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4/5

小南について。

 直接的に本編には登場しないですが、プロローグで話しているのは、小南の影です。ほとんど里中の影と口調は同じ。なぜなら、影は本心(夢の中の自分)だから。小南の本心は「男っぽい自分」だから。里中の影と小南の影はよく似ているわけです。叙述トリックとして使用させていただきました。


 ちゃんと小南の設定には意味があるんだよ! と作者は叫んでいます。笑

 単に「こういうキャラ面白そうだから」とかじゃないんだよ!

 マスクキャラもちゃんと小道具として何度か使いました。事故後の世界で「マスクをつけていない」ことを「マスクをつけていない」という言葉を使わずに表すのは、ミステリ好きとして、なかなか楽しかったです。笑 マスクはエピローグでも活躍させられましたし。


 その他、里中は「駄目」を漢字で言うのに対して、小南は「ダメ」とカタカナを使っていたり。これに気づかれたら終わりだな、と焦りながら投稿してました。笑

 心への叫びが「女々しい気がする」のも当然ですよね。


 他にも彼女についてはいくつか話せるポイントがありますね。


 まず、里中が本編で最初に戻った世界での小南。彼女は元々の時間での小南とほとんど同じように見えます。ですが、最後は「歪な死」を遂げている。

 つまり、記憶を消してやり直していた小南(物語序盤の里中と同じ)と推測できます。


 では、事故後にやり直した小南はどの時間の小南なのか。上の彼女とは別なのは言うまでもなく、きっと、記憶を持ったままやり直した彼女なのでしょう。答えを言ってしまうと、エピローグの延長ですね。

 ここを裏付けているのが、曲です。誰が気付くんだ、というポイントではありますが、それぞれの曲のキーを記してみます。専門用語を使いますが、絵的に見てもらえればと思います。


                         調号

(第一部)

Prologue ~Back to~ 前半 (調整は薄いが)Cm   ♭♭♭

 後半 無調

夜は嫌いだ      C             調号なし

影かく語る      Am            調号なし

From the Steam   C             調号なし

To My Sanctuary   F (ラストだけC)     ♭

歪な夢        C             調号なし

反比例        D             ♯♯



(第二部)

四月の前      前半 無調

          後半 A           ♯♯♯

食前酒       B              ♯♯♯♯♯

Let’s Eat Hot    主にC#            ♯♯♯♯♯♯♯

暗転のための    D及びA           ♯♯、♯♯♯

Second Night   E              ♯♯♯♯



(第三部)

updraft      Cm、E♭          ♭♭♭

downdraft     E♭             ♭♭♭

対峙        E♭m            ♭♭♭♭♭♭

First Night    前半 G♭           ♭♭♭♭♭

         後半 A♭           ♭♭♭♭

Epilogue      E♭             ♭♭♭



 調号を見てもらえると、部による違いをわかってもらえるのではないかと思います。第一部は調号が少ないもの、第二部は♯の多いもの、第三部は♭の多いもの。実はこんなことしてました。

 プロローグをCmにしたのは完全にミスりましたが(Fmにしておけばよかった)、「Epilogue」と事故後に再会する「もう一度 -updraft-」のキーを揃えているのは、「ここは同じです」ということを暗に意味しているわけです。

 で、さっきプロローグミスったと書きましたが、プロローグの視点は、最終話で里中が倒れている病室の、小南視点です。(FmとA♭は調号の数が同じ)

 となると、プロローグの小南とエピローグの小南は別人と考えられます。エピローグを読んでみると、病室から戻ったわけではなさそうなのは歴然でしょう。

 そこを加味すると、エピローグ及び第三部の小南は、第二部で過去に戻った里中と同じ、「想いを告げられなかった」小南と考えるのが自然ではないでしょうか。小南は小南で、きっと色々なストーリーがあるのでしょう。


 このあたりの、「どの時間軸の里中とどの時間軸の小南が合流しているのか」という点は非常に複雑で、頭を悩まされました。考えれば考えるほど頭がおかしくなりそうです。笑

「時間を移動した後は、その時間軸からその人は消える」という設定である程度収束させられましたが、そのせいで里中にはまたひどい目を合わせてしまいました。笑


解説・考察はここまで。

次はおまけ掌編です。

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