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目が覚めた。
でも は誰だ?
解る事は は人の形をしたナニかだと言う事だろう。
身体の構造を自由に変えられ、想像した物を実在させる事が出来る。
そんな事をできる存在は神か悪魔か化物しかできないだろ。
薄暗く明かりも無いこの場所
居心地が良いとは思わない、出よう。
――――こうして、化物は世に放たれた。
何処かの街に怪しい格好をした人物が居た。
シルクハットにタキシード姿、顔には笑っている仮面を貼り付けていた。
背格好は男にしては低く、女にしては華奢では無い。
そんな怪しい人物は街を歩いていた
「さて、何と成しに此処まで着たがこれからどうするか…。」
そんな事を呟いていると、ある場所が目に入った。
路地裏と言えるべき所で、汚れが酷くゴミも散乱している。
まさしく"掃き溜め"だ。
そんな場所で男の子が居た。
年は15歳位だろうか、顔は醜く目を合わせるだけで吐き気を催しそうで、身体はぶくぶく太っている。
だが、違和感を覚えた怪しい人物
何故"みずぼらしいスラムの子供があんなに太っているのか?"と言う事に。
もしかしたらこの辺りのまとめ役で、部下の子供に命じて貢がせてるのかもしれない。
ただその割には、醜い顔が怯えている様な印象を受ける。
だからだろうか、怪しい人物はその子供に近づく事にした。
「こんにちは少年、ご機嫌いかがかな?」
「えっ!?」
突然話しかけられた少年は、驚き声を掛けた相手に振り向いた。
驚愕に満ちた少年を尻目に、怪しい人物は手を少年の身体へ運び、触ろうとした
手は少年の太った身体に"沈み混んだ"、ズブリ、と。
「あ……あの……?」
困惑する少年を見て、怪しい人物は納得する。
「誤認させる呪いか……。酷い呪いに掛けられている様だな。」
「えぇっと……呪いって?」
「何、君には人に嫌われる呪いが掛けられている様だ。もっとも には効果が無かったようだが。」
「あの、今もっともの後にの言葉が聞こえませんでしたけど…?」
「ふむ……なるほど、にも何らかの呪いが掛けられているのかも知れないな。」
怪しい人物は気にする様子は無く勝手に納得する
ますます困惑する少年の元にある声が掛けられた
「やーい"顔潰れ"ー!」
「なんだぁ?とうとうそんな怪しい奴に買われるのかぁ?」
「ちげぇよ!飼われるんだぜきっと!」
『ギャハハハハッッッ!!!』
此処らのスラムに住んでいる物達だろうか、悪意しか無い声が少年に投げつけられる
しかし、その笑い声は直ぐに"黙らせられた"。
ガ ゴ ド
ン ン ゴ
ッ ッ ォ
! ! !
棒で頭を叩いた音が響いた
「あんた達!何度も言ってるけどそんな事を言うな!」
利発そうな少女が仁王立ちして腕を組む
ただ、目の瞳の色が"薄く灰色"の様に見える
「くそ!"目ずみ色"だ!」
「女の癖に邪魔すんな!」
「女は男に媚び売ってれば良いんだよ!」
「ふざけんな!女だからって馬鹿にしてんじゃないよ!」
そしてまた棒が振り下ろされ、音が響く
「ちくしょう!覚えてろよ!」
「いてぇよぉ!」
「うわーん!」
恨み言を吐き、痛みを堪え、泣きながら逃げていく少年達を尻目に、少女は怪しい人物にも果敢に攻めていく
「あんたも何なのよ!こいつに何かしたんじゃ無いわよね!?」
「落ち着けお嬢さん、 はただ違和感を感じただけだ。」
「違和感?」
「この少年は見た目の肉体に対して"骨と皮"の様な物だ。禄に食べれてないと見える。」
「……解るの?」
「なんとなく程度だったがね。」
どうやら少女は少年の違和感に気づいてる様だ
「ね、ねぇメズキ。さっきから何の話をしてるの?」
「あんたのがりがりの身体が太って見えるって事を解る大人が居るって事よ。」
「ぼ、僕たちも一応15だから大人じゃないかなぁ。」
「食べる物も無い状態で成長も出来ず身体が伸びないのに?」
「そ、それは……。」
「シュウ、このままだとあんた飢え死に決定だからね。」
「でも、食べ物を買うお金も無いし。」
「盗んででも食いつなぐしか無いでしょうが…。」
「でも失敗して捕まったら奴隷にされちゃうし…。」
「死ぬよりマシでしょ。最悪、まだ奴隷の方がマs「嫌だよ!」…。」
「ぼ、僕が奴隷になるのが嫌じゃ無くて、メ、メズキが奴隷になるのが嫌なんだ…!」
「そんな事言ったって……。」
そんな会話をしてるとふと、鼻孔をくすぐる臭いが直ぐ隣からした
「モグモグ……。」
怪しい人物は"フライドチキン(骨付き)"を食べていた
「モグモグ…。」
『………(ゴクッ)」
「………得体の知れない物だけど食べる?」
怪しい人物が掌から2本のフライドチキンを現した
次の瞬間、掌からチキンは消え少年少女の口に入っていったのだった。




