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異能力探偵は完璧に  作者: ほとけ
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#2 いざ、A区へ

「で?脅迫まがいの示談で女子高生から金を巻き上げたと?」

 示談が終わり、栗崎さんが帰宅した後に席を外していたはずの亜美が睨みつけ言い放った。

「脅迫とは失礼な。こっちはジャパニーズ交渉術で穏便に事を済ませただけだぞ」

「なーにがジャパニーズ交渉術よ。メイドインマフィアの略取術じゃないの」

「いいだろう?こっちも商売だ。金はかかるってことを教えこまないとな」

 うわぁ…ないわー…といった目で亜美が睨みつけてくるがそんなことお構い無しにデスクへ戻り、外出の準備を始める。

 準備といってもそこまでガッツリと重装備をする訳では無い。今回は偵察の意味も込めて軽装だ。

「あー…ユウちゃんにも調査頼んどこ」

 そう呟いてお気に入りのコートの右ポケットからスマホを取り出す。

 ユウちゃんとはいつも調査に協力してくれる情報屋である。ちなみにユウちゃんも亜美程ではないが幼馴染だ。

 スマホのロック画面を解除し、SNSアプリを起動する。連絡先欄を下にスクロールしユウちゃんの連絡先を探す。ユウちゃんの連絡先を見つけ通話ボタンを押す。定期的なコール音が鳴り、数秒。ぷつっ、という音とユウちゃんの声が聞こえてくる。

「ただいま電話に出ることができませーん。また今度ご利用くださーい」

 どこか気の抜けた声で電話に出ることが出来ないという趣旨のセリフが流れる。

「はいじゃあ、栗崎健介と栗崎雅について調べといてねユウちゃん」

 ユウちゃんの事情なんて知らぬ存ぜぬ、といった感じでこちらの要件を淡々と告げる。

「もー、ソウちゃん冷たーい。もう少しノッてくれてもいいでしょ?」

 先程と同じような気の抜けた声で反論してくるユウちゃん。残念ながら生まれつきの気の抜けた声のせいで怖くもないし聞こうとも思えない。元より聞く気はさらさら無いが。

「ちゃんと報酬は払ってるんだからぶつくさ言わないの。今回もちゃんと頼むよ、ユウちゃん」

「あーい、わかりましたー。んじゃ、切るよー」

「おう、頼むぞー」

 会話を終えて、終了ボタンを押し、スマホをコートの右ポケットに仕舞う。

「ん、準備できたー?さっさと行くわよー」

 玄関の方から亜美の声が聞こえる。亜美の方も俺が通話してる間に準備完了のようだ。

「んじゃ行くかー」

 デスクの扉の鍵を閉めて、玄関へ向かった。



 時は変わり、A区行きの電車の中。

 出勤ラッシュに合わないように時間をズラした為、比較的少ないものの車内には人はそこそこいる。

 まぁ、当然、席に座れる訳はない。

「まぁ、二駅だし、立ってても問題ないか」

 出入口付近で亜美と俺の二人で固まっている。

 亜美は先程までとは違い、黒いニーソックスにホットパンツ、白いワイシャツの上にグレーのカーディガンという如何にもといった服装だ。

「で、今回はアナザー関連の事件でしょ?能力の見当はついてるの?」

「さぁ?人がいる中で動ける。尚且つ、顔無し死体まで作れる能力だ。見当がつきすぎる」

 アナザーは基本的に一つ能力がある。それは今確認出来ているだけでもこの事件を起こせる能力は多い。それに確認出来ていない能力で犯行しているのかもしれない。そんな無数にある能力の中から該当する能力を見つけ出すなんてそれこそアナザーでなくては無理だ。

「だよねぇ…。どうしたものかなぁ」

 亜美は顎に手を当てて、考え事を始める。亜美には考え事をする時、顎に手を当てる癖がある。どうやらこの仕事に就いてからの癖のようだ。

「おい、勘違いしてるみたいだから言っとくが俺達の目的は栗崎健介の捜索だ。犯人逮捕じゃない」

 スマホを弄りつつ、横目で亜美を見る。

 亜美は露骨にありえないといった顔でこちらを見上げている。

「…なんだよ」

「いや、普通に考えてありえないと思って」

 ありえないのはお前だ馬鹿、と言おうとしたところで車内アナウンスが流れた。

「次は、A区。A区。お出口は右手でございます」

 電車が止まり、数秒後に右手側の扉が開いた。

「はぁ…。いいか、無茶はするなよ」

「わかってるわよ、バカハジメ」

 軽口を叩きながら、二人で電車を降りた。

遅れて申し訳ありませんでしたぁ!

できるだけ早め早めに上げていこうと思うのですが如何せん書けるタイミングが無くて…(言い訳)

次回はもっと話が進むように頑張ります。

評価、コメントの方、よろしければお願いたします。

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