張なのか、寒さからなのか分からない震えと共に始業式に向かっていた。


 始業式で編入生として紹介された時は、会場が物凄く歓声で湧いていた記憶がある。


勿論、私が宮椋椋平の娘であるという理由で。


 クラスは私と咲は一緒で、他の二人とはバラバラになっちゃった。


男女関係なく、お父さんの事とか、私の魔法の事とかを聞くために私の周りに人だかりが出来ていた。


モテモテだった。


本当にみんな優しくて、それで、、、、、、、


$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$


「話がずれてきているのだが。」


チロちゅんが話を遮ってきた。


「えっ、私の過去を知りたいんじゃないの?」


「そうだが、思い出話を聞きたいのではない。お主が辛いと思ったこと、大変だったこと、不可解な出来事を時系列である程度教えてくれるだけで構わないのだが。」


だったら先にそう言え!!くそ蛇!


と心で突っ込み、


「だったら先にそう言わんかいっ!この能無し!!」


と叫んでいた。


「のっ、能無しだと?!このっ、、、思いつかん!!」


「脳みそもないのね!まあ、こんな小さな頭じゃあ入ってる脳もないのと同じね!!!」


「このっ、バカにしおって!!。。。っまあ良い。続きを話せ!」


「おぉ、まさに神対応。そおねぇ、そのあとは、特別辛いと思ったことはなかったと思うわ。それ以外だと、、、」


$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$


▷海璃和のヘドロ飯事件

 1年生2学期の始業式のあった週の土曜日、海璃和が夕食当番になった。


出来たものは、結果、人が食べられるものではなく、作った本人を含めた皆で、ひとしきり気持ち悪くなった後、ピザの出前をとり、さらに気持ち悪くなるという地獄の土曜日だった。


それ以降、土曜のじゃんけん制度を廃止した。



▷しょうもない私の暴走

 中学2年生になった。


身体測定があった日、シェアハウスで咲の結果をたまたま見てしまった。


そして、私より背の低い咲の胸が、私より既に大分大きくなっていたことにショックを受け、また、私の胸は大して成長していなかった現実に悲しくなり、暴走した。


咲曰く、私は咲の胸をもごうと暴走していたらしい。


暴走したのは、シェアハウスの中だったおかげで大恥は掻かなかった。


暴走が切れた直後私は、咲に馬乗りになっていて、非常に興奮していた事、そして、咲の恥じと怒りの可愛い顔を今も鮮明に覚えている。



▷咲による海璃和の作品の破壊 ―> 戦争

 海璃和は両親が芸術系ということもあり、自室でいろんな工作や作品作りをしていた。


その事件はゴールデンウィーク中に起きた。


みんなお互いの事を大分信頼してきていて、海璃和は、リビングでドラゴンの木の彫刻を彫っていた。


部活から帰ってきた咲が、作りかけのドラゴンの木彫刻を見て興奮し、近くで見ようと思い駆け寄ったとき、床に敷いてあった新聞紙に気づかず滑ってドラゴンの方に転倒し、首と尻尾が折れてしまった。


不慮の事故とは言え、自分の作品を壊されたことに怒った海璃和は、その異能をもって咲へ怒りの攻撃を仕掛けた。


海璃和の能力と私と咲の魔法により、家はめちゃくちゃになって大変だった。



▷私の入院と竜の和食騒動

 編入して1年が経った、2回目の冬休み。


私は重度の熱と体全体の痛みに襲われ、2週間入院することになった。


その間、竜が夕食を毎晩作ることになるのは当然のことであり、また、それは毎晩和食になることと同義であった。


竜も、なるべく違うメニューにして頑張ったらしいが、咲と海璃和は1週間もするとさすがに飽きたらしく、喧嘩に発展したらしい。


私が無事退院して帰ってきたときには、険悪な仲になっていて、修復するのが大変であった。


それ程激しい喧嘩だったようだ。



▷咲襲撃事件

 2学期のある休日の夜に、咲が買い物からの帰り道、怪しい人に襲われた。


魔法を使って一度怪しい人を追い払った。


でも、すぐ後に複数で襲ってきたらしい。


とりあえず、危険を感じた咲は私に警察を呼んで欲しいと電話して来た。


私は心配だったので警察を呼んだ後、咲の方に向かった。


私が咲の元に着いたときには戦闘になってて、その後すぐに警察も着いた。


咲が制服を着ていたこともあり、警官もどちらが加害者かすぐに分かってすぐに加勢してくれた。


その後、私達は無事に襲撃者を鎮圧、簡単な事情聴取を受けた後、無事に帰宅できた。



▷私と海璃和の喧嘩

 夏休みになって、竜と咲が夏季合宿に行っているときに起きた。


クーラーをガンガンに効かせたリビングで、海璃和は私と喋りながら私の肖像画を描いていた。


私は、海璃和を褒めるつもりで「海璃和は凄いよ」みたいなことを言ったんだけど、それが気に障っちゃったらしくて揉めた。


小一時間怒鳴りあって、海璃和が絵を破いたことで解散し、二人が合宿から帰ってくるまでほとぼりは冷めなかった。



▷不可思議な夢

 3学期のある晩不思議な夢をみた。


アニメとかに出てくる魔物みたいな生物と闘う夢だった。


今でも、はっきりと思い出せる。



▷超貴重品連続消失事件

 中学3年生になって数週間後、シェアハウスで起きた事件だった。


私たちのとても大事なもの、私はお父さんからもらった綺麗な宝石のブレスレット、咲は私の写真が貼ってある抱き枕カバー(消えた日に慌てて口を滑らせた)、海璃和もお父さんからもらった芸術工具、竜はコレクションしてた摸造刀一振り、が忽然と姿を消した。


まるで神隠しにでもあったかのように。


その数日後に、もう一度貴重品が消えた。


みんなで怖くなって震えた記憶がある。



▷不可思議な夢2

 6月ごろだったと思う。


この時見た夢は、言ってみれば、異世界転生でもしたような感じの夢だった。


とても楽しかったけど、その違和感と鮮明すぎる幻像のせいで、今でもはっきりと覚えてる。


この頃から、変な夢を視る機会が増えたと思う。



▷不可思議な夢3

 9月ごろの夢。


この時は、私たち4人が戦ってる夢だったと思う。


咲と竜、私と海璃和が戦ってた。



▷咲vs竜 第一回血闘 

 去年の4月末、高校生になって3週間がたった。


高校生になると血闘ができるようになる。


好戦的な咲と自分の真の強さを知りたい竜がその制度を使わないはずもなく、当たり前のように始めた。


そしてそれは、私にとって、この後に、苦悩を引き起こす種になり始めた。


さっき話した夢に酷似した戦いだった。



▷外部生からの告白

 去年の私の誕生日に、高校からこの学校に入学した外部生の男子から告白された。


人生初の体験に私は心を躍らせたが、好きになってくれた理由を聞いたら思いのほか気持ち悪かったので断った。



▷私と竜の喧嘩

 去年の12月に起きた。


私が冗談半分本気半分で女子同士の初体験をしたいと言ったことがきっかけだった。


私が外部生に告白されて、そういうことを急に意識し始めたっていうのもあると思うけど、純粋に経験してみたいという思いもあった。


真面目な竜がそんなことを許すはずもなく、突拍子もないことを言い始めた私を抑え込もうとする形で喧嘩になった。



▷不可思議な夢4

 今年の2月に見た夢だった。


先週みた夢のような、大蛇と闘う夢だったと思う。


これは、はっきりと思い出せないけど、なんとなくそんな感じの夢だったと思う。



▷咲との喧嘩と第26回血闘、暴走と不可思議な夢5

 先週、不自然な流れと共に咲と喧嘩した。


すぐ仲直りした(つもりだった)けど、咲はモヤモヤしてたみたいで、そのまま竜との第26回血闘を始める。


普段より高度な回復魔法を使っていて、かつ、心労が堪っていたのか、私は、暴走したらしい。


そして、多分、あんたと闘う夢を視た。



▷蛇蛇事件

 今日の午前中の事

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

「っと、こんなとこかしらね。ふわぁ、話疲れた~」


一通り大変だったとか、不可解だと思った事件を喋り切った私は、ため息とともに話を終わらせた。


「…………」


「ん~、チロちゅん??何か返事をしてほしいんだけども?」


「あぁ、すまない。思った以上に混沌としていて驚いた。ものすごい情報量を持った事象が多発している。これは"普通"の女子高生の状態ではないぞ。事象指数累計が概算の時点で一般的到達値を遥かに超える数値でな。はっきり言って異常だ」


「えっ、そんなことないでしょ?」


 なんとなく、言われたことの指し示すことを理解した上で、そんなに絶句するような事じゃないと思ったので、私はすぐにそう答えていた。


「そんな感想はさておき、其方の運命線の修正方法を考えなくてはな。その為にも、直接、仲間に会わせてくれんか?」


 理由を聞いてもよくわからないことを言われるのは予想できたので、


「、、分かったわ。じゃあ、リビングにでも行きますかね!」


 そう言って、私たちはリビングへ向かった。


2020/5/10 色々訂正しました。


2020/8/25 サブタイトル付けました。


2021/10/29 誤字脱字を修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ