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あなたの一度の口づけで、どうにか生きてる私の話  作者: 桜井ゆきな


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「あの人!?あの人って!?龍はあの人のこと知ってるの!?」

私は興奮して龍を問い詰めた。

なぜか龍に抱かれている間、私はいつも過去を思い出していた。思い出したい訳ないのに。

先生との思い出さえ、あの日のあの海の、あの幸福な瞬間だけ切り取って、そうしてずっと生きていきたかったのに。

だから本当は心のどこかで思ってた。

龍は私の過去と繋がる何かなんじゃないかって。

「ねぇ、龍?龍はあの人の‥‥‥。」

「俺の愛するあの人と、お前の愛しいあの人は同じなんだ。」

私の心臓は凍結寸前だ。


先生は私に何も言わなかったから、私はあの日、担任と先生があの後何を話したか知らなかった。

だけどビラ事件以来、私のなかで少しずつ黒いものが溜まっていくのを自分で感じて私はどうして良いか分からなくなっていた。

だって、私と先生の関係を誰かが疑うことなんてありえないから。私と先生の気持ちは、私と先生しか知らないはずだから。

だから、あのビラを書いたのは、先生は、私が迷惑になったんじゃ、だから、あのビラを書いたのは。

ぐるぐるもやもや。私は、先生の目を見れなくなってしまった。

そんなある日、ビラ事件から2か月後、先生は突然学校を辞めていた。

それでおしまい。先生と私の物語はおしまい。私の気力もおしまいで、それからはもう、ただ生きているだけだった。先生のたった一度の唇の感触だけで私はなんとか今日まで生きてきたんだ。


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